大人オリジナル小説

復讐の残虐者―殺した者と殺された者―
日時: 2011/04/28 16:09
名前: 蒔佝ム

 社会的で暗い小説です。この小説は。
 苦手な方は・・スイマセン。。
 できるだけ現実と引き剥がさないように努力するのでww
 
 ――スタート

 雨雨雨 雨雨  雨、雨雨雨 雲雨 雨雨雷雨
  雨雨雨雨  雨雷 雨雷雨雨

 道路の真ん中で・・赤く染まった道に・・
 ――僕は立っていた・・

 どうして、どうしてどうしてどうして、どうしてどう、してどうして―――

 頭の中には疑問だけ。
 心の中には痛みだけ。

 僕の服やズボンは、赤かった。
 赤虫の赤よりも。ジュース販売機の赤よりも。

 ・・・・まるで血みたいだ・・・

 僕の手にはナイフが一本。
 鉄の臭いが嗅覚をダメにしている。
 雨でぬれた町はどんよりと重く垂れ込み、僕とあの人の存在をかき消そうとしているようだ。
 雨は僕を守るかのように、僕の上に降り注ぐ。

 僕は自分のすぐ横にころがるある物を見て、自分の手の中をみて、洋服をみて・・・
 現実は僕を逃がしはしない。
 「ぁ、あぁぁ・・・・あ・・・・」
 震える手。上手くろれつが回らない舌。力が抜けた僕の体。

 僕は叫んだ。

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Re: 復讐の残虐者―殺した者と殺された者― ( No.10 )
日時: 2011/05/23 19:30
名前: 蒔佝ム

 「ね、ねぇ無視はいけないよ?私の質問に答えて欲しいな。」
 女性が子供をなだめるように言う。
 そして肩に手を置かれた。

 オレはその手を思いっきり払いのけ、女性を睨みつける。
 「人の個人情報だろ。遠慮もなにもないよな、あんた等は。」
 皮肉交じりに鼻で笑い、オレは再び歩き出そうとした。

 ・・・が・・・
 
 そんなオレの肩を女性はさっきの3倍強く掴んだ。
 「・・・・・・個人情報、ねぇ。人を殺した人間がえらそうによく言うわ。殺された人間に気持ち、分かってるの?」
 女性が恐ろしく低い声で言った。

 「――!?」
 オレは内心女性の豹変ぶりに驚いたが、平然を装った。
 
 またこれだ。
 オレが何かを言うたびにこれだ。みんなこれだ。
 人を殺した、殺人者、罪人、殺人兵器・・・・・・
 もううんざりだ。
 オレは別に殺したくて殺したわけじゃないのに。
 殺したときの記憶が無いのに。
 オレ自身は殺してないのに・・・・・・。

 オレはあふれ出てくる怒りを必死にこらえ、女性が肩にかける手をどかそうとした。
 しかしはがれない。

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