大人オリジナル小説

復讐の残虐者―殺した者と殺された者―
日時: 2011/04/28 16:09
名前: 蒔佝ム

 社会的で暗い小説です。この小説は。
 苦手な方は・・スイマセン。。
 できるだけ現実と引き剥がさないように努力するのでww
 
 ――スタート

 雨雨雨 雨雨  雨、雨雨雨 雲雨 雨雨雷雨
  雨雨雨雨  雨雷 雨雷雨雨

 道路の真ん中で・・赤く染まった道に・・
 ――僕は立っていた・・

 どうして、どうしてどうしてどうして、どうしてどう、してどうして―――

 頭の中には疑問だけ。
 心の中には痛みだけ。

 僕の服やズボンは、赤かった。
 赤虫の赤よりも。ジュース販売機の赤よりも。

 ・・・・まるで血みたいだ・・・

 僕の手にはナイフが一本。
 鉄の臭いが嗅覚をダメにしている。
 雨でぬれた町はどんよりと重く垂れ込み、僕とあの人の存在をかき消そうとしているようだ。
 雨は僕を守るかのように、僕の上に降り注ぐ。

 僕は自分のすぐ横にころがるある物を見て、自分の手の中をみて、洋服をみて・・・
 現実は僕を逃がしはしない。
 「ぁ、あぁぁ・・・・あ・・・・」
 震える手。上手くろれつが回らない舌。力が抜けた僕の体。

 僕は叫んだ。

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Re: 復讐の残虐者―殺した者と殺された者― ( No.11 )
日時: 2011/06/17 19:46
名前: 蒔佝ム

 「井上翔君、大人を舐めちゃいけないよ?」
 女性がニコリと笑った。
 オレは完全に見下されているのだ。
 そしてこの女はオレをオレとしてではなく、犯罪者として見下している。

 そう感じたオレは悔しさのあまり叫んだ。
 「ふざけんな!お前等マスコミ系な大人なんか大嫌いだ。離せ!テンカス!」
 一瞬女の顔面を殴りつけようと考えた自分がいたが、こらえた。
 ここで爆発をしてしまっては何の意味もない。

 犯罪者としての地位を上げてしまうだけだ。

 ――と、その時だ
 「何やってんの?」
 どこかで聞いたことのあるような少年の声がした。
 当然、オレと女は声のした方向を見る。

――あぁ、赤鏡京也だ。
 でも何故彼がここに?

 オレの疑問をよそに赤鏡は面倒くさそうにオレたちへ歩み寄ってきた。
 「おばさん、オレのクラスメートに何してんの?」
 軽蔑したような目を向ける赤鏡の質問に答える事無く、女は目を輝かせた。

 「分かった。君、赤鏡君でしょ?」
 マスコミの大人の脳内は情報で埋め尽くされているらしい。
 オレは女の力が緩まった隙をついて、肩に置かれている手を思いっきり振りほどいた。

 「で?」
 赤鏡はクールに女に問うた。
 だったらなに?というような目だ。

 度胸があるらしい女は威圧的な赤鏡の様子にひるむ事なく、言った。
 「二人は友達?やっぱり犯罪者同士の間では友情が芽生えるんだね。」
 赤鏡の返事も待たず、向けポケットにしまっていたメモ帳に何かを書き込む女。

 当の赤鏡は女の『犯罪者同士』という言葉に驚いたようで、オレを凝視してきた。

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