大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 供養【gnsn】
- 日時: 2022/03/09 18:15
- 名前: 雨 ◆cxr3pzal/E
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もうこちらには何もあげないと思うので、気になる方は支部の方にどうぞ。
- Re: 供養【gnsn】 ( No.21 )
- 日時: 2022/01/28 22:35
- 名前: 雨 ◆cxr3pzal/E
法律家/堂主#1
「胡桃。まず説明をして欲しいのだが……これは、一体どういうことだ?」
煙緋の困惑の目が、胡桃をしっかりと捉える。
煙緋は今、後ろ手に軽く机に凭れかかりつつも、胡桃に机へと追い寄せられていた。つまり、煙緋は今、前は胡桃、後ろは机によってサンドされている状態だ。胡桃から逃げようにも、机の上に置いた手に指を絡められ逃げられなくなっていた。
私たちは今、二人で楽しくおしゃべりをしていたはずなのだが。と煙緋は思い返しながら、何故こんな状況に陥っているのか考察をしはじめた。何か胡桃に失礼なことをしでかしただろうか? いや、先程までは二人で一緒に昼食をとっていただけだ。何も変なことをしていない筈。煙緋はぐるぐると思考を始める。
「煙緋先輩、って……私の事好き?」
「……む?」
要領を得ない胡桃の言葉が聞こえてきて、煙緋はこてんと首を傾げた。
つまるところ何を言いたいのか。それははっきりとは分からなかったが、それでも一つだけ分かることがあった。それは――理由は分からないが、胡桃は怒っている、ということだ。
「あー、えっとだな、胡桃。私は何か、お前を怒らせるようなことでもしてしまっただろうか? その、すまないが、まったく……心当たりがないんだ。お前がどうしてそんなに拗ねているようなのか、正直に言うと私には検討もつかない」
「……うそ。ほんとうに言ってる?」
「あ、ああ……うん、本当だ。できれば、詳しい話を聞かせてもらえると助かるんだが」
呆れた。そう言うかのような瞳のまま、驚いたような素振りを見せながらも首を傾げる後輩。煙緋はひゅっ、と短く息をのんだ。これは宥め方を間違えたかもしれない。心の中にわずかな焦りが生まれる。
とはいえ表面上はあくまで冷静に。煙緋は胡桃の言葉に頷いた。
「……先輩のばか、もう知らない」
「……ん!? ちょっ、ちょっと待ってくれ、どうしてそうなる?」
胡桃の顔が葛藤に歪む様をしばらく黙って見つめていたが、ふと吐き捨てられたその言葉に思わず煙緋は声を上げた。煙緋の手を拘束していた胡桃の手が離れようとするのを、ぎゅっと絡めた指に力を入れ阻止する。
離れようにも離れられなくなった状況に、胡桃は迷惑そうに眉を下げたが、やがて観念したようにぽつりぽつりと話し始めた。
「だって、煙緋先輩は……わ、私と一緒にいたって、つまらないんでしょ?」
「……うん?」
「私と居たって、いつもエウルア先輩や甘雨先輩の話ばっかりだもん。私より、エウルア先輩とか甘雨先輩の方が好きなのかな、楽しいのかな……って」
胡桃の目からはいつの間にか怒りは消えていて、代わりに不安そうな色が宿っていた。心細そうにわずかに細められた目がしっかりと煙緋を見つめる。
「あ……」
煙緋は珍しく言葉に詰まってしまっていた。今しがた言われたことは、恋人である胡桃に指摘されるまで気づかなかったことだ。相手を不安にさせてしまうほど、別の人の話に夢中になってしまっていた、という事実がたまらなく恥ずかしく思えた。言い訳の余地もない。
「……えっと、……その、胡桃……不安にさせてすまなかった」
「……うん」
「しかし、だな……」
少しだけ不安の和らいだ彼女の顔を見て安堵しつつも、煙緋は申し訳なさそうにおずおずとしながらも再度口を開いた。
煙緋もまた、ずっと前から思っていたことだが口にはしなかったことだ。
「私も、お前について不安に思うことが多々あるんだ。私という存在がいながら、周りとスキンシップを取ったりだのなんだのと……周囲と距離がかなり近いだろう? 胡桃がいつか誰かに取られるかもしれない、と思うと胸が苦しい」
指を絡めあったままの胡桃の手をぎゅっと握りながら、煙緋は真剣な面持ちで更に言葉を続ける。
胡桃のそれは可愛らしいが、自分に内在するこんな重い感情は蓋をしておくべきだ、と。今まで嫉妬の感情に目を瞑り平気そうに振舞っていた分、一度口をついて出てしまえば止まらない。
「周囲の人間がお前のことを好意的な目で見ているのを、私がどれだけ気を揉んでいることか」
煙緋はそこまで言い切ると、机の上に軽く腰掛けた。そして胡桃の手を握っていた手を腰の方へと回し、自身の膝の上へと相手を抱き寄せる。
「胡桃のことを四六時中考えていると言っても過言ではないくらい、胡桃のことが好きだ。それがお前に微塵も伝わっていなかっただなんて、こんなにも悲しいことはないだろうな」
するり、と胡桃のスカートから覗く太ももをゆっくりと撫であげながらも、わざとらしい意地悪さの滲む言い回しでそう告げる煙緋。
ぴくり、と僅かに震える胡桃に気を良くしたのか、スカートの下へと指先を少しずつ滑り込ませていく。
「ちょ……っ、煙緋先輩、一旦止まって」
スパッツ越しに太ももを撫でているところを胡桃に呼び止められる。そこでようやく煙緋が胡桃の方へ顔を向けると、胡桃はどこか申し訳なさそうな、少しだけ泣きそうな顔をしていた。その様を見て、結局はお互い様だな、と心の中で呟きつつ、煙緋はほんの少し目を細めた。が、次の瞬間煙緋の顔は驚きに染まった。
「私だって、先輩が私の事思ってるのと同じくらい、先輩のこと好きなんだけど?」
そう告げる胡桃の顔が、煙緋の目の前にあった。煙緋の顎には胡桃の手が添えられており、どうやら胡桃の方へと顔を引き寄せられたらしい。
胡桃の顔がそのまま煙緋の首筋へと埋まった。直後、痛みが煙緋の体を走る。ぢゅっ、と音がして、少ししてから胡桃の顔が離れる。どうやら、キスマークと呼ばれるものをつけられたようだった。
「……ん、ふふ、随分と可愛らしい挑発だな」
「これは挑発なんかじゃなくって……! もー、煙緋先輩ってばそんな顔して、本当は何にもわかってないでしょ!」
「ちゃんと分かってるよ。胡桃は私のことが好きでたまらないんだなぁとキュンキュンしていたところだ」
煙緋はそれを理解するまでぽかんとしていたが、やがてくすくすと笑いだした。首元に咲く赤い華が彼女の愛の証、だとでも言いたいのだろう。彼女の独占欲の表れに、心がなんだかキュッとする。
胡桃はムッとしたような顔をしていたが、煙緋は気にせず言葉を続けた。
「しかし、こんな人目につくようなところにつけるなんて、……本当に可愛い奴だな」
きっと、胡桃の思いよりもはるかに自分の方が大きすぎるものを抱えてるのだが。煙緋はそう思うも口にはせず、代わりに胡桃を自身の方へと更に抱き寄せた。
「胡桃。お前に言っておきたいことがある」
太ももの上に乗せたことにより僅かに目線が高くなった胡桃を見上げながら、煙緋は言葉を紡ぐ。
「私は、お前から離れるつもりもないし、離すつもりもない。胡桃が思っているよりもはるかに、私は自分勝手なんだ」
「……煙緋、先輩?」
一見すると煙緋はいつものように話しているように見える。が、胡桃は煙緋の瞳の奥に潜む熱に気づいた。愛おしさのまじった目付きで、胡桃は煙緋のその顔によく見覚えがあった。――それは、情事の時のそれと同一だった。
「えっ、え……待って、ここでするつもりなの? 先輩ってば、変なスイッチでも入っちゃったの?」
ちらり、と時計で時間を確認しつつ、胡桃は煙緋から逃げようとした。そんなつもりでこの話題を持ちかけたわけでもなければ、学校でそんな行為に踏み切る勇気などない。
煙緋が変わらず愛情を向けてくれているのならば。胡桃はあくまでも、それを確認したかっただけなのだが。
そもそも論を述べてしまえば、そんな事が出来るほど一端の生徒に自由時間が許されているわけでもない。
「ね、ちょっと先輩ってば聞いてます? もう昼休みも終わるし……」
「先程は私に“何にもわかってない”と言ってくれたが、本当に何も理解していないのは胡桃、お前の方じゃないか?」
しかし煙緋は胡桃を離すことはなく、むしろ胡桃の腰に回した手にさらに力を込めているような気さえするほどだった。
「え、えーっと……それは、どういう意味?」
「うーん……そうだな、やや抽象的に答えるならば、“私に痕をつけてくれたことを後悔するな”という意味だ。私もお前に“お前が私のものである”という印を残しておきたくなった」
煙緋の言葉を要すると、“煙緋も胡桃の体に赤い華を刻みつけたい。胡桃は煙緋のものであると証明しておきたい。”という煙緋の独占欲の表れである。
もっと噛み砕いて、かつやや無風流に解釈するとするならば、煙緋のこの言葉は、“今この瞬間シたい”という誘い文句ということになるだろう。
それを理解したらしい胡桃は、少しばかり顔を引き攣らせた。こういうときの煙緋――いわゆる嫉妬心や独占欲、ないしは所有欲等が、煙緋の心を巣食っているとき――は妙に高ぶっているきらいがあり、故に行為も激しくなる傾向にあった為だ。この場での行為は避けなければ、色んな意味で危険だ。そう察知した胡桃は、何とかして煙緋を宥める方向へと舵を切った。が、中々上手くいかない。
「えっと、ほら、授業に遅れるのはだめだから、もしシたいなら放課後にでも――」
「胡桃、テスト前に授業を進める先生なんてここの学校にそう居ない。どうせ五時間目は自習だろう?」
「あ、……ぅ、確かにそうだけど……でも、」
「今がいいんだ。どうしてもだめか?」
ぐ、と胡桃は言葉に詰まる。煙緋は眉を下げ、上目遣いになって見つめてくる。本人は無自覚なのだろうが、煙緋のこのあざとさをも武器にしてくるような甘え方に、すこぶる弱かった。
一体どうしてくれようか、と胡桃が言葉に悩んでいる間にも、腰に回されていないもう片方の手で手を掬い取られ、指先をすりすりと撫でられる。
「……ぁ…………」
撫でられた部分がじんわりと熱を帯びる。そのまま指を絡められ、指と指の間をゆっくりと煙緋の指がなぞっていく。
それを見て、胡桃はぽっと顔を赤らめた。情事の始まりを合図する、煙緋の動きそのものだったからだ。
指先に伝わるほのかなくすぐったさに、胡桃の思考を象っていた輪郭がぼんやりと失われていく。
「……胡桃。私は強制しないから、嫌なら嫌と、一言言ってくれ」
交差した二人の指に夢中になったまま黙りこくった胡桃を見て、煙緋は静かにそう告げた。
- Re: 供養【gnsn】 ( No.22 )
- 日時: 2022/01/28 22:44
- 名前: 雨 ◆cxr3pzal/E
法律家/堂主#2
「ん、ん……っ、ふ……ぁ……っ」
鳥のように唇の先を啄むような口付けから、徐々に深いものへとしていく。いつの間にか胡桃と煙緋の立場は逆転していて、胡桃が机の上へと押し倒される形になっていた。
「舌を出して」
「……ん、」
べ、と素直に突き出された舌を食むようにして唇で挟む。舌先同士でキスするかの如くにゅるりと舌を擦り合わせながらも、煙緋はじゅる、と舌に吸い付いた。
「んん、ぅ……っ……!」
一度に与えられる様々な刺激に、胡桃はビクビクと肩を震わせ悶えることしかできなかった。やがて、口の中に収まりきれず、飲み込むことも出来ない唾液が胡桃の口の端を伝い垂れはじめた。
「は、ぅ……っん、……ふ……っ、ぅ」
ザラザラとした粘膜が擦り付けられる感覚から逃れようと舌を引っ込めようとするも、それを察した煙緋から舌先を甘噛みされてしまう。その結果、余計に刺激に過敏になってしまうのみだった。
「っぷぁ、はーっ……はぁ……っ」
ようやく唇を離され、満足に息を吸い込みながらも煙緋を見上げる。軽い酸欠状態のせいか、胡桃の瞳は少しだけ潤んでいた。
煙緋はちらり、と胡桃の顔を一瞥するだけに留め、制服へと手を掛けた。ブレザーを脱がし、シャツの上に着ているベストを首元まで捲りあげ、シャツのボタンを複数個外す。露になった白いブラを見て、煙緋は思わず生唾を飲んだ。
「や、先輩、あんまじろじろ見ないで……」
胡桃のブラはいつもフロントホックタイプのものだ。煙緋は慣れた手つきでホックを外し、あまり豊かとは言えないものの綺麗な形をした双丘を食い入るようにしてじっと眺める。
「何故だ? こんなに綺麗なのに恥ずかしがることはないだろう、もっときちんと見せてくれ」
そう言いつつ、恥ずかしげな様子で胸元を隠そうとする胡桃の手を掴んでは頭上で一纏めにして机に押さえつけた。
「ぅ、うぅ……」
煙緋と胡桃の間で、胡桃の視線がオロオロとした様子であちこちを彷徨う。頬は羞恥に染まりきっていて、こころなしかぷるぷると震えているようにも見えた。
そう言えば、いつもはある程度照明の落ちた場所でしていた。こうして明るい場所で胡桃の体を改めて見ることは、二人にとって今日が初めてだった。
「ぁー……――む、……ちゅ、る……っ」
しばらく眺め続け満足したのか、次に煙緋は胸の頂へと吸い付いた。まだ硬くなっていないそこ全体を口に含み、舌で転がす。
「は、ぅ……ぅ、ん……っ」
舌先で軽く転がされただけというのに、胸の突起は早くも芯を持ち始めていた。乳輪ごとちぅ、と吸われビクッと腰が跳ねる。
ちゅぽっ、と音を立てて煙緋の口から解放された頃には、胸の突起は赤く腫れたようにぼってりと大きく固くなっていた。粘り気のある銀色の糸が引いていく。まだ何も触られていないもう片方とは歴然の差であった。
「ひ、ひぅ……ぁ、……ん、ぉっ」
もう片方の方も同じようにして口淫される。それと同時に、先程散々吸われ尽くした突起をカリカリと軽く引っ掻くようにして刺激を与えられた。
「ぉ゛、っ……ひ、ぃ……っ、ぁ、〜〜っ」
左右にそれぞれ異なる刺激を与えられ、胡桃は頭の中が混乱しつつもビクビクと体を震わせ耐えるしかできなかった。
「ぁ゛、それ……っ、だめ、かりかり、やだっ」
胸の突起に絡みついたままの煙緋の唾液が潤滑油代わりとなって、ぬるぬると指先が滑り良く動いている。滑りを纏った指先でカリカリと引っ掻かれ、とめどない快楽を与えられる。
「ひ、ぅ……っ」
ぎゅっ、と指で突起の先を摘みあげられながら、吸われている方にも軽く歯を立てられ、驚いたように胡桃の腰がびくりと反らされた。
「……っ、ふー……っ、ふ、ぅぅ……っ」
今度はくにくにと指で突起を揉まれながら、舌先でトントンと軽く突起の先を押しつぶされる。胡桃は涙目のまま唇を噛み締め、必死に声を抑え込んだ。
教室には、じゅる、ちゅっ、と吸い付くような音と、時折机がガタッと揺れる音。そして胡桃の荒い呼吸音だけが響いていた。
「えん、ひせんぱ……っ、せんぱい、待って……」
「……待てるわけがない。絶好の獲物が目の前にあるというのに、大人しく“待て”ができる奴なんて、世界に数える程しかいない。お前も、そうは思わないか?」
ようやく胸元から煙緋の顔が離れたかと思うと、今度はスカートの方へと手を掛けられる。慌てて胡桃が制止するも、聞き入れられることはなかった。
煙緋は少し辛そうな面持ちで余裕無さげに首を小さく振った後、そう言った。つまるところ、胡桃の言葉は聞き入れることが出来ないということだ。胡桃のスカートのフックを外し、それをはらりと床に落とした。
「――これは、すごいな」
瞬間、むわりと発情しきった雌の匂いが辺りに漂う。いつもの胡桃の黒いスパッツは湿っていて、蒸れて熱くなっているのが一目に分かるほどになっていた。ごくり、と煙緋は喉を鳴らし、そう言いながらも目を細めた。
スパッツ越しにショーツを撫でれば、指先が湿り気を帯びる。もう既に、相当に濡らしてしまっているらしい。
「ぁ、ぁ……」
煙緋がゆっくりとスパッツから手を離せば、粘度のある透明な液体が糸を引く。ゆっくりとスパッツを下ろすと、ショーツとスパッツの間を繋ぐ糸が見えた。フリルとリボンであしられた可愛らしい白いショーツだったが、クロッチの部分は変色していた。自分の指でここまで興奮してくれているのだと分かり嬉しくなった煙緋は、胡桃の鎖骨へとちゅっ、とリップ音を立て、そのまま強く吸い付いた。
「ん……もうこんなにして……ふふん、そんなに良かったのか?」
「こうなったのは、先輩のせいでしょ……っ」
「……ほう? まだそんなことを言える余裕があるとはな」
顔を離し、鎖骨部分に浮かび上がった赤色に目を細めながら、煙緋はからかうような調子でそう告げる。
胡桃はまだ軽口を叩ける分の余裕は残されているらしい。煙緋はそんな胡桃の様子に楽しげにクスッと笑いつつ、ショーツ越しにゆっくりと割れ目に指先を這わせる。ショーツは雨に打たれたみたいにずぶずぶに濡れ切っていて、布越しに愛液特有のぬるりとした感覚が指へと伝わってきた。
「ん……っ、ふ……ぅ」
布一枚隔てているというのに、煙緋の指が上下に擦られる度にくちゅりと音が響く。
先程とは少し様子が変わり、胡桃は眉を寄せ、与えられる刺激に対して必死に耐え始める。そんな胡桃の視線の先には、自身の秘部を焦らすようにして撫でる煙緋の手があった。
「さっきの威勢はどうした?」
「ぁ……っ!」
布ごと軽く孔へと指を押し付けられ、ひくひくと入口が喜んでしまう。そのままぐりぐりと指先で浅瀬の部分を刺激され、背筋がゾクゾクと震える感覚に陥る。胡桃は思わず顎を反らし、ぴくぴくと肩を震わせた。
その内、どろりとした白っぽく濁ったような愛液がこぽっと孔から溢れ出ては、布からじんわりと染み出しはじめた。
軽口を叩けていたあの余裕とやらは、彼女にとってひと握りの理性だったのかもしれない。胡桃は、快楽に従順な顔になりつつあった。
「……脱がすぞ」
「ぁ……は、ぅ」
今まで勝手に脱がしてきた癖に、煙緋はここぞとばかりに宣言してからショーツに手を掛けた。
先程よりも遥かに濃い、胡桃の発情しきった匂いが辺りに漂う。頭がクラクラしてしまいそうなほど濃厚なその匂いに、煙緋は小さく息を吐いた。ショーツのクロッチの部分は予想通り愛液でまみれ、あからさま使い物にならなくなっていた。
- Re: 供養【gnsn】 ( No.23 )
- 日時: 2022/01/28 22:48
- 名前: 雨 ◆cxr3pzal/E
法律家/堂主#3
肩、背中、腹、腕、腰、足。胡桃は、煙緋によって中途半端に脱がされていた服は全て剥ぎ取られ、また体の至るところには赤い痕が残されていた。それでいて、服を着てしまえば全て隠れてしまう位置につけられていた。
ぬちっ、ぬちゅっ、と音を立てながら、胡桃の中に入っている煙緋の指が絶えず動く。
「ぅ、ん゛……っ、ゃ……ぁっ……〜〜〜っ!」
やがて限界を迎えてしまったらしい。びくり、と腰が跳ね、ガクガクと足が震える。今、胡桃は体の上半身だけを机の上にうつ伏せるようにして、机に体を預けていた。
絶頂を迎えた胡桃の中はきゅうきゅうと激しく収縮を繰り返し、煙緋の指をこれでもかと言うくらいキツく締め付ける。まるで体を求められているかのような動きに煙緋は頬を緩ませ、ゆっくりと指を動かすのを再開した。
「や、せんぱっ、まって……! いま……イったばっか、だから」
そんな胡桃の制止も聞かず、煙緋はぐちゅぐちゅと容赦なく指先で中を擦りあげていく。
何度も絶頂を迎えて、平生よりもいくらか腫れたように大きくなっている部分――いわゆるGスポットと呼ばれるような場所――をぐりゅっ、と軽く押し潰すようにして、繰り返し指先に力を込めた。
「んひ、ぅ゛っ……ぁっ……なんでっ、そこはだめ、だってば……っ」
「ここを指でぐりぐりされるのが好きなんだろう?」
「ん、ぁ゛……っふ、ぅぅ……っ」
乗っている机ごとガタガタと揺れそうなほど、胡桃がビクビクと震える。ぎゅうっ、と中を締め付け煙緋の指に絡みつきながら、必死に声を抑える。
既にトロトロに出来上がっているだろう秘裂からは、煙緋の手を伝い、ぽとぽとと床に愛液が滴り落ちていた。
「ほら、ここのぷくってなってる所押したら、私の指をこれでもかと締め付けてくるぞ。自分でも分かるだろ?」
そう言いながら、二本の指を使ってぐりぐりと強く肉壁を押す。ぬちゅっ、と結合部から音が聞こえてはビクッと胡桃の腰が飛び跳ね、さらに煙緋の手を汚していく。
「ひっ……ぃ……も、くる……っ、ぅ……〜〜〜〜〜っ!」
そのまま強く押され続け、ばちばちと視界に火花が散る感覚に陥ってしまう。ガクガクと勝手に腰が震え、「はー、……はー」と呼吸を荒げながらも、煙緋の指をさらに欲しがるようにして中がうねった。
「ぃ、いいっ、もぉ゛、いいからぁ」
「……ほう? もういいのか? 私にはどうも、“まだして欲しいです”って私の指に食い付いているようにしか思えないがな」
「ばかなこと、言わないでよっ……」
「ほら、また締まった。そうは言うけれど、私の指にきゅうきゅうって絡みついて離れてくれないじゃないか」
そう言いながら、煙緋は軽く指を曲げる。たったそれだけの動作だというのに、胡桃の秘部からは湿り気のある音が響いた。
「へ、ぁ……っ、おくっ、なんれっ、ゆびがきて、」
僅かな刺激にもプルプルと震え耐えていたところに、煙緋の指が更に奥の方へと進んでいくのが分かった。どうやら、煙緋はまだ指を抜くつもりはないらしい。
「胡桃は欲しがりだからな。そろそろこっちも欲しくなってくる頃合だろう?」
既に下りてきているであろう子宮の存在を指で確認した後、子宮口の辺りをぐりぐりと指で刺激してみる。
「っぁ゛、〜〜〜っ、んぅ……っ、ふ、っ……くっ、ぅぅうっ」
瞬間、きゅぅぅぅぅっ、と今までで一番強く指が締め付けられる。胡桃は机の角にしがみつき、必死に耐えている様子だった。
「おく、ぁ、も、これ以上だめっ……きもちぃ、くなっちゃう、」
「触り始めてからまだ数十秒くらいしか経っていないのに、もうイくのか?」
煙緋の指が一際強く奥を抉るようにしてぬちぬちと動き出した瞬間、「〜〜〜っ、ぁ゛……ひ、ぅ〜〜……!」と胡桃は声にならない悲鳴をあげて小さく痙攣しだした。それと同時に、ぽた、ぽたぽたぽた、と透明な液体が胡桃の足元へと落ちては水溜まりのように広がっていく。
「……相変わらず感じやすいな。誰にも見せたくないくらい、可愛いよ」
「…………っ」
中まで激しく痙攣している最中、煙緋は胡桃へと覆い被さっては耳元でそう囁く。耳に熱い吐息がかかるだけで、胡桃の腰はぴくりと震えた。
痙攣を起こしている肉壁を指で擦りつつ、奥の方をとんとんと優しく撫でる。覆いかぶさったまま胡桃の肩にキスを落として、強く吸い付きまた新たに痕をつけた。
「ぁ、あ……ゃ、も、ゆび……っ、おくっ、やぁ……」
「指でとんとんって優しく触ってるだけじゃないか。もう少し頑張って耐えられるだろう? このままじゃ流石に堪え性がないぞ」
「ちがっ、ゆびとんとんがいやなのっ、きもちいのとまんなくなる、から」
胡桃の頭の中はもう既にいっぱいいっぱいになっていた。もう何度も絶頂を迎えている筈なのに、止まってくれない煙緋のせいで奥に疼きがどんどんと溜まっていってしまう。
「気持ちいいのが嫌なのか?」
「も、いらなぃ、きもちいいのやだ」
息も絶え絶えに返されたその言葉に、「そうか」と煙緋はしばし思案した後頷いた。「……分かった、じゃあここは触らないようにしてあげよう」と言いながら、ずるりと指を引き抜くと、胡桃を仰向けにさせる。
「ぅ……せ、せんぱ……っ」
体に力が入らないのか、開かれたままの足の間からはヒクヒクと蠢く秘孔が確認できた。くぱくぱと開閉する動きに合わせて、とろとろと愛液が溢れだしてきている。
体の奥が疼いて仕方がないと言いたげな目で胡桃は煙緋を見やるが、当の煙緋は微笑を返すのみだった。
「そんな泣きそうな顔をするな、他のところをたっぷり可愛がってあげるから」
蜜壺から溢れ出す蜜を掬い、それを秘豆へと塗りつける。ぬるり、と指が滑り、弱い所を強く押される感覚に、胡桃はぴくりと震えた。
かりかり、と指先で優しく引っ掻くようにして、緩い刺激を与える。
「ん……っ、ふ、……ぁ……っ」
皮ごとすりすりと秘豆を擦りつつ、指の腹で優しく裏筋も時折撫でてやった。指の動きに合わせてびくっ、と腰が跳ねる様を見るのがたまらなく面白く、ついつい指でぐっと秘豆を押し込んでしまう。
「ま、って……イっちゃう、くる……っ」
一際甲高い悲鳴が聞こえたかと思うと、ぐりぐりと自ら腰を押し付けるようにして体を震わせる胡桃がそこにはいた。煙緋は慌てて手を離す。
「……ああ、すまない。胡桃は気持ちいいのが嫌なんだったよな」
「……ぁ、ぅぅ……」
口から漏れ出る僅かに不満の滲む甘い声と共に、胡桃が切なそうな目で見つめてくる。大方、先程の自身の発言で素直に強請ることができないのだろう。
絶頂欲が収まった頃を見計らい、再度指を動かし始める。秘豆は先程よりもいくらか硬さを増していて、弾力を持ちはじめていた。そろそろ頃合か、と秘豆に被っている皮を両手で剥きあげる。
「相変わらず可愛い見た目をしているな……。ピンク色でツヤツヤしていて……とても美味しそうだ」
「へんな言い方しないでよ……はずかしくなるじゃん……」
ぷるんと現れたそれに、煙緋はゆるりと目を細めては感嘆の溜息をつきながらもそう言った。煙緋からしてみれば、皮に隠れていたそれは熟れた苺のようでもあり、貝殻に隠された真珠のようでもある。
充血しきってぷっくりと可愛らしく大きくなったそれに、ゆっくりと指で触れる。
「ん、ひ……ぃっ……ぅ゛」
「……自分から腰を動かしたらだめだからな……その辺りは勿論、分かってるな?」
「で、もぉ……っ、勝手にうごいちゃう……」
「仕方がないな……」
煙緋の指が裏筋をしゅこしゅこと擦る度、胡桃の腰が物欲しげにゆらゆらと揺れる。煙緋はそれを咎めるも、返された胡桃の言葉に、小さく溜息を吐くのみだった。
「ぁ、んぉ゛……っ、ぉ……」
煙緋に腰を押さえつけられては先程と同じ調子で秘豆を擦られる。指が往復する度に、何も考えられなくなりそうなほど、びりびりした甘い感覚が走る。
煙緋の手の下で胡桃のほっそりとした腰がびくびくと小刻みに何度も震えていた。その様は、逃げ場のない快楽に悶え苦しんでいるかのようだった。
「んぅ゛、〜〜〜っ、ぁ゛」
口元に手を当てているも声を抑えきれていない胡桃。孔からは、もはやどろどろになった愛液が滔々と溢れ出していた。更には絶頂が近付いてきているのか、ひくっ、ひくっ、と収縮し始めているほどだった。
「ぁ、なんれ……っ、なんで止めるの……」
もうすぐでイける、というところで煙緋は指を止めた。胡桃に涙で潤んだ瞳で見つめられる。いつもならこの辺りで存分に甘やかしてしまうところだが、今日はそうではない。煙緋は心を鬼にして、静かに言葉を紡いだ。
「気持ちいいのは嫌だと自分で言っていたじゃないか。もしイかせて欲しいのなら、そうだな……それ相応の言葉でちゃんとお願いしてくれないと、私にはどうしようもないよ」
甘イキ止まりで中途半端に消化された疼きがより一層強まってしまったらしい。胡桃のそこは、ひくひく、と刺激を待ちわびているかのように蠢いていた。
「ぃ、いじわる……」
むっと頬を膨らませてはキッと睨むも、相手の煙緋にとっては何の威嚇にも脅しにもならない。かえって加虐心を煽るだけのものだ。
「意地悪? ……これのどこが意地悪なのか聞かせて欲しいな。気持ちいいのが嫌だと言うからこうして加減をしてあげているのだし、もしイきたくなったのであればそう言ってくれれば良いと先程言ったばかりだろう? むしろ恋人のわがままにこれまでにないくらい付き合っている方だと、私の中では思っているんだが」
そういうところだよ、と言いたげにさらにキツく睨まれたが、気付かないふりをしておいた。
ずり、と今度は秘豆の根元を指で撫でる。そしてそのまま親指と人差し指で挟むようにしてつまみ上げ、上下に擦ってやった。
「ん、〜〜……っ、ぁ゛……ひ、ぃ……っ、ぅ」
ぬちぬち、と音を立てながら秘豆をこりこりと扱いていく。
その最中に根元を擦ってやれば「ん、ぅ゛う」と腰を跳ねさせ、突起の先を押しつぶすようにしてやれば「ふ、ぁっ」と足を閉じて擦り合わせようとしてくる。その様子がたまらなく面白く、煙緋は何度もそれを繰り返した。
「ぅ、ぅ〜……せんぱ、も、イきたい……っ、つらい……」
しかしどれだけの快感を与えられても、煙緋の巧みな加減によって、胡桃は決してイくことは出来なかった。今にもボロボロと泣き出しそうな目で煙緋に訴えかけるが、煙緋は小さく首を振るだけだった。
「イきたいのなら“それ相応の言葉で”と言っただろう? そんな言葉じゃだめだ。誰の手でどこをどうして欲しいのか、までちゃんと言えたら……してあげなくもないよ」
煙緋のその優しい声と表情とは裏腹に、告げられたことは意地悪なものだった。胡桃は口をぱくぱくとさせながら、切なそうな顔で煙緋の方を見るばかりである。
「ちゃんと言葉にしてくれ、胡桃。私はお前の口からちゃんと聞きたいんだ……」
煙緋はそう言いながら、秘部へと指を入れていく。待ちわびていたかのように胡桃は思わず声を上げたが、浅い所で指の抽挿が繰り返されるだけだった。
ぬちっ、ぬちゅ、ぐちっ、と指が抜き差しされる度に水音が教室に響く。もどかしい刺激に腰をくねらせようとするも、煙緋に押さえつけられているせいでそれは叶わなかった。
「ぉ、ぉ゛……っ、なんでそこばっかり、もっとおく、ほし……っ」
「もっと奥? ここか?」
煙緋の指がずぷっと奥まで入ってきたかと思うと同時に、子宮口の辺りをぐりっと軽く指先で押される。瞬間、待ちわびていた刺激に胡桃は嬉しそうな声を漏らしつつ、煙緋の手の下でビクビクと胡桃の腰が震え始めた。
「ぁ、あ……そこっ、そこもっとぐりぐり、してっ」
胡桃は煙緋の顔を見ながらもそう強請ったが、煙緋は途中で指を抜いてしまった。またもや絶頂寸前でお預けを食らい、とうとう胡桃は泣き出してしまった。もうかれこれ十回近くは寸止めを食らっていた。
「な、んでやめるの、もぉ゛、イかせてよぉ……っ、ほんとにつらいの、おねがいだから……っ」
「なら、どう言えばいいか、胡桃はもう既に知っているだろう?」
煙緋にそう優しい声で催促され、胡桃は言われるがままに口を開く。ボロボロと泣きながらも懇願する胡桃の頭の中は“イきたい”でいっぱいになっていて、もう我慢するのも限界だった。
「せんぱ……っ、えんひのゆびで、おく、さわって……イかせて、くださぃ……っ」
そう言いながら胡桃は自身の秘裂へと手を伸ばし、裂け目を左右に開いた。ひくひくと期待するかのように蠢く秘孔だけでなく、煙緋の指を欲しがってうねる中までもが露になる。
胡桃の声は恥ずかしさで尻窄みになっていたが、ばっちり及第点だろう。
「仰せのままに」
ふ、と煙緋は柔らかい笑みを浮かべて、満足気な声でそう告げた。と同時に、彼女自らの手で拡げられた孔に自身の指をゆっくりと飲み込ませていく。歓迎するかのように、中はきゅうきゅうと強弱をつけてうねっていた。
「ぁ……やっと、きたぁ……っ」
まだ一本しか入れていないが、そう言う胡桃の声は恍惚としていた。ハートマークでも付いていそうなほどの甘ったるい声に堕ちていた。
指を一本から二本へ、二本から三本へ増やしたところで、さらに胡桃の中が強く締まり始める。大方、甘イきでもしたのだろう。
「ぁ゛っ、ぁ、そこ……っ、もっとぉ」
さらに指を奥へと進ませ、コリっとした感覚にぶつかったところで、そこを押し上げるようにして指先に力を込める。ぐちゅぐちゅと泡立った愛液が溢れ出し、煙緋の手を伝って、既に出来上がっている足元の水溜まりへとぽちゃんと垂れ落ちた。
胡桃は喉を仰け反らせながら、煙緋の手首を掴む。
「ひ、……ぉ、お゛……っ、ぁ……くる、も、イく……っ」
煙緋の手首を掴んだまま、小さく震え出す胡桃。切羽詰まったような余裕のない声と共にビクッと腰を浮かせたかと思うと、キツく中を締め付けられた。指が食いちぎられそうなほど全方向から肉壁の圧がかかり、離さまいときゅうきゅうと絡みつく。
「ひ、ぃ……っ、ぁ……」
「……一本たりとも指が動かせないほどの締め付けだな」
そう言いながら、指先を軽く曲げて子宮口の辺りをぐっぐっ、と押すようにして撫で回す。
「ふ、ぅ゛……っ、ぉ゛、なん、れっ、今、イった……っ」
ぎゅうぎゅうと指を締め付けながらもまだ軽く痙攣を続けている腟内だが、煙緋は関係なく指を動かし続ける。
続けざまにイかされようとしている。確かに切望してはいたけど、加減というものがあるだろう。止まってくれない煙緋の手を咎めるように、胡桃は軽く何度か煙緋の手を叩いたが、それでも煙緋は止まることはなかった。
「ぁ、〜〜〜っ……! も゛っ、ゆびとまって……っ!」
ガクガクと腰が浮きっぱなしになり、ぷしゃぷしゃと断続的に潮が吐き出される。もはや求めてやまないほどに煙緋の指を締め付け、休む間もなく絶頂を迎えた。
「こんなに嬉しそうに咥えこんでおいて、よく言うよ」
ぐちゅぐちゅ、と泡立った愛液が滴るのも気にせず、煙緋は再度胡桃の上へと覆いかぶさった。とんとん、と優しく子宮口の近くを撫でながら、胡桃の唇へと自身の唇を近づける。
「ぉ゛、……ぁ、イってりゅ、のに……っ、またイく……っ」
絶頂を迎えている最中だと言うのに、与えられる刺激がとめどないせいで次の絶頂を迎えてしまった。
煙緋の手首を掴んだまま、ずっと体はガクガクと痙攣を起こしていると言っても過言ではないほどで、視界はちかちかと白く点滅し続けている。胡桃は、天まで上り詰めたまま戻って来れなくなっていた。
「ん、ぅ゛ぅ……〜〜〜〜っ、はっ、ふ……っ、……っ!」
意識がフワフワした状態で口付けられ、強く唇に吸い付かれる。ちゅぱ、と唇を離されては再度キスを落とされ吸い付かれて、の繰り返しだ。煙緋は時折愛を囁きながら、唇の柔さを刻み込むようにして何度も口付けた。
「ふー、たお……っ、好きだ」
「ぁ……わた、しも……っ、せんぱ、だいすき」
暴力的なほどの快楽のせいでただでさえ酸欠状態なのに、キスの合間の息継ぎでさえも縫い込まれるようにしてキスを繰り返されたために、胡桃は上手く息が出来なくなってしまった。煙緋でさえも、興奮のためか軽く息切れを起こしているほどだった。
意識が朦朧としてしまいそうなほど、頭がクラクラとする。けれど、それが尋常ではないほどに心地よい。
「もっ、と、ちゅーして、えん、ひ……っ」
胡桃は、そう彼女の名を呼んだところで意識が途切れる。
胡桃の意識が沈む直前、煙緋の口角が満足気に上がっていたことと、授業の終わりを知らせるチャイムの音だけを、視覚と聴覚がはっきりと確かに捉えていた。
- Re: 供養【gnsn】 ( No.24 )
- 日時: 2022/01/28 23:01
- 名前: 雨 ◆cxr3pzal/E
法律家/堂主#4
「……君って本当、幸せそうで妬ましいわ」
「どうしたんだエウルア、藪から棒に?」
「あら、もしかして気付いてないの? 首元のその痕。てっきり、周囲に見せつけているのかと思っていたのだけど」
「……ん? ああ、これのことか」
やや皮肉っぽくエウルアに指摘され、煙緋は首元へと手をやった。虫刺されのようにも見える赤い痕に、そっと指先で触れる。
胡桃との空き教室での密会の翌日。二学年棟にある教室にて、煙緋とエウルアは二人で話していた。一学年時代の半ばから仲のいい二人は、二年生に上がってからというものの、奇跡的にも同じクラス、隣同士、ないしは近くの席……といった具合に、二人は運に恵まれていた。
「なんだ、もしかしてエウルアも羨ましくなったか?」
次の授業の準備を進めながら、煙緋はにやりと少しばかり意地の悪そうな笑みを浮かべた。
「……どうしてそうなるのよ」
そう言いつつ、呆れたような溜息を吐きながら煙緋の方へと顔を向けたエウルアに、煙緋はさらに笑みを濃くする。
「アンバーという娘とやらに構って貰えなくて、最近手持ち無沙汰なんじゃないのか?」
「君が何を言っているのか、意味が分からないわ」
最近エウルアの周りによくいる、赤いイメージの後輩。どうやらその子はエウルアの幼馴染だとエウルア本人に聞いたことがあるが、煙緋にはどうも、それだけに留まらない関係性が秘められているような気がしてならなかった。
その幼馴染だという女の子について煙緋が軽くからかってみるも、エウルアは何の面白みもなくすぱっと切り捨てるのみだった。しかし、煙緋は、エウルアの僅かな変化を見逃すことはなかった。口を開く前に、ほんの一瞬だけ頬を赤く染めたことを。
「澄ました顔をする割には随分と動揺しているじゃないか、エウルア」
「動揺? ……ふん、余計なお世話よ。そもそもアンバーと私はそんな関係じゃ――……あっ」
鎌をかけるみたいにそれっぽく煽ると、案の定エウルアはすぐにボロを出した。言葉だけ聞けばよくある誤魔化し文句だったが、何かに気付いたらしいエウルアが途端に顔を真っ赤に染めた。
煙緋の指摘は曖昧なもので、特にこれといった具体的な指摘は一度もなされていなかった。何事もはっきりさせたがる気のある煙緋の性質から考えて、おそらくはわざとだろう。エウルアは、アンバーのことをただの幼馴染だと声高らかに主張する割には、その“幼馴染のことを些か意識しすぎていた”。
「……自爆か?」
「……認めるわ。自爆よ」
むふ、と楽しげに目を細めてエウルアを見つめる煙緋とは対照的に、エウルアは顔を赤くしたまま煙緋から顔を逸らす。それは、アンバーとエウルアの間には並々ならぬ関係性が既に築かれていることを暗に示していた。
「……まぁ、確かにそうね。最近は……」
「ほう?」
「もう、煙緋ったら。私とアンバーの話なんて今はどうでもいいでしょ? それより、その……」
最近の記憶を思い返し、煙緋の言う通りだと小さく頷くエウルア。そのままポロッと夜の事情まで呟きそうになってしまうが、興味津々な煙緋の催促でエウルアはふと我に返った。
「……その? ……なんだ?」
強引に話を逸らされ、幾らか煙緋の気も冷めたらしい。エウルアは今度は少しだけもじもじとしながらも煙緋の方を見だした為、煙緋は不思議そうに首を傾げた。
「煙緋、……その、無理は禁物よ。翌日は色々と疲れが溜まっているでしょ?」
「……、…………ああ、お気遣い感謝するよ、エウルア」
一体何の話かと煙緋は首を傾げたが、すぐに意図を理解した。
エウルアはどうやら一つ勘違いをしているらしかった。煙緋の首筋には周囲に見せつけるようにしてキスマークが付けられ、また手首には強く握られたような、肌が擦られて変色した痕がはっきりと残っているのだ。煙緋がネコである、と思ってしまってもおかしくはない物的証拠が揃っていたのだ。無理もないだろう。
が、それを指摘すれば話は少々面倒なことになってしまう。煙緋はそれを恐れ、いつものような柔らかい微笑を浮かべるだけに留めた。