大人オリジナル小説
- 生き方......__
- 日時: 2011/05/08 16:21
- 名前: そらね ◆v56v3zaHE6
人間に、綺麗な生き方なんてあるのかな。
#
お久しぶりです、そらねです(`・ω・´)キリッ
初めて書いた小説は社会問題。下手糞の道を極めてしまったので初心に返るべく、舞い戻ってきました。
題名は仮です。なんとでもなれ、です。
交流を避けている訳ではないんですが、友達が少ないです。それはもうガッコに行って一人でお弁当を食べるくらい。
友達が少ない可哀相な奴なんて友達募集中です。
どしどし、ご応募ください。待ってます(´・ω・`)
▼生き方......の足跡
≫序章>>3
▼お客様
:華世さま
コメント貰ったら嬉しさ百倍ですっ(^ω^)
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- Re: 生き方......__ ( No.9 )
- 日時: 2011/05/09 18:36
- 名前: そらね ◆v56v3zaHE6
≪1≫
何気ない日常。平和な日々。
もしも、そう感じている人間がいるのならば、聞こうではないか。本当に平和であるか、と。
世界では苦しんでいる人もいるのに、戦争の前触れである小競り合いだなんて世界では頻繁にあるのに。
平和だなんてよくも言えたもんだ。
その平和は、自分の視界に入るだけの世界の平和なのだ。自分の日常が平和なだけなのだ。
平和の意味も判らないで使うんじゃないって叱ってやりたいね。そう思いながら、僕は瞼を閉じた。
そして開けた先に広がる光景は、普通の高等学校の休み時間の最中であった。無意識の内に僕は考え事をしていたんだろう。
僕は机の上に散らかっている教科書などを鞄にしまいつつ、次の教化の用意をする。
机に広がる消しゴムのカスを床に落としながら、僕は面白くも名さげに鼻を鳴らした。
机から立ち上がって、ふとある光景が視界に入る。弱々しい悲鳴、怒鳴り声。
気弱で名の知れる男子生徒が、僕のクラスメイトにいじめられ、カツアゲされている光景だった。
その光景は、僕の胸の奥の何かをたぎらせて来る。
すると、教室の端に居る女子の一人が妙に明るい声音で女友達に喋りかける声が耳に入った。
「なんか最近、平和過ぎるよねぇ……なーんか、ショックなことがおきないかなあ?」
平和、平和ね。
確か、クラスメイトで名前は、鈴谷美絵だった気がする。
君は間違っているぜ。それはもう、人間なんてやめてしまえばいいほどに。
僕は彼女を睨みながら、ポツリと呟いた。
「……人間は間違えだらけだな」
「ん、何か言った? ハルト」
その独り言を、聞き取った少女は声をあげた。
隣の席の女子が、小首を傾げて不思議そうに言った。どこかでみたことのある光景が脳内に広がって、幕を閉じる。
彼女とは幼馴染でもあり、腐れ縁でもある。そして何の運命か、この前の席替えにて隣になってしまった。
僕らは周りからは夫婦などとからかわれている。
――けれど、僕は人間を愛する気は無いからなあ。
どれだけの好意を寄せられても、愛する気にもならない。でも僕は人間に執着している。ある意味だが。
僕だって否定はしているけれど、愛したっていい者だって居るのだ。独りだけ、誰だったか分からない誰かを。
瞼を閉じて、その人間を思い出そうとしても記憶は蘇らず、ただ教えてもらった言葉だけがリピートされる。
もう何年もこうなのだ、思い出せるはずも無いと。僕は瞼を開いてサオリを見つめ、
「いや、なんでもないよ」
薄く微笑んで誤魔化して見せると、彼女は怪訝な表情で僕を見つめる。
そういう顔も綺麗な彼女。やっぱり美女は格が違うというのだろうか。そんなことを考えると、彼女は僕を睨みつけながら、
「ふぅん、そういう笑いを浮かべている時はなんか考えているんでしょう? それも誰か貶すような、ね」
と訊ねてきた。僕はただ微笑んだ。彼女は苦い顔をしながら、その場を離れようとする。
僕が考え事している時は、彼女は僕の事を酷く嫌ってくる。
それは幼い頃に言ってしまった言葉が原因なんだが。もはや、その言葉を取り消そうなんて思わない。
彼女は僕の考えていることを聞いてくるくせに、答えを聞きたがらない。全く持って面倒臭いのだ。だから手短に答えてあげた。
「サオリは鋭いねえ、1パーセントだけ当たっているよ」
僕は誰にだって愉快にも不愉快にも見える笑みを描いた後、その場を去った。
そして、視界の端に窓の世界が見えた。その中に屋上のフェンスで黒いからすが居て、そいつが、僕を見つめていた気がする。
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