大人オリジナル小説
- 復讐の残虐者―殺した者と殺された者―
- 日時: 2011/04/28 16:09
- 名前: 蒔佝ム
社会的で暗い小説です。この小説は。
苦手な方は・・スイマセン。。
できるだけ現実と引き剥がさないように努力するのでww
――スタート
雨雨雨 雨雨 雨、雨雨雨 雲雨 雨雨雷雨
雨雨雨雨 雨雷 雨雷雨雨
道路の真ん中で・・赤く染まった道に・・
――僕は立っていた・・
どうして、どうしてどうしてどうして、どうしてどう、してどうして―――
頭の中には疑問だけ。
心の中には痛みだけ。
僕の服やズボンは、赤かった。
赤虫の赤よりも。ジュース販売機の赤よりも。
・・・・まるで血みたいだ・・・
僕の手にはナイフが一本。
鉄の臭いが嗅覚をダメにしている。
雨でぬれた町はどんよりと重く垂れ込み、僕とあの人の存在をかき消そうとしているようだ。
雨は僕を守るかのように、僕の上に降り注ぐ。
僕は自分のすぐ横にころがるある物を見て、自分の手の中をみて、洋服をみて・・・
現実は僕を逃がしはしない。
「ぁ、あぁぁ・・・・あ・・・・」
震える手。上手くろれつが回らない舌。力が抜けた僕の体。
僕は叫んだ。
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- Re: 復讐の残虐者―殺した者と殺された者― ( No.2 )
- 日時: 2011/04/28 17:04
- 名前: 蒔佝ム
荒れ果てた教室の中、一人の少女が登校してきた。
名前は愛桜舞(アサクラ マイ)。
舞は荒れた教室をみて、倒れている男子達を見て、オレを見た。
「ちょっと、ちょっと、ちょっと!!翔(カケル)!!またヤッタの!?」
肩の下辺りまである薄茶色の髪をサラサラさせ、舞は僕の目の前まで早足で来た。
「村先生に言われたでしょ!もうこんな事はしちゃいけないって!!」
「・・・うるさいな・・。」
僕は正直な気持ちを言った。
すると舞は怒り狂ったように顔を真っ赤にさせた。
「先生に報告してやるんだから!翔がまた暴れたって!!」
「どうぞ。ご自由に。」
僕の言葉に舞はフン!と首をそむけた。
ちなみに愛桜舞は小学校6年生で初めて同じクラスになった変人女だ。
小学校4年生から僕が苛められていたのを知っていたにもかかわらず、僕に話しかけてくるんだ。
でも、いじめの現場を止めに入ることはしない。
変なヤツだろ?
僕は教室を出て行く舞の背中をみつつ、小さく言った。
「・・・・ゴメン・・・」
あやまってももう遅いことは分かっている。
でも、・・・本当に自分でも制御できないんだ。この現状は・・・。
6年生になりたての頃、僕は舞にさそわれてスクールカウンセラーの先生に会いに行ったんだ、
誘われてってよりも強引に、だけどね・・。
で、勝手に舞が、翔はよく教室で暴れるから止めてやってほしいって相談したんだ。
まぁ、二人には、僕が暴れてる時の記憶がない、ということは言っていないんだけど・・・。
で、村先生は僕にもう二度と暴れるな!って契約書を書かせたんだ!
バカらしいだろう?
僕は苦笑いをしていた。
――タブン今日は村先生に呼び出しを食らうだろうな・・・。
―――教室に先生が入ってきた。―――
先生はせきばらいをすると同時に珍しく笑顔を作った。
その理由は先生が最初に吐き出した言葉で明らかになる。
「えぇ〜みんな!今日からこのクラスに転校生がくるぞ!!」
とたんに教室中がザワザワとさわがしくなる。
きっとみんな新しく来る転校生と仲良くなる気満々なのだろう・・・。
オレは興味ないな、と頬杖をついた。
「じゃぁ、入っておいで。」
先生の言葉と同時に教室のドアがあいた。
姿を見せたのはだるそうにあくびをした、一人の少年だ。
少年は細く長い前髪に、軽いツリ目が特徴的だった。
教卓の前に立つと低い声で言った。
「赤鏡 京也(アカガミ キョウヤ)。よろしく。」
キャ―――! と女子から感声があがるなか、僕は感じていた。
赤鏡京也から、僕と同じ犯罪者の臭いを。
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