大人オリジナル小説

      生き方......__
日時: 2011/05/08 16:21
名前: そらね ◆v56v3zaHE6


  人間に、綺麗な生き方なんてあるのかな。



お久しぶりです、そらねです(`・ω・´)キリッ
初めて書いた小説は社会問題。下手糞の道を極めてしまったので初心に返るべく、舞い戻ってきました。
題名は仮です。なんとでもなれ、です。

交流を避けている訳ではないんですが、友達が少ないです。それはもうガッコに行って一人でお弁当を食べるくらい。
友達が少ない可哀相な奴なんて友達募集中です。
どしどし、ご応募ください。待ってます(´・ω・`)
▼生き方......の足跡
≫序章>>3



▼お客様
:華世さま

コメント貰ったら嬉しさ百倍ですっ(^ω^)

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Re:       生き方......__ ( No.16 )
日時: 2011/05/12 20:29
名前: そらね ◆v56v3zaHE6

≪4≫

 人間。から思いついた言葉を吐き出せ。
 醜態、醜悪、偽善、悪党、見苦しい、饒舌、エゴイスト。
 僕はこれくらいしか知らない。
 だけど、誰か≠ヘ僕の思いついた言葉を軽くあしらう。
 どれだけ人間を見てきて、嫌って、愛して、裏切られて、悲しんで、怒って、触れて、聴いて、来たのだろう。


 僕が目覚めたのは病院だった。
 コントラストの無い白に染まった、不気味な場所。
 背中に嫌悪と寒気が激しくぶつかり合う。
 
 いつかの記憶がリピートされる。
 血が噴出しているのを愛しそうに、見つめる円らな瞳――

 思わず右手で口元を覆う。
 酸っぱい匂いが口に広がり、口の中に異物が這出る。あまりの気持ちの悪さに耐えられずに嘔吐してしまった。
 どろりと白いシーツの上に吐瀉物が異様に目立つ。
 気分はサイコー! に悪い。

「……」

 冷たい眼差しが僕をにらみつけた。
 林檎の皮を剥いている、幼馴染兼腐れ縁の池ヶ谷サオリ。
 彼女は制服姿で果物ナイフを手にしていた。

「起きてすぐに吐くなんて器用ね」

 皮肉交じりに彼女は吐き捨てる。
 そんなに僕の事が嫌いか、と訊ねようと思ってやめた。
 そんなの、答えが決まっているのだから。僕は起き上がる。

「まあね、これでも家庭科の針に糸を通せますから、自力で」
「……その減らず口も相変わらずのようで、殺気だったわ」

 そうかい、と短く答えた。
 体全身が痛むものの、なんとか動かせそうだな、と思いながらもぞもぞしていると。
 よくみると、足が吊られている。骨折してもーたかい。

「……あは☆ 僕って何日寝てましたかな?」
「ん、頭を強打して動かなくなったのを、救急車を呼んで病院へ直行して、4日以上寝てた。という情報を君にあげよう」

 全く、僕を嫌っているからこそ僕に真実を教えるのかなコイツは。
 僕は短く溜め息を吐いて、吐瀉物を見つめた。
 女子の前ではく奴なんて気持ち悪いな、と自己嫌悪する。
「言っておくけれど、シーツは自力で変えなさいよ。手先が器用なんでしょう?」意地の悪い冗談ですねと言いたくなった。
 
 実際に、冗談であって欲しかった。
 僕は唇を動かす。吐瀉物が視界に入らないように俯く。

「医師は僕に、自殺ドクターストップをかけているのかな?」

 彼女はきょとんとしていたが、「そうね」と言ってそっぽを向いた。
 沈黙が訪れ、彼女が林檎を剥く音だけが聞こえた。
 彼女は憤怒の気持ちを瞳に潤し、僕は自嘲しながら俯くのをやめ、彼女を見つめた。

「自害はお好きなのかしら? 三年前も7日前も4日前もずうっと、自害し続けているようだけれど」

 笑みを描いた唇が止まった。フリーズ状態。
 僕は彼女に厳かな口調で声音で言ってやった。

「…………お前はそれを知ってどうしたいのさ」

 彼女は僕の態度に一瞬だけ強張ったが、すぐに強気になったように荒々しく鼻を鳴らした。

「さあね、少なくとも。情報を持っていても、貴方の自害を止めようだなんて思わない。むしろ、感激って感じかしら。邪魔者がいなくなれば、カオリだって目を覚ますし」

 そうかい、と僕は言った。彼女は唇を閉じた。
――立ち入ってはいけない所に来てはいけないよ。
 もう一度、自嘲した。

「僕は死ぬことで人間と言う存在から欠落するのであれば、僕は喜んでするよ。それが出来ないからこんなこと、いつまでもダラダラとしているじゃないか」


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