大人オリジナル小説
- コミンテルン
- 日時: 2014/02/14 17:59
- 名前: 偽akuma
新akumaとしてakumaと言う名は消えることはない。
登場人物
赤村 共太 (せきむら きょうた)
主人公の1人。
愛里 義国 (あいさと よしくに)
主人公の1人。
吉川 竹男(よしかわ たけお)
父親は、とある会社の社長の息子
本山 美里(もとやま みさと)
父親が、幾つもの会社を束ねる「本山財閥」の会長。いわゆる、お嬢様。
三ツ屋 愛梨(みつや あいり)
「三ツ屋財閥」の会長の娘。こちらもお嬢様的な者。
山元 里美(やまもと さとみ)27歳
2年5組の担任・・・父親が学園長。
伊藤 利夫(ごとう としお)53歳
2年5組の副担任。あまり学校には居ない
- Re: コミンテルン ( No.1 )
- 日時: 2014/02/14 18:00
- 名前: 新akuma
2020年 9月23日
「ねえ、私と婚約者だって言うこと・・・覚えていますよね? 」
「覚えているよ。で、それがどうしたんだ」
朝からあの2人はうるさかった。私立明月学園中学校2年5組に通う俺は、いつもこんな連中に囲まれて一日過ごしている。まずあの2人のうち、女子のほうは本山美里・・・本山銀行を前身とする「本山財閥」会長の娘であるらしい。そして、男子の方はとある中規模会社社長の息子らしいのだ。この学校は、ああ言う経済界の御曹司やらお嬢様やらがたくさん通う、日本では有名な学校である。
「おはようございます・・・本山様」
「本山様、おはようございます」
ぞろぞろと、クラスメイトたちが教室にやって来た。皆、専務や常務など会社役員の子供たちである。俺が信頼している副担任の後藤先生によれば、この学校の生徒割合は5分の1の生徒が社長やグループ会長の子供、5分の3が会社役員の子供、そして残りの5分の1が、庶の子供である・・・今の日本に階級制度はないが、まあ平民というのがこの場合妥当だろう。そして、俺はその平民に属する。
「おはよう」
「ああ」
そして、クラスメイトの中でよく話をする同じ庶民の子供の愛里義国も登校してきたようである。義国は俺の立場上、「最大の敵」と言う事なのだが、この学校にいるとそう言うのは関係なかった。ここは、会社役員以上の身分の子供たちが集まる学校で、俺にとってはある意味、戦友・・・同志ともいえる存在だからだ。義国はどう思っているかは知らないが、当面のところは義国と衝突することはないのだろう。
「今日は様付けした奴は何人だ? 」
「いつもどおりの人数だ。役員の子供が社長の子供に様付けするんだ・・・誰かが欠席しない限り人数は同じだろうよ」
「そうか、全く今日も嫌な対立を見せ付けられるのか・・・同じ日本国臣民であるのにね」
2年5組には、先程言った「本山グループ」の会長の娘と、「三ツ屋グループ」の会長の娘がどうやら対立しているらしく、実際、企業同士で仲が悪い。やるなら勝手にやってもらいたいのだが、このクラスのほとんどのクラスメイトがどちらかの側についているのである。そのため関係ない俺らもそれに巻き込まれるのは良くあることであった。
「対立を見たくないのは同じだ。だが、俺は臣民ではなく人民だ。そして将来は立派な労働者になるつもりだ」
「そうかい、相変わらずだな赤村。名字からして、赤だもんな」
「そう言うお前もだろうよ。それと名字は関係ないぞ」
そして、
「今日も、おはようございます。5組の皆さん」
「三ツ屋グループ」の会長のお嬢様がご登校してきた。彼女は三ツ屋愛梨という名だ。今日もこうして、ぎくしゃくした1日が始まるのであった。