大人オリジナル小説

コミンテルン
日時: 2014/02/14 17:59
名前: 偽akuma


新akumaとしてakumaと言う名は消えることはない。


登場人物

赤村 共太 (せきむら きょうた)
主人公の1人。

愛里 義国 (あいさと よしくに)
主人公の1人。

吉川 竹男(よしかわ たけお)
父親は、とある会社の社長の息子

本山 美里(もとやま みさと)
父親が、幾つもの会社を束ねる「本山財閥」の会長。いわゆる、お嬢様。

三ツ屋 愛梨(みつや あいり)
「三ツ屋財閥」の会長の娘。こちらもお嬢様的な者。

山元 里美(やまもと さとみ)27歳
2年5組の担任・・・父親が学園長。

伊藤 利夫(ごとう としお)53歳
2年5組の副担任。あまり学校には居ない

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10



Re: コミンテルン ( No.7 )
日時: 2014/02/16 22:28
名前: 新akuma

【第一手】


「そろそろ、休み時間が終わるから戻るとするか」
「そうだな」

 と、言うことで俺たちは教室へ戻ることにした。その時はただ、ボケッとしながら教室へ向かっていたのだが、いざ教室へ戻ると・・・あるクラスメイトの机とその周囲が水浸しになっていたのだ。

「あれは、三ツ屋の取り巻きの机だ。そう言えば義国の机も近いだろ、大丈夫なのか? 」
「どうやら少しばかり俺の机も犠牲になったようだ。後で俺のほうからも実行犯を調べて見るか」

 義国はそう言って、雑巾を準備して自分の机を拭き始めた。とりあえず俺は、吉川の所へ行き、情報確認を行った。
 
「早速、奴隷を使い始めたようだ。全く、本山の奴は冷酷だ・・・しかし、こうなれば三ツ屋とその取り巻きも黙ってはいないだろうね。まだ本山の息の掛かっていないお前らをターゲットに取り込むかもしれん。気をつけろ」
「ありがとう、精々気をつけるよ・・・」

 それからして、5時間目と6時間目も終了し、清掃の時間となった。

 ・・・。

「丸岡君、昼休みのこと覚えているよね? 」

 俺のクラスメイトの丸岡が、三ツ屋とその取り巻きに囲まれたようである。そして、バケツ一杯の水を丸岡の頭からぶっ掛けたのだ。

「報復だろうね。だが、三ツ屋らも肝心な黒幕には手を出せず、実行犯だけにしか報復はできないようだな・・・俺のほうからも後で丸岡には言ってはおくつもりだ。何せ俺の机も少々汚されたんだからな。だが、あくまで言うだけだが」
「そうか、あいつらみたいに、苛めるなよ? あくまで事情を聞くだけにしておけ」
「ああ。それはともかく、丸岡の奴は水浸しで大変だね。相当悔しくてその場から動けないようだな」

 丸岡は、ただじっとその場で固まっていた。

「義国、本山の方は見てみぬふりだ。当然と言えるが」
「そりゃそうさ、捨て駒なんだからね。しかし、担任はどう出るかね」
「大企業の傀儡の学園長のことだ。知らぬぞんぜぬを突き通すだろうし、その娘である俺らの担任もそれに追従するだろう」

 俺は、丸岡をその場で助けることはしなかった。申し訳ないが、彼には革命の犠牲になってもらう・・・俺はそうとしか考えなった。

「精々、丸岡には国のために犠牲になってもらおう」

 義国も、同じようなことを考えていたようである。正直なところ、今ここで丸岡を助ければ、こちらが不利となることは明白だ。だから彼に対しては影で支えて、そして三ツ屋側の情報集めのための情報屋として役に立ってもらおうと、俺はここで具体的な一手を考えたのであった。

 とは言っても、とてもスケールの小さいものであることも俺は判っている。たかが、2年5組内部の争いを利用して、日本を一気に動かすことなど無理だ。だから、初期目標は学園の混乱・・・つまり普段は何もせず、虐めがあっても知らんぷりをする学園長が何かしらの動きをするように事を大きくすることが俺の最初の目標となったのである。これが大きな第一手ともいえるだろう。

「日本の革命のためにな・・・父さんの手助けにも多少はなれば良いが」

 俺はそう小さな声で呟いていた。

 学園長を動かすのに、一番有効な手段は、義国の言っていた明月学園教職員組合を利用し、そしてストライキにまで持っていくことである。ストライキとは一斉に仕事をせず、職場に行かないと言った行為で、実は日本の法律でも認めれている行為である。つまり、労働者の団結権と団体交渉権にあたる行為である。

 しかし、俺は後藤先生を失いたくないと言う思いがあり、あまり良い手段とは思えなかった。仮にその手段を選んだとして、13人の教師がストライキを行えば、少なくても授業がしばらく進まなくなるのは事実ではある。つまり、恐らくここで学園の混乱は成功するはずである。そこで、しばらくこの状態が続き、生徒の親・・・大企業の経営者あたりが、学園長に何らかの対策を求めるようになれば、これで最初の目標は達成されることになるのだ。だが、後藤先生はどうなるか? 下手すればクビだ。場合によっては思ったよりも混乱せず何もなかったかのように終わってしまうかもしれないのだ。

「いつまでボケッとしてるんだ? もう清掃は終わったぞ。席に着け」

 義国に言われ、俺は急いで席に戻った。そして、いつの間にか担任が丸岡のそばにいたようで、

「丸岡、お前自分でバケツこぼしたんだって? 早く雑巾で拭きなさい」

 担任は、丸岡が自分でバケツの水を零した=丸岡の責任だと言う方向で片付けようとしているらしい。

「はい」

 丸岡はただそれに従い、無表情のまま濡れたところを拭き始めた。完全な虐めと言っても良いだろう。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大7000文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。