大人オリジナル小説
- 麻衣子と麻衣香とお母さん。オリキャラ募集中です!
- 日時: 2012/02/29 08:05
- 名前: ミシェル
始めまして、黒猫ミシェルです。
社会問題系小説で書くのは初めてなので、
温かい目で見守ってもらえると嬉しいです(*'-'*)
どうぞよろしくお願いしますヾ(@⌒ー⌒@)ノ
今ままでのお客様
桜日和さん☆
ここあまんずーさん☆
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▽♦さん☆
真央さん☆
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- Re: 麻衣子と麻衣香とお母さん ( No.14 )
- 日時: 2012/02/12 22:25
- 名前: ミシェル
《第八話》
「さぁ、座っててね。何か持ってくるから」
「ありがとう、ございます……」
水沢さんの家は和式で、畳にコタツというスタイルだった。
私の、ううん……お母さんとお姉ちゃんの家とは真反対の家。
とても広くて、そわそわしてしまう。
「はい、どうぞ。……お茶、飲めるかしら?」
「あ、はい!もちろんです」
「そう。良かったわぁ〜。最近の子って、こういうの苦手でしょう?」
そう言いながら、和菓子と湯気のたったお茶を私の前に置いてくれた。
美味しそう……。それが、その二つを見た私の第一心象だった。
「だから嫌がられちゃうんじゃないかって、心配だったのよ」
「そんな!嫌がるなんて、そんなの無いです!」
「フフフ。麻衣子ちゃんは、可愛いわねぇ。おばさん嬉しいわぁ〜」
「可愛いなんて……////」
そんな事言われたの、何年ぶりかな?
学校でも家でも、そう言ってくれる人なんていなかったから。
「ありがとう、ございます」
「いいぇ、良いのよ。ねぇ、本は読んで下さったかしら?」
「はい!とっても面白かったです。私、私とっても笑いました!」
そう、面白過ぎて大変だったのだ。
お母さんとお姉ちゃんにバレないように、隠れて読まないといけない。
なのに笑声が口からでてしまい、腕をつねって笑いを堪えた。
「そう、良かったわ。やっぱり、あなたは思ったとうりだわ!」
「思ったとうり?」
「えぇ。私ね、実は養子が欲しいな、何て思ってたのよ」
「………養子?」
私がその言葉を理解するのには、物凄く時間が必要だった。
そんな言葉、私に言ってくれる人なんていないと思ってた。
あの地獄の家から逃げたいって、いつも思ってた。でも…………。
「あ、あの……」
「なぁに?」
ニコニコした顔で私に応える水沢さん。
その笑顔は、私の心をとても落ち着かせてくれた。
私が大好きなおばあちゃん。
「私…」
「ええ」
「………ごめんなさい!」
ポカンとした顔をした、水沢さん。
それは、そうだろう。いきなり謝られては。
「あの、私、お母さんとお姉ちゃんがいて……。だから、養子は、無理なん
です。お母さんは絶対許してくれないと思し……。だから!」
涙が目から次々と溢れてくる。
本当は、水沢さんの養子になりたい。
でも、お母さんとお姉ちゃんが私にはいる。
あんな態度の二人でも、やっぱり今でも好きだから……。
また私に笑いかけてくれるって、信じているから……。
「そう……。お母様も、そうね。……ごめんなさいね、変な事言って」
「いえ!……とても、嬉しかったです!本当です!」
「本当?じゃぁ、考えといてくれるかしら?養子の、件」
「………」
「私が、お母様にお願いしてもいいわね。私、あなたみたいな娘が欲しいのよ」
その言葉に、私はーーーーーーーーーーーーーーー。
「………はい」
頷いた。
「嬉しいわ!ありがとう!もう、泣かないで頂戴?」
私は、忘れていた。
幸せ何て、私には訪れないって事を。
私は、気づかなかった。
水沢さんの目が、全く笑っていなかった事に。
とても、興奮していた事にーーーーーーーー。
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