大人オリジナル小説
- 囚われたのはどちら?(R18BL)
- 日時: 2019/07/06 16:44
- 名前: ミスキー
能力者を憎いと思う人間×人間には屈しない能力者
その世界では能力者をバケモノと呼びます。
それぞれに名前はありますが、能力者を嫌う人間にとって脅威的存在であることは変わりないのだ。
- Re: 囚われたのはどちら?(R18BL) ( No.3 )
- 日時: 2019/07/08 17:51
- 名前: ミスキー
ソレは、硬い鉄格子とコンクリートの壁に囲まれた中に居る。
「よお、バケモノちゃん?」
看守が牢の中へと声をかけるとソレは静かに顔を上げる。電気の明かりのない暗い牢の中、非常ランプのように赤い目が二つ光ると共に小さく聞こえた繋がれた金属片の揺れる音。
「昨夜は眠れたァ?あ、寝なくても平気なんだっけ?」
ソレは黙ったまま微動だにしない。看守は警備を持ち場へ戻るように言い、牢の鍵を開けて中へ入る。
動かないソレに臆することなく近づき、床に膝から下を付けて座っているソレの目の前で止まる。
「人間の体したバケモンが…」
看守は眉を寄せて軽蔑するようにソレを見下し小さく呟く。
それに対してバケモノは漸く口を開く。
「寄るな汚物め」
嫌悪感を丸出しにした発言は、反抗するでもなく軽蔑するでもない、軽くあしらう様に言われた。
看守を見上げて視線をかち合わせた状態で述べる言葉が看守を侮辱するものだと分かっていての発言。
「はあ?テメエ、誰に口聞いてンのか分かってんのか?」
「貴様こそ、俺に手をあげていいのか?」
看守はユウの小さな顎を強引に掴んで自分の方へ引き、顔を近づけ威圧するがバケモノは少し苦しそうにしては片眉を上げて余裕あり気に微笑し看守を嘲笑う姿勢を見せつける。バケモノの容姿というのは人間の目を惹き付け思考を鈍らせる。
「チッ!」
看守はバケモノの顎から手を離して顔を背ける為に背を向ける。大きな舌打ちにバケモノは罵るように鼻で笑う。
看守は考える。
自分は御物で汚されることなく綺麗なまま大切にココに残される、必要な時のみ牢から出されその能力を使う、いいご身分だぜ。
そんなやつの謙った言動、上から目線な態度を一変させ懇願させる、看守の口角は上がった。
「そうだなァ、ちょっと愉しいことシようぜ?」