大人二次小説(BLGL・二次15禁)

供養【gnsn】
日時: 2022/03/09 18:15
名前: 雨 ◆cxr3pzal/E

www.pixiv.net/users/72241546
もうこちらには何もあげないと思うので、気になる方は支部の方にどうぞ。

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Re: 供養【toho/gnsn/kgpr】 ( No.9 )
日時: 2021/12/21 15:04
名前: 雨 ◆cxr3pzal/E

#7


「うぅ゛〜……」
「すまない、胡堂主……」

あの後鍾離に何度かイかされ続け、ようやく胡桃の獣化が治まった翌日。胡桃は腰の痛みと尻に伝わるヒリヒリとした痛みに悩まされていた。何事かと思い、全身鏡を引っ張り出して、鏡の前で裸になり後ろ姿を確認してみると見事なまでに患部が赤くなっていた。
獣化が治ってもなお仕事に復帰できずにいた胡桃を心配し――というよりは、自身の治療の不手際のせいだと認識した――鍾離が、胡桃の自室まで訪れては詫びを入れている最中だった。

「……いや、大丈夫だよ、鍾離さん。一体、昨日何があったのか本当は聞きたいところだけど、ね」
「……知らない方がいいこともある、と言うからな。今回ばかりは、海鮮物を押し付けられようが胡堂主の思いに応える気はない」

実を言うと胡桃は昨日、一昨日の記憶――獣化してから以降の――をなくしていた。尻が赤くなっている点については、てっきり自分がドジを踏んで尻でも打ち付けたのだろうと考えていた。だからこそ、鍾離が慌てた顔で薬を持参して必死な形相で謝ってきた時には吃驚したのだが。
その上、鍾離が「一昨日変なものは食べていないか?」等と聞いてくるし、素直に一昨日の献立を覚えている限り過不足なく答えてやれば、鍾離はあれだこれだと考えに耽ってしまう始末。朝からのこの怒涛の展開に、全く話を掴めない。一体何事かと胡桃が冷静な声で問いかけるも、先程からずっとこのような調子で鍾離が頑なに口を割らなかった。胡桃は何とかして状況を把握したかったが、何か知っていそうな相手がこうであってはもうお手上げでしかなかった。胡桃は苦笑して、

「だーかーら、大丈夫だってー。今回に限っては何も聞かないでおいてあげるから、私は寛容的だからね。ねっ、鍾離さん?」

といつものような掴みどころのない口振りでそう言う。普段通りの、いつもと全く変わらない胡桃だ。そこでようやく鍾離も落ち着いたのか、ほんの少し青くなっていた顔を緩ませ、いつもの冷静沈着そうな表情を取り戻した。

「なら、良いんだ。……で、堂主殿にはそろそろこの不卜盧の薬を飲んで欲しいのだが」
「うーん……でもそれって、白朮のとこのやつでしょ? それはちょっと無理なお願いかもしれないねー」

胡桃が結局薬に悩まされたのは、また後の話。

Re: 供養【toho/gnsn】 ( No.10 )
日時: 2022/01/03 00:12
名前: 雨 ◆cxr3pzal/E

あけましておめでとうございます。
載せる順番が前後しましたが、渋の方にあげたのでこちらにも。ハート有りがいい人は渋まで。


法律家/堂主#1-1


「そう言えば、前、煙緋が“往生堂の堂主様は、私のところにあんまり来てくれないんだよな”って言ってたよ」
「へー、……そうなんだ」

蛍の声真似に、胡桃はゆるりと目を細めながら相槌をうつ。蛍の言う通り、胡桃は煙緋にあまり会ったことがない。胡桃にとってしてみれば、あの法律家様は苦手な部類の人種で、故にあまり会いたくはない人物だった。
まあだからこそ、蛍の声真似が似てるのかどうかなんて胡桃には分からなかったが、「おぉ〜、お前ってモノマネもできたんだな!」とパイモンが感心したように言うので、恐らくは似ているのだろう。

「私、胡桃って誰とでも仲良くしてるイメージあったからさ。なんて言えば良いんだろう……それ聞いて、ちょっと意外に思ったんだよね」
「私にだって、人間関係において得意不得意はあるもの。煙緋さんは……こう、ちょっと、お堅い感じだし近寄りがたいじゃない? 私、ああいう人の前ではどうしても緊張しちゃうの」

この手の話を掘り下げられるのは、胡桃にとってあまり好ましいものではなかった。どうにか早いところ話を切り上げよう、と思いながら普段通りの調子で言葉を紡いでいく。

「そうか? オイラはけっこうフレンドリーで優しいヤツだと思うけどなぁ……」
「でも、法典とか読んでるときの煙緋は威圧感みたいなものがあったりするよね。そういうときの煙緋には話し掛けにくいの、何となく分かるかも」

フレンドリー? 優しい? ……ちょっと待ってくれ、なんだか蛍たちと煙緋に対するイメージが異なる気がするのは気のせいだろうか。胡桃は内心そう思いながら、妙に険しげな顔を浮かべた。
胡桃の中の煙緋は、肩苦しくて関わりがたい――まさしく規則に縛られているような――人物像で凝り固まっている。とてもじゃないが、蛍たちの口から出てきた、フレンドリーだとか優しいだとか、そういうポジティブ的な言葉にはそぐわないイメージである。とは言えもしかしたら、自分が知らないだけで煙緋にはそういう一面もあるのかもしれない。胡桃はとりあえずそう結論づけることにした。

「……ん? どうしたんだ胡桃、なんか、すごく怖い顔をしてるけど……」
「ううん、なんでもないよパイモンちゃん。ちょーっとね、考えごとをしてただけ」

胡桃はそう言うと、いつものようににんまりと目を細めた。

Re: 供養【toho/gnsn】 ( No.11 )
日時: 2022/01/03 00:14
名前: 雨 ◆cxr3pzal/E

法律家/堂主#1-2


「――ん、……ちゅ、ぅ……っは、……はー……」

長い口付けの間に、胡桃の頭の中に繰り返されたのはいつかの記憶。ある日の時に蛍たちと煙緋について少し話をした時のことだ。
その一件後、一体何を踏み外したか、“二人の距離感から見れば”胡桃は煙緋と仲良くなっていた。あれほど関わりたくはない人物だと思っていたのに、だ。まあそれも、ただ仲良くなるだけならば何も問題はない。のだが、胡桃と煙緋の関係は仲のいい友人同士と呼ぶには歪んだものだった。
煙緋は、璃月港内で周囲に営業をかけている胡桃を見れば、必ず胡桃の元へとやって来るようになっていた。そして、先程のように濃厚なキスを交わす。一応煙緋は胡桃に対し――もしかすると自分のことも考慮しての動きなのかもしれないが――人前か否か、という所には気を配ってくれているのか、公共の場では人気の少ない所へと先に連れ込まれたりすることもあった。煙緋のこれらの不審者めいた言動は、とある“契約”に則っての行動だった。

「相変わらず、堂主様はキスが好きだな。少し舌を絡めただけだと言うのに、こんなに蕩けた顔になるとは」
「好きって言うか……こんなの、煙緋さんがいつも――……!」

胡桃がまだ話している途中だと言うのに、煙緋は構わずもう一度口付けを交わし始めた。胡桃の肩に置いていた自身の手で胡桃の耳を塞ぐようにしつつ、相手の口内へにゅるりと舌を滑り込ませる。

「ぅ、ん……っふ、ぅ……!」

煙緋の舌が胡桃の口内で丁寧に動かされる。中で動き回る舌先が、歯茎と歯の境目をなぞり、また上顎を擽るようにしてトントンと撫でていく。その度に胡桃の肩はびくり、と大袈裟に跳ねた。

「ん、は……っ、ふ、……ぁ」

おまけに耳を塞がれているせいか、くちゅくちゅと水音が頭の中に響いて仕方がない。口内だけでなく耳まで犯されているような気分になってしまう。じゅる、くちゅ、とはっきり聞こえてくる水音に、胡桃は変にゾクゾクしてしまいそうになるのを堪えながら、煙緋を引き離そうと肩をぽんぽんと軽く叩いた。

「ん、ふぅ……すまない、苦しかったかな?」
「……も、もう良いでしょ煙緋さん、私もう帰るから――ぅわっ」

煙緋がそう言いながらも素直に離れた勢いに任せ、胡桃はそのまま胸板を押し退け煙緋の下から抜け出す。今は早く煙緋の元から去りたかった。二人の間に繋がった銀の糸を拭い取りつつ、胡桃はそう告げた――が、何故か気が付いた時にはまた煙緋の下へと戻ってきていた。どうやら、背後から腕を引っ張られたらしい。

「おや、堂主様……まだ“契約”は完了していない筈だが」

そんな言葉とともに、煙緋の優しげな翠玉の目が悪戯っぽく細められる。ただ、胡桃は、背中にあたるソファーのフカフカとした柔らかい感触が今は憎らしく感じた。

「……こ、これ以上、更に何かするつもりなの?」
「もちろん。ちゃーんと、契約内容には従ってもらうからな」

煙緋の言う“契約”とは名ばかりで、契約と呼ぶにも怪しい内容のものである。ある日のとき、“往生堂による営業行為に困っているという璃月港の人々の悩み”を解決すべく、煙緋と往生堂(もとい、責任者である胡桃)の間で可決されたものだ。事の経緯は、往生堂の売り込み方は法律違反に当たるのではないかと考えた璃月港の人々が当初、煙緋へと話を持ち掛けたことから始まる。しかし、煙緋曰く「往生堂の営業は、法律の観点から見れば指導対象にはあたらない」とのことだった。故に往生堂の言動は注意だけで済まされていたのだが、――法律問題ではないとはいえ一度手を出した話題のせいだろうか――数ヶ月に渡り、往生堂(主に胡桃だが)による迷惑行為の報告とその相談が煙緋の元に相次いだ為か、煙緋は半ば苦し紛れの策として、現在執行されている“契約”を提案した。
往生堂による周囲への迷惑行為が、煙緋に発覚した場合には罰を受けてもらう。たったそれだけの内容だが、それだけでは抑止力がないと考えた煙緋は、敢えて罰の内容を胡桃の羞恥心を煽るようなもの――場所や時間等、その時々によって具体的な内容は変化するものの――に設定したのだ。無論、胡桃もそれを黙って受け入れるような人ではない。煙緋の提案に納得がいかず何度か抗議したが、その度に煙緋に上手く言いくるめられ逃げられてしまっていた。胡桃は自分のことを璃月の中でもそれなりに口が回る方だと考えていたが、相手の法律家は自分以上に何枚も上手だったのだ。気付けば、煙緋に上手く丸め込まれ、契約書にサインせざるを得なくなってしまっていた程には。

「というか、誰か来たら――」
「そのときはそのときだよ、居留守でも使えばバレやしない」

そもそもの話、ここは煙緋の仕事場。胡桃が璃月港の人々に営業をかけていた所を煙緋に運悪くも見つかってしまい、胡桃はいつものような手口で相手のテリトリーへと連れていかれてしまい、最終的にここへと至っている現状だ。煙緋は璃月にいる法律家の中でも、特に腕の立つ法律家だ。そんな煙緋を訪ね、ここに来る者は少なくはないはずだ。今いる場所が応接間で個室とはいえ、今この瞬間でさえ誰かがやって来たら……と思うと気が気でない。
胡桃と煙緋の間に取り交わされている“契約”は周囲に晒されてなどいないだろうし、ともすれば、こんなスキャンダル的な場面を他人に見られては煙緋にとっても不味いに違いない。もちろん、胡桃にとっても危機的状況に陥るが。胡桃はそれを逆手に取り、煙緋の行動を辞めさせようとした。こんな不合理的なことを積極的に進めるよりかは、自身のキャリアを堅実に積んでいくことの方が煙緋にとっても優先だろう。そう思っての言葉だったが、煙緋はそれをどうってこともないと言いたげに――つまり、そんなものは問題にすらならないと言うような態度で――簡単にあしらったのだ。正直、胡桃は耳を疑った。こんなに簡単に仕事をほっぽり出してしまって良いのか、と。
が、そんなことを煙緋に言っても、「これも仕事のうちだ」とかなんだとか誤魔化されるだけだろう。胡桃はそう思い、驚きの言葉をグッと飲み込んだ代わりに軽い詰りの言葉を吐き出した。

「……本っ当に、あなたって法律家らしくないよね」

これの何処が璃月一の法律家なのか全くもって理解できない。現在進行形で実行されている“契約”でさえ、不埒に満ちた内容なのだ。胡桃は眉間に皺を寄せた。

「はは、私にそんなことを言ったのは堂主様が初めてだよ」

皮肉を込めて告げた胡桃の言葉も、今の煙緋にとっては喜ばしいものらしい。あからさまに嫌そうな顔を浮かべる胡桃を見て、煙緋はクスッと笑った。

Re: 供養【toho/gnsn】 ( No.12 )
日時: 2022/01/03 00:15
名前: 雨 ◆cxr3pzal/E

法律家/堂主#2


胡桃は、トップスの方は着たままに下半身だけが外気に晒されていた。足と足の間にある割れ目は既に湿り気を帯びていて、少し触っただけでくちゅりと音がするだろう程にまでなっていた。

「ん、ふ……っ、ぅ゛、〜〜〜っ……!」

しかし煙緋は、胡桃の秘部には指一本たりとも触れていなかった。ただ、トップスの一部をぺろりと捲り上げ露出させた胡桃の下腹部を、優しくトントンと撫でていただけである。煙緋は、いわゆるポルチオと呼ばれる箇所を体外から刺激していた。普通、下腹部というこの場所はこのように触られてもこのようにはならない。が、煙緋に執拗く触られ続けていたせいか、胡桃は既に何回か達していた。
がくっ、と大きく胡桃の膝が震えたかと思うと、必死に声を押し殺しながらも何度かに渡り僅かに体が硬直する。胡桃のその動きに、絶頂を迎えたのだなと煙緋は判断しつつ、下腹部を撫でていた手をぐにっと体に沈みこませた。

「ひぅ゛ッ!? ゃ、だ、やだ、煙緋さん……っ」

達したばかりで秘部は収縮を繰り返しているというのに、さらに追い打ちをかけるような煙緋の動き。胡桃はいやいやと左右に首を振りながらも、自身の腹に乗せられた煙緋の手を退かそうとした。

「こら、あんまり暴れるんじゃない」
「ぁ、う、」

が、下腹部を触っていない方の手で簡単に封じ込まれてしまった。その間にも、ぐにぐにと指先で腹を揉むようにして刺激される。薄い腹の下で勝手に子宮が期待してしまっているのが胡桃にも自覚できるくらい、否応なしにもお腹の奥がきゅんきゅんと切なく疼いてしまう。

「ぅん゛、ぅ〜……ぁ、……っは、……ぃ゛っ、〜〜〜〜ッ!」

頂まで上り詰めたらしい声とともにガクガクッと激しく胡桃の腰が震えたかと思うと、ぷしっ、ぷしゃっと勢いよく何かが噴出された。透明な液体で、これといった匂いもしない。煙緋にとって、それが潮であるということに気付くのは容易かったが、胡桃にとってはそうではなかったらしい。

「ぇ……っ、まっ、て、今、ぇん゛、ひッ、や゛……っ」

とんとんと一定のリズムで撫でられつつ、ぐにゅぐにゅと痛くない程度に下腹部を揉まれ続けているせいだろうか。『煙緋さん』と上手に相手の名前すらも呼べなくなりながらも、胡桃は羞恥の中に泣きそうな顔を浮かべていた。

「安心してくれ、これは堂主様が考えているようなものではない。これは潮吹きと呼ばれるもので、生理現象のうちの一つだ。それに、そんなに気にしなくても私は怒らないぞ?」

その表情に、大方漏らしたとでも思っているのだろうと察した煙緋が、優しく目を細めながらもそう告げる。胡桃は恐らく、潮吹き自体が初めてなのだろう。勘違いしてしまうのも無理はない。一度下腹部を撫でる手を止める。
潮でソファーや付近の絨毯が少し濡れてしまったが、それは範疇内だ。近くにあった拭き物で軽くソファーの上の液体を拭いとっておく。少なくとも煙緋にとって、何も問題視すべき点はなかった。

「――ん、ぅぅ……っ」

数秒の休憩を挟み、煙緋はまた責めを再開した。とん、と煙緋の指先が胡桃の下腹部を軽く撫でる。

「っは、……ぁ゛……ん、ぅ゛……」

くにゅ、と少しだけでも、煙緋の細い指先が腹へと沈むだけで勝手に胡桃の腰が飛び跳ねる。それは完全にどう見ても、もっと強く腹越しにでも子宮をぐりぐりと刺激されたくて、堪らなくなっている動きだった。

「まったく、仕方のない人だな」
「ッ、〜〜〜っ、ひぅ……っ」

煙緋はそう言いながら、ぱちん、と胡桃の行動を咎めるように優しく下腹部を手のひら全体で叩く。胡桃の体は大袈裟に震え、とろりと溢れ出た愛液が太腿越しにソファーへと伝い落ちた。責めるような言葉の雰囲気とは裏腹に、煙緋はふっと優しげに目を細めていた。





「〜〜〜〜ッ! ぅ゛、……ぉ゛、く……っ」

びくびくっと胡桃の体が大きく震えては、ぷしゃっと潮が吹き出される。煙緋による下腹部への責めが始まってから優に数十分は経った頃だろうか。絨毯も水分を吸収しきれなくなってか、ソファーの足元には水溜まりと呼べるほどに潮が溜まっていた。

「は、っ……へぅ゛、ぅ」

下腹部に軽く指が当たっただけだと言うのに、胡桃の腰は大袈裟なまでに震えた。度重なる絶頂によってか、体は大分馬鹿になっているらしい。胡桃の口元に添えられている彼女の手も、もはや声を塞き止める役割を果たしておらず、むしろ口の端から垂れる唾液によってぬめりを僅かに帯びていた。

「ぇん゛ッ、えんひさ……っ、ごぇん、なさ――ぁ、ぅ゛ぅっ」

蕩けきった喘ぎ混じりの声でそう言いつつ、煙緋の方へと見上げてくる胡桃。梅の花が閉じ込められた赤い眼は既に潤みきっていて、今すぐにでも涙が溢れだしそうなくらいになっていた。

「も゛、はんせ、っしたからっ……ゆるして、よぉ」
「堂主様には申し訳ないが……だめだ、その申し出は受け付けられない。前回もそう言って、結局反省してなかっただろう」

胡桃の必死の訴えは届かず、煙緋は申し訳なさげに小さく首を振るばかりだった。「――く、ぅ……ひ……っ」くるり、と円を描くようにして、煙緋の指先が胡桃の肌をなぞる。

「それに、今回は私の仕事場に居るんだ。堂主様のことを一からみっちりと躾け直していくのには……どうだ、絶好の機会だとは思わないか?」

何度注意しても往生堂にまつわる苦情が煙緋の元に届いてばかりなのが、煙緋にとってもそろそろ堪え始めてもいた。
今では当たり前のように煙緋が処理してしまっているが、ぶっちゃけ法律家には関係ないことである。いい加減苦情は別のところにしてくれ、と一蹴することも出来たが、心優しい煙緋にとっては、そうすることは中々難しかった。そして何より煙緋は、璃月港が平和かつ、困っている人がいなくなればいい――そういった理念を抱えている半仙だ。法律が関係ないとはいえ、困っている人を見捨てることは考えられない事だった。
もう二度と、胡桃が璃月港の人々を困らせることのないように。なんだかんだで、胡桃との押し問答的コミュニケーションは十何回と繰り返しているのだ。そろそろ、多少はきついお灸を据えたって構わないだろう。

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