大人オリジナル小説
- 君の吐いた嘘 いじめ
- 日時: 2011/01/16 23:36
- 名前: リクア
こんばんは!!
このリクアの小説2個目!!
今回は実話だけでなく、9,5割をフィクションにしたものを書きたいと思います
それでは宜しくお願いします
○登場人物○
主人公
・翡翠 翼(ひすい つばさ)♀
いじめの主犯・裏切り者
・美空 久留(みそら くる)♀
主犯に従う人達
・郷田 當麻(ごうだ とうま)♂
・赤崎 澄(あかざき すま)♂
・瑠璃 京子(るり きょうこ)♀
・水原 みさ(すいはら みさ)♀
順次増えるかも…。
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- Re: 君の吐いた嘘 いじめ ( No.35 )
- 日時: 2012/01/15 19:55
- 名前: リクア
第七話『no title』
――ぐしゃっ――
変な音をさせて私の拳が澄の顔に落ちると同時に、朝礼が始まる鐘が鳴った
その音に澄より私の方が早く反応して、彼を残して一目散に教室へ逃げていった
私が教室に飛び込むのと、先生が入ってくるのはほぼ同時だった
黒崎 耶麻(くろさき やま)という男の担任は、私の顔を見て一瞬驚いたような顔をしたけれどすぐに笑ってくれた
「お手洗いにでも行っていたのですか?」
にっこりと笑いかける先生の顔が妙に怖い
その顔の裏に何かがありそうな気がしてならなかったのだ
だけど私はそんな不安を振り払うように笑顔を作ってこう応えた
「はい。遅れてしまってごめんなさい」
ぺこりと丁寧にお辞儀をして謝ると黒崎先生は大丈夫ですよ、と応えて出欠席をとり始めた
と、その時後ろの教室のドアが乱暴に開く音がした
振り返るとゼェゼェ肩で息をしながらドアを両手で開け放った体勢を保っている澄が居る
成る程、あれから後で全力疾走したわけか
少し心の中でいい気味だと思いながら席に着く
ふと視線を感じてそちらを見てみると、久留がこちらを睨んでいた
彼女に対して両手をあげて降参の合図を送ると、フンと鼻を鳴らして顔をそむけてしまう
心の中でクツクツと笑いが込み上げてくる衝動を飲み込んで、普通の顔をして朝礼をしていた
朝礼が終わると、みんな5分休みに入って一時間目の授業の準備を始めた
時間割は国語だ
私としては得意なわけでもないが、苦手なわけでもない
でも、そんな中途半端なのはこのクラスでは許されない
全教科を得意科目と胸を張って言えるほど勉強して頭が良くなければならないのだ
全くもって面倒くさくてくだらないと思うが、それに逆らうのは少し怖いので止めておく
そうだ、澄が芽衣ちゃんに殴りかかろうとしたことも先生に報告しなくては
まあ、この事をチクれば私が殴ったことも明らかになるが、この際そんなの大した問題ではない
さっさと準備を済ませた私は、ちょっとお手洗いに向かった
廊下を歩いている時、なんだか後ろからそんなに良い気配がしなかったので逃げるようにしてトイレの個室に駆け込んだ
私が走れば、向こうの気配も走る
もうそんなのが誰かは知っていた
「ほら、出て来いよ〜。なんとかのネズミってやつ、知ってる?」
コンコン、と私が入っている個室のドアがノックされる
この声は久留だ
「それ、袋の鼠っていうやつだよ」
久留に助言したのは京子の声だ
と、次の瞬間ドアに強い力が加えられた
バキィッ!
一瞬何なのか分からなくてとりあえず上を見上げた
すると、ドアの上のわずかな隙間から覗いているのはトイレ掃除用のモップだった
「う〜ん、もうちょい下に傾けるのかな?」
どうやらドアの向こう側でこのモップを操作しているのは京子の様だ
モップがあちらこちらに傾けられたり、ガタガタとゆすられたりする
たぶん、モップをこちらに突っ込んで引っ掻き回せば私がたまらなくなって外に出てくるのだと思ったのだろう
そうでなくとも、モップさえこちらに入ってしまえば滅茶苦茶に動かして汚いモップを当てて遊ぶ事も出来るだろう
それから1分ほどして京子たちはこちらにモップを入れることに成功したがその瞬間にチャイムがなってしまったので何かを仕掛けて帰って行ってしまった
何かの仕掛けというのはモップをこちらに入れたまま中にぶら下げている物だ
さすがによく分からないものに触るほど私も馬鹿では無い
だから個室の壁をよじ登って隣の個室から出てみると、モップの柄の部分に空いた穴に紐を通し、さらに水がたっぷり入ったバケツの持ち手に結びつけていた
たったあれだけの時間でこの作業をこなす彼女らに、怒りを通り越して関心さえ抱かされた
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