大人オリジナル小説
- 「死」の意味
- 日時: 2014/08/08 18:55
- 名前: みかん
・・・死ね。
私を傷つける奴は死ねばいいと思う。
いじめられて苦しんで、泣いて、またいじめられて、裏切られた私の気持ちを思い知れ。
私は屋上に立った。風でさきほどあいつらに切られたばかりのザンバラ髪がなびく。
私は下を見た。めまいはしない。
下校時刻を知らせるチャイムが鳴り響いた。
玄関先で親友の後藤麗華が出てくるのが見えた。
・・・わたしをうらぎった元・親友。
今からお前に地獄を思い知らせてやるからな。覚悟しとけよ。
私は大空を舞った。苦しみから逃れるために。
浮いた瞬間に解放感が遅れて脳に伝達される。
乾ききった心を潤すような雨が私の体に降り注いだ。
・・・下に響く悲鳴。これは麗華の声だろうか?
瞬間頭に鋭い痛みが走った。視界がゆれる。
さようなら、お兄ちゃん。今までありがとう、お母さん。せめて友達が欲しかった。
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- Re: 「死」の意味 ( No.9 )
- 日時: 2014/08/12 17:43
- 名前: みかん
小さい頃から私は「可愛い顔してるよね」と言われてきた。
自分で言うのもなんだけど、結構自分のルックスは気に入っていた。
だから中学生になったらスカウトされることも珍しくなくなった。
最初は断っていたのだけど、ある時スカウトされたとき、ちょうどお父さんの会社が倒産寸前だったので、少しでも生活費を稼ごうと思ってモデルとアイドルを始めたのだ。
当初、私は不安だった。みんなにいじわるされたりするんじゃないかって。
でも、そんな不安はすぐになくなった。逆恨みをよくするゆかりが
「浅野さん、芸能界一歩出たんだ!すごいね、こんどサインちょうだい!」
と、以外にもハイテンションで応援してくれたからだ。
その時のゆかりの目が意地悪く光っていたことを私は気が付きもしなかった。
それが私に対するいじめの兆候だったのだ。
モデルなんか…アイドルなんかやらなければよかった。
そうすればこんな思いしなくて済んだのに。
でも、私がモデルをやめても、みんなはもっともっといじめ続けるだろう。
だってみんなは私をいじめることを楽しんでいるのだから。
元の世界にはもう戻れない。
もう未来は目に見えていた。
私は、
いつか、
死ぬ。
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