大人オリジナル小説
- 「死」の意味
- 日時: 2014/08/08 18:55
- 名前: みかん
・・・死ね。
私を傷つける奴は死ねばいいと思う。
いじめられて苦しんで、泣いて、またいじめられて、裏切られた私の気持ちを思い知れ。
私は屋上に立った。風でさきほどあいつらに切られたばかりのザンバラ髪がなびく。
私は下を見た。めまいはしない。
下校時刻を知らせるチャイムが鳴り響いた。
玄関先で親友の後藤麗華が出てくるのが見えた。
・・・わたしをうらぎった元・親友。
今からお前に地獄を思い知らせてやるからな。覚悟しとけよ。
私は大空を舞った。苦しみから逃れるために。
浮いた瞬間に解放感が遅れて脳に伝達される。
乾ききった心を潤すような雨が私の体に降り注いだ。
・・・下に響く悲鳴。これは麗華の声だろうか?
瞬間頭に鋭い痛みが走った。視界がゆれる。
さようなら、お兄ちゃん。今までありがとう、お母さん。せめて友達が欲しかった。
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- Re: 「死」の意味 ( No.5 )
- 日時: 2014/08/10 18:28
- 名前: みかん
いつもと同じの風景。
いつもと同じの教室から聞こえる話し声。
そして。。。
「おはよう!!」
私はいつものように挨拶をして教室に入った。
でも。
そこにあった生徒の視線はいつもと違うものだった。
みんな一斉に私をにらみ、教室は海の底のように静かになった。
・・・訳が分からない。
「・・・え?」
私の心はひとりでにずきずきと痛み始めた。
その時…私は窓際の席で一人うつむく麗華の姿を見つけた。
麗華は私を見つけるとすぐに
「おかえり!練習どうだった?」
と笑顔で聞いてくれたのに。。
今は私の顔を見ようともしない。
でも彼女に聞いたら何か分かるかもしれない!
だって私たちは親友だから。
「麗華〜!もう、存在感薄すぎ!!ねえ、何かあったの?」
私はわざと明るく聞いてみた。
だけど麗華はうつむいたまま答えなかった。
「ねえ、どうし・・・・」
「うるせえよ、ドブス!」
言いかけた途端、後ろの方で信じられないほど冷たい声が耳に突き刺さった。
そしてその後に続くクスクスという笑い声…
私はそっと振り返った。
・・・クラス委員の佐野ゆかりが私を睨むようにしてみていた。
「もう、あんたはこのクラスの仲間じゃないから。」
ゆかりは私に言い放った。
「会った時から思ってたよ!私がこのクラスの中心人物なのに、モデルだからっていばってさ!私の出番なくしてさ!そういうのウザいんだよね!」
ゆかりの目は憎悪で光っていた。今までに見たことのない目だった。
私はビクッとした。ゆかりは何か誤解している。
私は威張った覚えはないし、ゆかりを蹴落としたこともない。
「そ、そんなわけじゃ・・・」
「とにかく今日から私、あんたのこといじめるから。これは今朝みんなで話し合って決めたことよ。みんな良いって言ったんだから!もちろん麗華もね!覚悟しといたほうがいいんじゃない?」
私は麗華の方を見た。信じられなかった。
だって私たち、親友でしょ?親友なら味方になってくれるでしょ?
「だって、私たち親友なのに…」
「…違う…」
私が絶望した声で言ったら、麗華が独り言のようにつぶやいた。
「・・・え?」
「あたしとみかんは親友じゃない!
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