大人オリジナル小説
- 君の吐いた嘘 いじめ
- 日時: 2011/01/16 23:36
- 名前: リクア
こんばんは!!
このリクアの小説2個目!!
今回は実話だけでなく、9,5割をフィクションにしたものを書きたいと思います
それでは宜しくお願いします
○登場人物○
主人公
・翡翠 翼(ひすい つばさ)♀
いじめの主犯・裏切り者
・美空 久留(みそら くる)♀
主犯に従う人達
・郷田 當麻(ごうだ とうま)♂
・赤崎 澄(あかざき すま)♂
・瑠璃 京子(るり きょうこ)♀
・水原 みさ(すいはら みさ)♀
順次増えるかも…。
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- Re: 君の吐いた嘘 いじめ ( No.28 )
- 日時: 2011/03/22 22:33
- 名前: リクア
第六話『loss and gain』
雑巾を口に入れられて息苦しくなった私は、思わず心の中で叫んだ
誰か、助けてよ!
その願いが通じたのか、或いは偶然だったのか、他の学年の子が教室の前を通り掛った
思いっきりドアを全開にしていたため、室内の様子が良く分かる
それで、その子はこの教室の中の光景を目にしてしまったのだ
みんなはまだそれに気づいていない
私に暴力を振るう事に夢中になり過ぎているからだ
「ひっ…!」
その子が小さく悲鳴を漏らした
それによって、久留がその子の存在に気がついた
「あんた、見たんだね?」
低い声で言うのと同時に、皆の攻撃が一斉に止んだ
手や足を止めた変わりに、その鋭い視線は偶然にもこの光景を目撃してしまった哀れな子羊とも言えるその子に注がれている
「み、見てない! 僕は何も見ていない!」
腕を前に突き出して必死に否定しているその子を見たことがあった
いじめられる前はよく世話を焼いてあげた秋月 芽衣(あきづき めい)だ
可愛らしい女の子で、そんな彼女とは仲が良かったのだ
女の子なのに、一人称が僕だったことも面白くて気に入っていたのだ
「芽衣ちゃん! 早くここから立ち去って!」
私は誰かに助けてほしいと願った
でも、その誰かが芽衣ちゃんなのなら、このいじめに巻き込んでしまうかもしれない
そう考えると恐ろしくて私はそう叫んでいた
びくっと体をはねさせた後、芽衣ちゃんは我に返ったようにハッとした表情になり、小さくこくりと頷いて走り出した
「あっ、待て! 口封じしてやる!」
そう言って澄が走りだした
私はその【口封じ】という単語に敏感に反応して、押さえつけるやつらの力を思いきり押し返して澄のあとを追った
あのままでは、芽衣ちゃんが危ない!
助けなきゃ!
私と同じ痛みを彼女に味あわせてはいけない!
そう体が叫んでいて、息が切れても澄のあとを追い続けた
校舎内を走り回って、芽衣ちゃんが澄に追いつかれてしまった!
腕を芽衣ちゃんの細い首に回して締め上げている
今、彼は私の存在に気が付いていない
その隙を逃がさず、私は思いきり彼に飛びついた
突然奇襲に対応しきれなかった澄はそのまま前につんのめるようにして倒れこんだ
芽衣ちゃんはなんとか横に転がり、私と目を合わせて頷くと走り去って行った
うつ伏せから仰向けになった澄の上に馬乗りになって、私は思いきり拳を振り上げた
芽衣ちゃんに手を挙げるやつは許さない
それが誰であったとしてもだ
「芽衣ちゃんに痛いことなんてしたら許さないんだからな!」
私は彼をそう怒鳴りつけながら、怒りの拳を振りおろした…
―――ぐしゃっ―――
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