大人オリジナル小説
- いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者
- 日時: 2012/10/28 17:42
- 名前: はこりんご
はじめまして、はこりんごです!
コメントとかアドバイスしてもらえたらうれしいです。
絶対返事します。
荒らしなどはやめてください。
登場人物
杉沢 夢 (すぎさわ ゆめ)
赤石 栗香 (あかいし りか)
畑井 加奈 (はたい かな)
光達 沙奈 (ひかりだ さな)
渚羽 琴音 (なぎさわ ことね)
高杜河 七海 (こうずか ななみ)
南野 香菜李 (みなみの かなり)
陸野衣 千夏 (りくのえ ちなつ)
プロローグ
>>1
第一章
>>2 >>3 >>4 >>5 >>6
>>7 >>8 >>9 >>10 >>11
>>12 >>15 >>16 >>19
第二章
>>24 >>25 >>28 >>30 >>33
お客様
うさ(。+`・∀・)b様
フレア様
麻衣様
エリア様
灰歌音 麗歌様
エルセ(かの)様
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- Re: いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者 ( No.33 )
- 日時: 2012/10/22 15:00
- 名前: はこりんご
放課後の体育館うらは少し寒かった。
日のあたらないこの場所は、
私にとって好きな場所とは言えなかった。
「お待たせ。」
そう言いながら、
ゆっくり歩いてきた沙奈に私は言った。
「何の用?」
沙奈は急に悲しそうな顔をした。
私はビックリして声が出なかった。
「ごめんなさい。
栗香があなたをいじめていたのは私のせいなの。」
沙奈の言っていることの意味はわかっていた。
栗香から聞いていた。
私は少し怒った声で聞いた。
「ねぇ。あなた、まだいじめをつづけるつもり?
それとも、いじめはもう一生しない?」
私の問いに沙奈は少しとまどいながら答えた。
「もう、絶対にいじめなんてしない」
私はその言葉を聞いてほほえんだ。
「そっか、それなら、私。
あなたには復讐しないことにする」
沙奈は真っ青な顔で言った。
「栗香に、復讐するの?」
私はうなずいた。
沙奈はいきなり泣き出した。
「お願い。話を聞いて。
私の、話を」
私はハンカチを差し出し、沙奈に言った。
「いいよ、聞かせて、話を」
沙奈はうなずいて、私のハンカチで涙をふいた。
「あれは、去年、小6の頃。
私は栗香をいじめていたの。
親友だった栗香を」
沙奈はそう言って、私の反応を待っていたが、
私は真っすぐ沙奈の目を見るだけだった。
沙奈は、またはなしだした。
「毎日、毎日。栗香にひどいことをした。
私、その頃はいじめが悪いことだと思ってなかったの。
自分でも、あの頃の私はおかしかったと思う。」
沙奈はまた涙を流したが、必死にこらえようとしていた。
私は、ゆっくり沙奈に聞いた。
「‥‥‥後悔してる?」
私の言葉に、沙奈はうなずいた。
とても悲しそうな顔だった。
本当だと言うことがすぐにわかった。
「私、中学に入っても栗香をいじめるつもりだった。
でも、その前に栗香はあなたをいじめたの。
きっと、私からいじめられて、おかしくなったのよ。
全部、私のせいなの」
私は不思議な感情だった。
なぜか涙が出てきそうになった。
しかし、私はこらえて、話を聞いた。
「栗香がいじめをしているのを見て、
自分のやっていたことのひどさがわかった。
だから、栗香を止めようと思ったけど、無理だった。
私は、栗香を見て、『この子はくるってる』と思ったの。
おかしいよね、私のせいなのにそんなこと思うなんて。」
沙奈は下を向いたまま顔を上げなかった。
私は、どうすればいいかわからなかった。
「それで、この前栗香とはなしたの。
そしたら栗香は
『私もあなたの気持ちわかったの!友達に戻ろう!』
と言ったの。悲しかった。
自分のせいだ、と思うと息をすることすら苦しかった。」
訴えるように強く、
しかしか弱い沙奈の声。
下を向いたままふるえている。
涙が落ちていくのが見えた。
「私は栗香に最後にこう言ったの。
『自分が今やっていること、私よりもひどいよ。わかってる?』
そして今日、栗香はいじめをやめた。」
沙奈ははなし終えるとハンカチを私に返してまた泣いた。
私はきまずい空間で沙奈をただ見ていた。
しかし、私の気持ちはかわらない。
栗香たちが私をいじめたのは事実だ。
それなら、栗香たちはさばかれるべきだ。
私は復讐する。
誰が止めても。
あいつらがあやまっても。
私は復讐する。
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