大人オリジナル小説

署名戦争
日時: 2012/05/12 14:14
名前: 小豆

おはようございますこんにちはこんばんは、小豆です

初めてこのスレをたてました。

この話を通じて、見えないこととか、どうしようもないこととか、覚悟のないことの恐ろしさを感じていただければ幸いです。

なんて言ってるけど要は愚痴ですよ(=^・^=)
まあそんな暗くもないしいじめでも何でもない、
ちょっと力と頭と覚悟の足りなかった私たちの、一日戦争です。

私たちの、本当にあった、どうしようもない一日の話。

そこに行くまでの私たちと、通り過ぎた後の私たちの日常。

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Re: 署名戦争 ( No.6 )
日時: 2012/05/12 17:49
名前: 小豆


6:この声が大好きで嫌い・・・

良く通って大きい声。
幼稚園の頃、先生に私はなんだと聞けば帰ってきた。
「こえがおおきいわねえ」
そのころは褒められているとしか感じなかった。
今ならわかる、声が大きくてうるさい子供だったのだ。

でも私は、
美しくもなく、変わることもできない、
ただ大きくてよく通るだけの声を誇りに思う。

きっと力になる。

体育の時間。
ダンスの練習で埋まっていく秒針。
あんまりうまくないので、やってるようでやってません。
時々声をかけるだけですね、ハイ。
小さい声で、誰かに、「わかる?」
分からなかったらほかのダンスリーダーに聞けばいいんだけどね。
だからみんな「うん」なんて言いながらすぐ後に他のダンスリーダーに声をかけてる。
というかダンスリーダーになって質問されたことなんか一回もないね。
楽だからいいけど。

ざわざわ。
新しい所を教える時、何か微妙に空気がざわざわしていた。
なんか落ち着きがないときとか、ないかな?
前の方の子たちは聞こてるっぽいけど、後ろの子大丈夫かな。
ホントそれだけだった。

「ねえそっちきこえてるーー?」

なんでもないセリフのはずだ、なのに。
あんなに騒がしかった場が静まって、ああ、なんて脆弱。
楽しそうな世間話が、私の声でかき消されてしまった。
消えて、みんなこちらを見てる。
思わず、
信じらんない、
おずおずとした声。
「え、なんで、シズカンなったの?」
焦ったふり。イヤ実際焦ってるけど。
またやっちゃったあ><
分かってますよ?
何度かこうゆうことあったから。
何度もあって、そのたびに笑い飛ばしてきたから。
緊張の糸、ゆるくほどけた。
「あ、聞こえてるよー」
これだって、セリフはふつう。
でもそんな、周りと気まずげに顔を見合わせられたら、
焦りと一緒に、ちょっと楽しい。
私の声はこんな力がある。
使い方は間違えたけど、いつかきっと役に立ってくれる。

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