大人二次小説(BLGL・二次15禁)

【文豪ストレイドッグス】自分の妄想で書く!
日時: 2018/03/04 23:22
名前: トースト

どうも!二次小説(紙ほか)板でも文ストの小説を連載させてもらっているトーストと申す者です!
今回はただただ自分の頭の中にある文ストの妄想を小説にしようと思います!
意見やアドバイス、もしかしたらリクエストなんてものをくださる方が居れば是非是非!皆様も勿論スレ主も傷付いたり不快に思わない文面でロックが解除されて居る時にお願い致します!
腐に関しましては基本スレ主は中太、ドス太、其の他太宰さん右、太宰さん総受け推しです!

注意!
・捏造、パロディ等、皆様が不快に思う設定があります
・少しでも不快に思われた方はUターンを推奨します
・文ストの様な難しい文法使ってないです
・これはスレ主の妄想を其の儘小説化したものです
・駄作です
・ロックをつけさせて頂きます


上記に書かれたことを理解してくださった方のみこのままお進みくださいっ!




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Re: 【文豪ストレイドッグス】自分の妄想で書く! ( No.30 )
日時: 2017/11/30 23:09
名前: トースト

其れでは予告通り『溺死した魚と転落死した鳥のお話』を始めていきまーす!

注意!
・少しでも不快に思われた方はUターンを推奨します。
・一部捏造が含まれております。
・今回は“黒の時代”(二人とも17歳)で中太です。
・死ネタです。


『溺死した魚と転落死した鳥のお話』


目が覚めた時、私は、大変不思議な感覚に包まれて居りました。
頭の中がやけにからんからんとして居て、如何して自分が今寝台に横になって居るのか、思い当たる節が何も見つからなかったのです。
周りを見渡してみますと、其処には和装の女性と洋服の男性が、椅子に座って私を眺めて居ました。女性は私が目を覚ましたのを見て、如何云う訳か安堵の表情を浮かべるのです。

???「おお、漸く目を覚ましおったか。心配したぞ、中也。躰に異常は無いかえ?」
中也…。中也とは、一体誰のことだろう…。
私の名前だろうか。

???「中也…?俺は、中也と云う名前なンですか?」
私がそう申しますと、二人は目を見開き、私の顔を先刻よりも更にじっと見つめました。
其の時、私は初めて“不思議な感覚”の正体を理解しました。如何やら、自分の名前が判らないのです。ですから、女性が云う「中也」と云う名前にも大して納得がいかず、私は未だ自分の名前が「中也」だと認識が出来ませんでした。
すると、今度は男性の方が「君、自分の名前は?」と問うてきた。
そんなもの、自分が知りたい位だ。

???「……判りません…。でも、其の女性が云う限り、俺は“中也”と云う名前なのでは無いンですか?」
断定はして居ない。
あくまで此れは質問だ。情報が少な過ぎる今、流石にもう自分を「中也」だと認めるには未だ早い。
すると男性が、私の云い分を聞きしたり顔を浮かべました。

???「そう、そうだね。君は実に賢い。此の少ない情報の中でよく自分の名前を理解するコトが出来たね。そうだよ。君の名前は中也。『中原中也』だ」
前言撤回。如何やら私の名前は「中也」で間違い無いらしい。
中原…中也……。其れが私の名前…。未だ納得出来ない処はあるが、仮にでも『中原中也』の名は使わせて貰おう。
名前が判った処で、次に気になるのは矢張り此の二人だ。私が寝台で横になって居たのはまぁ善いとして、此の二人は、私にとってどの様な関係を持って居る人物なのだろうか。

中也「あの、貴方達は……一体…」
私が恐る恐る聞くと、今度も女性では無く男性が答えてくれました。

???「あぁ、そうだね。君は私達のこと迄忘れて仕舞ったんだったね」
忘れる…。私が此の人達を…忘れる…?何の話をして居るのかイマイチ理解が追い着かない。さては私が名前を思い出せなかったのと何か関係があるのだろうか。

???「私の名前は森鴎外。森さんでも首領でも、君の呼びたい様に呼び給え。君の現上司だ」
此の人は、森鴎外…。森さんと云うのは未だ分かるが…首領?私の上司と云って居る処も聞くと、何かの組織のトップなのだろうか…。

???「私の名は尾崎紅葉。お主の好きに呼んだら善い。其方の鴎外殿と同じ、お主の現上司じゃ」
森さんに尾崎さん、か…。よし覚えた。何方とも私の上司らしい。上司には、失礼な振る舞い等出来るまい。
そう慎重に分析して居ると、男性……否、森さんの方から話を切り出した。

森「中也君。目を覚まして早速で悪いのだけれど、君は如何やら一時的な記憶喪失になって居る様なんだ」
記憶喪失、何処かで聞いたことある様な言葉だ。
私は生唾をコクリと飲みました。

中也「……記憶…喪失、ですか…」
森さんは私の言葉に軽く頷きました。

森「君は頭を強く打って仕舞ってね。其の所為で記憶が飛んでいって仕舞ったらしいんだ」
成る程。寝台で寝かされて居たことにも合点がいった。
森さんは其の儘続ける。

森「私と紅葉君としても此れは想定して居なかった由々しき事態でね、今内心混乱して居るんだよ」
混乱して居るだなんて、私にはとても思えませんけど。

森「君には此れから記憶が完全に戻る迄の間、此の病室の中で過ごして貰うよ。君には治療が必要だし、何より外は今の君には危険だからね。でも安心して善いよ。“外”には出れないけど中庭程度なら君にも屹度支障は無いと思うから、『此の階と中庭以外は行かない』、其れだけ守ってくれれば後は君の好きにして善いよ」
そうか、自分は記憶喪失な分治す為の治療が必要なのか。だったら、其のルールは私が絶対守らなければいけないものだ。何故、此の階を出てはいけないのかは疑問に思っても聞かないとして。

中也「…分かりました」

森「君は物判りが早くて助かるよ」

中也「………はい」

森「其れじゃあ私は、紅葉君と少し話し合うコトがあるから、悪いけど少し席を外すよ。トイレは此の部屋に入って直ぐ右手にあるし、ポットやウォーターサーバーなんかも置いてあるから、喉渇いたら其れを使ってね。ご飯は毎食私か紅葉君が運んでくるから、間食とかは出来ないけど我慢してね」
丁度、頭の中を整理したかった処だ。漸く一人になれる。
森さんは早口気味に此の部屋の使い勝手を説明すると、尾崎さんと共に扉の向こう側へ行って仕舞ったのだった。
却説、整理を始めようと思い立った処、扉の向こう側から森さんと尾崎さんの話す声が小さくはあるが聞こえる事に気が付いた。私は耳が良いらしい。
別に盗み聴きだなんて、そんな失礼な事がしたい訳では無いが、扉の前に行き、顔の側面をぴったりと付け、耳に意識を集中させる事などハタから見れば完全に変質者だ。いや、もう此れ以上見苦しい云い訳は辞めよう。此れは興味本位からなる完全な盗み聴きだ。無礼が悪過ぎるなんて今は気にならない。兎に角、“記憶喪失”と云うものが自分の中で起こっているのだとしたら、少なくとも情報は集めておきたい。自分が何の職業をして居るのかも知らなければ、況してや自分が記憶を取り戻す事によって何を思い出すのかも、未だ判らず仕舞いなのだから。
扉の向こうから声が聞こえる。私が意識を集中させるに伴って、其の声はより鮮明に聞き取れるものへとなっていきました。

尾崎「如何するのじゃ、中也は、彼の子は記憶喪失になって仕舞った。屹度、太宰のコトも忘れたに決まっておる。中也が記憶を完全に取り戻した時、如何する心算なのじゃ」
太宰…?誰だ…。森さんと尾崎さんのことでは無いことは確かだ。其の人も自分の上司か何かだろうか?

森「中也君から太宰君の記憶を完全に抜き取るしか方法は無いだろうねぇ。中也君は太宰君のコトを思い出すべきでは無いよ」
太宰を思い出すべきでは無い?だから太宰って誰?

尾崎「分かっておる。太宰の一件は、中也一人が気に病む様なことでは無かろう。あれは、私達の責任でもある」
太宰の一件?自分は其の人に何かして仕舞ったのだろうか。記憶が飛んで居て判らないけど。

中也「だざい……太宰…治……」
太宰治だって?何を突飛なコトを口走って居るんだ、私は。其の太宰と云う人物の性別も判らない癖に。
……いいや、判る。私は、其の人物の性別が、判る。判る筈なんだ。だって太宰は、其の人は私の…________

中也「恋人なンだから」
私は、自分のお喋りな口を手で覆いました。太宰…其の人が『太宰治』と云う名前だと云うことが判りました。其の人の性別が、男だと云うことが判りました。判って居ました。確信して居ました。私は、彼のことを記憶を喪っても尚、知って居たのです。
太宰が…私の恋人?本格的に私は如何かして居る様です。男と男が付き合うだなんて事、私はそんなに“普通”では無かったのでしょうか。
でも、今でも、判る。私は、彼を、如何しようも無く、愛して居たと。だって、記憶を喪った今でも、彼の名前を聞くだけで、こんなにも私は、嗚呼、こんなにも私は……

中也「あれ……、何で、涙なんか…」
気付けば私は、泣いて居ました。特別悲しい訳でも、何処かが痛い訳でも無いのです。唯、涙は止まってくれなくて。私は意味が解らずに、涙が枯れるのを待ちました。
涙が止まらないのを善いコトに、私の頭の中では私が記憶を喪う前の私の記憶がフラッシュバックと云う形で文字通り一部分だけ甦って居ました。

________『中也…私ね、花の中でも一番、桃の花が好き。……なんて云ったら、君は怒るだろうけどさ』
今のが、太宰治?私のことを、中也と呼んで居る。
嗚呼、そう云えば、彼の好きな花は、桃の花だったかも知れない。未だ、彼のことは少しも思い出せないけれど。

________『Tu fui, ego eris. ……此の言葉の意味、君知ってるかい?』
英語…か?其れとも何か別の国の言葉?聞いたこともなければ、自分には到底意味等解る筈も無い言葉だ。後で森さんにでも尋ねてみようか。

________『私は君が羨ましいよ。中也。鳥の様に、何にも囚われず自由な君が。妬ましくて恨めしい。海に居る魚が、大空を羽ばたく鳥を見上げて、羨む様に。私も君を、羨んだって、善いだろう』
彼は私を妬んで居たのか、鳥の様だと云う、私のことを。私は今や、鳥籠の外にも出られぬと云う状況だと云うのに。
フラッシュバックは、涙が止まると同時に終わり、私は小さく息を吐きました。
太宰治…私と彼は恋人と云う関係にある…。ならば何故、森さん達は私から彼を取り上げようとするのだろう。若しかして、私の記憶喪失に彼が、深く関係して居るから?記憶喪失に迄に至ることを、私は彼に、否、彼は私にしたんだろうか?
其の時、終わった筈のフラッシュバックがまた私の脳裏を掠めました。

________『…………君を止めるのは、何時だって相棒の私の仕事でしょう』
どくり、と心臓の音が大きく聞こえました。此の記憶は、何?何時云われた言葉だ?何故、私はこんなにも此の記憶を拒絶して居るのだろう。思い出したくない記憶?此の先に、私が記憶を喪った原因があるのか。でも、私は…。
其処迄考えた処で、私はふっと意識が遠のく感覚を覚えました。少し、頭を使い過ぎたでしょうか。私は其の儘、床に倒れ伏す様にして深い眠りにつきます。
遠くで、声が聞こえました。

________『中也…私を殺しておくれよ』


太宰、

太宰治。


貴方は一体、何者なんですか?




此処で切りますです!

Re: 【文豪ストレイドッグス】自分の妄想で書く! ( No.31 )
日時: 2017/12/10 08:06
名前: トースト

>>30の続きです!


私が記憶喪失になってから、早くも四ヶ月の時が過ぎました。
然し其の四ヶ月間は、私にとって色々なことを思い出させて呉れました。仕事のこと、私のこと、其の他、人間関係等…自分の職業がマフィアだと思い出した時は大変驚愕しましたが次第に其の事実にも慣れてきて、今ではすっかり“此方側”の住人に逆戻りです。若し私が此の儘なに一つ思い出さない儘でしたら屹度私は“彼方側”の住人として此れからの人生を往きていけたのでしょう。そうなると記憶を取り戻す前の私に大変申し訳無く思いますが今更自分が此方側に就こうと彼方側に就こうと記憶をある程度取り戻した私には如何でも憂いコトでしたので、私は其の儘前の通りに往きていくと思った次第なのです。
森さんと尾崎さんは私に大変好くしてくださり、二人に対して不満等一つもありませんでした。いいえ、不満等持ち合わせてはいけないのです。私は好くして貰って居る身なのですから。
其れはそうと、私には一つ気掛かりな疑念があるのです。其れは、私が記憶喪失になる前付き合って居たと云う太宰治の話なのですが…。
フラッシュバックと云うものを体験したあの日以降、私は一人で太宰治の情報を集めて居ました。何故森さん達が私から彼の記憶を取り除こうとして居るのか、其れ以前に彼は一体何者なのか、抑、私が記憶を喪った原因が本当に不慮の事故とも云える唯“頭を強く打っただけ”だったのか。
最も仕事に復帰した今でも此れと云って『太宰治』に関する有力な情報は手に入れて居らず、フラッシュバックもあの日以来起こりません。誰もが太宰治の名を口にしない。情報管理室にも、過去の構成員履歴から探してみても、『太宰治』の名は一向に見つかりませんでした。
誰もが太宰治を知らない。
森さん…否、首領も…姐さんも、

__________誰もが太宰を…太宰治を架空の人物だと云う。

まるで、太宰治が、彼が本当に此の世に存在して居なかった様に…『太宰治』と云う人物だけが、此の世界から忽然と消えて仕舞った様に…。

中也「ンな訳ねェよ」
彼は存在して居た。私があの時見たフラッシュバックが其の証拠だ。彼は居たんだ。現実に。誰が何と云おうと、私だけは知って居る。太宰治と云う名の彼のことを…。
何故未だ彼だけに対して記憶も何も戻って居ない私がそう絶対的な自信を持ってそう云えるのか、皆さんは疑問に思うでしょう?答えは実に簡潔で簡単です。
私が未だ太宰治を、愛して居るから。
私が未だ彼を、愛おしく想って居るから。皆さんの云う架空の人物に此の様な感情が抱ける程の妄想癖は皮肉にも私にはありません。従って、此の様な感情が『太宰治』に抱ける、此れ即ち__________

“太宰治は、架空の人物では無い”。
と云うことに成りましょう。

部下A「中原様、先程から何か考え事でもして居られるのですか?独り言も云って居る様でしたが…」
突然、部下の言葉に私の意識は現実に引き戻されました。
ああ、そう云えば今は仕事の最中だったか、と辺りを見回せば既に其処には嘗ては人間だったもの達、今は此れとして原型を留めず全て肉塊と化し、自分はと云うと少しばかり其のもの達の返り血で服や躰が汚れて居ました。
顔を少し上げれば先程の部下が私の顔を覗き込んで居ます。

中也「…嗚呼、気を使わせて悪かった。俺なら大丈夫だ。其れより…早く此奴等片せ」

部下A「左様でしたか。御意」
こんな自分の命令に従ってくれる部下達は自分になんて素晴らしい忠誠心を持ってくれて居るんだろう。此れに関しては自分の性分も少しはあると思うが矢張り自分は異能のこともあってか随分と憂い地位に居るらしい。ポートマフィアの五代幹部の一人。悪くは無い地位だ。首領に姐さん、Aに私。はて、五代幹部と云う名にも関わらずあと一人は居ないのか、はたまた未だ見つかって居ないのか、何方にせよ、今迄疑問に思わなかったことが不思議な位な疑念だった。然し、其のコトが彼に関係して居ると思うのは、唯単に私の考え過ぎだろうか?

中也「なァ」

部下A「はい、何でしょう。中原様」

中也「唄を忘れた金糸雀って歌、お前ェ知ってっか」

部下A「唄を忘れた金糸雀…ああ、童謡のことですね。其れが如何かしましたか?」

中也「唄を忘れた金糸雀はよォ…最終的には唄を思い出せるって歌詞にあンだろ」

部下A「云われてみれば確かに…唄を忘れた金糸雀って『後の山に棄てましょか』、とか怖い歌詞だなぁって自分が小さい頃思ってましたけど、今こうして思い返して見たら『いえいえそれはなりませぬ』とか云ってなんやかんや引き止めてるし、中原様の仰った通り最終的には忘れた唄を思い出しますね」

中也「………だったらよォ……唄じゃ無い別の何かを忘れた金糸雀は、一体如何すれば其れを思い出せンだ?」
口が滑って仕舞った、と自分でも判りました。

部下A「え、ええっと……其れは…如何云う…」
部下が私の言動に驚いて居る。私だって自分の上司にこんな意味不明な言葉を投げ掛けられたら戸惑う。当たり前の反応だと思う。

中也「在る男に、鳥みてェだなって云われた。俺自身そうは思わねぇが、其の男から見ればそうらしい。そして俺は、今其の男を忘れてンだ。思い出さなくちゃいけないンだ。なァ、如何すれば思い出せると思う?」
然し、私の口は止まるコトを知らず、まるで滑車に乗った様に次から次へと言葉を紡いでいきます。

部下A「其れは…」
“貴方が自分の罪を認めたら”
そう、部下の口が動いた様に思えました。
そしてまた、あの時と同じ様に自分の知らない情景が私の頭を過りました。部下の言葉が遠くなっていきます。意識が別の何処かへいく様な感覚。
フラッシュバックです。

_______『嗚呼、死にたいなぁ。誕生日なんて、何も善いコトが無いよ』

なんだよ。

_______『中也、君…私が死んだら如何する?』

なんなんだよ、此れ。

_______『中也…__________…』

太宰治…お前は__________

………………………………


全部、全部思い出した。
何で、私が彼のことだけ思い出せなかったのか。
何で、首領達が彼の存在を無き者として居たのか。
何で、何で、嗚呼、なんで__________

“太宰治が死んだのか”。


_______『俺が鳥って云うンなら、手前は魚だな』


其の言葉を最後に、私の意識はブラックアウトしました。


私の些細な記憶だけで、皆さんが物語の全貌を知るのは厳しいでしょう。だから私は皆さんにお話しします。あの日、そう、あれは、未だ梅雨の真っ盛りの時でした。
今から話すお話は、6月19日、彼の誕生日の日に起こったのです。

如何して彼が死に、如何して私が記憶を喪う羽目になったのか__________



『かなりや』


唄を忘れた 金糸雀は

後の山へ 棄てましょか

いえ いえ それはなりませぬ


唄を忘れた 金糸雀は

背戸の小薮に 埋けましょか

いえ いえ それはなりませぬ


唄を忘れた 金糸雀は

柳の鞭で ぶちましょか

いえ いえ それはかわいそう


唄を忘れた 金糸雀は

象牙の船に 銀の櫂

月夜の海に 浮かべれば

忘れた唄を おもいだす

Re: 【文豪ストレイドッグス】自分の妄想で書く! ( No.32 )
日時: 2018/01/13 16:00
名前: トースト

↑の続きです!


“其れ”は何時もの様に数十人の部下を連れ、双黒で任務に臨んだ時に起こった。


____________四ヶ月前


中也「おい太宰。任務だ。仕度しろや」
そう云い中原はソファで未だうだうだして居る太宰を一瞥すれば小さく溜息を吐き項に手を置き小さくかぶりを振った。一方太宰はと云うと中原の言葉に呻き声をあげ乍もむくりと上半身を起こし、呆然と中原を見つめ口を開いた。

太宰「一寸中也。今日何の日か知ってて云ってるの?」

中也「当たり前だろ。って云うか、お前にとっちゃあ厄日と何ら変わんねェだろうが」

太宰「嗚呼、死にたいなぁ。誕生日なんて、何も善いコトが無いよ」
中原の言葉に無視を決め込みソファに凭れ掛かる太宰。そんな太宰を見て中原は再度溜息を吐いた。

中也「誕生日を素直に祝えねぇ奴に善いコトなんかあるめぇよ」

太宰「……私は君とは違う。此の世には自分の生まれた日を素直に喜ぶことが出来ない人も居るんだと云うことを、肝に命じておき給え」

中也「チッ、わーってるよンなコト…。と云うか早く仕度しやがれ」
太宰の夜の闇の様に黒い瞳が中原を捉えた。其の視線から逃げる様に中原は目を逸らし、バツが悪そうに舌を鳴らすと苛立ち乍も話題を変えた。

太宰「………」
珍しく云い返しもせず、太宰は中原に云われた通り外套を着、仕度を始める。今回の任務は特別難しいものでは無い。余り大きくない敵組織に異能力者は一人。其の組織のとあるデータを盗む、其の後壊滅させると云うものだったが部下等を連れずとも双黒が居れば任務遂行は確実な内容であった。

太宰「……私は君が羨ましいよ。中也。鳥の様に、何にも囚われず自由な君が。妬ましくて恨めしい。海に居る魚が、大空を羽ばたく鳥を見上げて、羨む様に。私も君を、羨んだって、善いだろう」
唐突に、太宰がそんなことを云った。夜の闇が、静かに中原を見つめる。今度は其れに臆するコトなく、中原は太宰に向かって云った。

中也「…俺が鳥って云うンなら手前は魚だな。…でもなァ太宰。勘違いすンなよ。鳥は確かに空を飛べるが翼が朽ちた鳥は何処にも行けねェ。焼かれて地面に落ちるだけだ。お前が俺を鳥だと思って居るなら俺の翼はとっくの昔に朽ちてる。魚の手前と一緒になるためにもぎ取ったンだ。魚と鳥では住む世界が違い過ぎる。一緒になるには、何方かが死ななきゃならねェ。そうだろ?…鳥が必ずしも自由とは、限らねェよ」

太宰「……そうかい」
話をして居る間に仕度が終わったらしい太宰は中原の云い分に少し悲しそうに目を伏せると其の儘中原の横を通り、執務室を出て行った。

中也「……少し、云い過ぎたか…?」
太宰が出て行った部屋の扉を見つめ乍中原は首を捻った。現在進行形で太宰と中原は付き合って居るのだが、愛し合って居るのかは謎なのである。お互いに想いを伝え合わない為形だけの恋人と云うことになって居るのだ。告白をしたのは中原の方だし太宰も其れを受諾したのだが二人の関係は付き合ってからはや一年が経って居ても全くと云う程進展が無かった。太宰はあの調子だし中原も太宰を如何扱って良いのか判って居らず、中原は告白こそしたものの未だ「好き」の一言すら云えて居らず太宰との肉体関係は持って居なかった。心の中で、どれ程太宰を愛おしく思って居ても、其の行動は全て裏目に出て仕舞うのだ。

中也「糞……たった一言…愛してるって云うだけじゃねェか…何怖気付いてンだよ…俺は…」
ーーー今日は彼奴の、誕生日だって云うのに…


---


太宰『じゃあ中也、作戦通りにね。私達B班は建物の裏から回って情報管理室で今回必要なデータを盗んでくる。君達特攻隊のA班は前線、本元を叩いてきて貰うよ。異能力者が一人居る様だから、君も油断はしないでね』
太宰の声がインカムを通して中原の耳に届いた。既にB班である太宰の部隊は建物裏に待機して居る。前線担当である中原率いるA班は建物正面に配置されて居り太宰の指示を唯只管に待って居ると云う状態だった。
突撃の準備は整って居る。

中也「嗚呼、任せとけ」
ーーー 一言…

太宰『じゃあA班…「太宰っ」……何、中也』
ーーーたった一言、君に云えられたなら……

中也「太宰……………やっぱ、何でもねェ…。指示を下してくれ…」
ーーー云えられたなら……



ーーー未来が変わったかも知れないのに…

太宰『……判った。A班、B班、突撃開始っ!』

太宰からの指示が下った。




太宰「……其の言葉を、云ってはくれないんだね…」
突撃の指示を下し、インカムが切れた後、太宰はそう独り言ちた。

部下A「太宰さん、何か?」

太宰「いや、何でもない。此方の話だよ」




ーーー私は莫迦だ……



すみません大分間が空いての更新となって仕舞いました!そろっと次回で最終回にしたいところですねぇ…。

Re: 【文豪ストレイドッグス】自分の妄想で書く! ( No.33 )
日時: 2018/03/05 17:25
名前: トースト

未だ続きの小説終わって無いのに映画に影響されて妄想だけ投下する奴です。
太宰さん……くっ…………そっ!っエロかった!

注意!
・簡単な妄想なので文何時もよか下手糞です


『太宰さんが嫌われて居るお話』(簡単な妄想)


______________________愛されたかっただけなんだと思う。


「太宰さんっ、お早う御座います!」

うん、お早う。

「探偵社にはお前が必要不可欠だ」

そう云って貰えると、嬉しいな。

「太宰は莫迦だなぁ。もっと僕を頼れば善いのに」

何時でも頼って居ますよ。

「太宰さん、お慕いして居ります」

君はしつこいなぁ。…………有難う。

「太宰、手前は何時迄経っても俺の相棒だ」

……癪だけど、私もそう思ってる。


「太宰さん」「太宰」「太宰君」

わっ、一寸皆、一斉に呼ばれたら判らないよ。

「太宰」

君は……

「太宰、愛してる」

私もだよ。

私も、君を愛してる。

「……なんて、本気でそう思って居るのか?だとしたら滑稽だな、太宰」

………………………………

…………え?

____________________________

___________________

_________


此れは、夢だ。

都合の善い、夢だ。

だって、こんなこと……あり得る筈ないもの。

だって、私は………__


---


「太宰治」……其れが私の名前。ポートマフィアを裏切り、武装探偵社へ入社したーーー嫌われ者の名前。
今日も武装探偵社へ出勤だ。待ち受けて居るのは陰口と、非難の目の嵐。そんなのは、もう慣れっこだ。

「ーーお早う御座います」

一番辛いのは、朝だ。
探偵社の扉を開け、何時も通り挨拶をする。すると何時も通りの反応が返ってくる。

「ああ、太宰さんですか。毎日毎日…よくまぁ飽きずに出勤出来ますね」

お早う、敦君。

「一分の遅刻だ、探偵社唯一の汚点。本当にお前は使えないな」

お早う、国木田君。

「此れ以上社の看板を穢さないでくれる?」

お早御座います、乱歩さん。

「異能力が異能力だから未だに置いてますけど……異能力が無かったら本当にこんな人雇ってませんよね」

お早う、谷崎君。

「だって元ポートマフィアですもんね!」

お早う、賢治君。

「社が悪く云われる原因だねェ」

お早う御座います、与謝野女医。

「要らない…」

お早う、鏡花ちゃん。

「太宰………来なくても善かったんだぞ…?」

お早う御座います、社長。
………こんなのもう慣れっこだ。寧ろ今日は未だ善い方だ。
元ポートマフィアの私。ポートマフィアでも嫌われて居た私。元ポートマフィアの鏡花ちゃん。ポートマフィアでも愛されて居た鏡花ちゃん。……此の違いは……一体何だろう?何が彼女と違うと云うのだろう?何が皆と違うと云うのだろう?
こんなコトを考えても仕方無いと云うのは解って居る。もう何千回も考えたコトだ。私は誰にも愛されない。愛等、生まれて此の方貰ったコトなんか一度も無い。
其れでも…_

「太宰さん、邪魔です。退いて下さい」

敦君に睨み上げられ乍らそう云われ、慌てて其の場を退く。

「あれ、太宰さん仕事無いんじゃないですか?」

賢治君、よく気付いてくれたね。そうだよ。私には今日の分の仕事が未だ渡されて居ないんだ。

「ああ、そう云えば…そうだったな。……太宰、此れがお前の今日の仕事だ。此の資料を今日中に纏めておけ、今日中に、だ。解ったな?」

国木田君に分厚い紙の束を渡される。此れを今日一日でなんて、流石に無理だと思うけど…。
そう思ったが、口に出したらまた怒られそうなので、了承することにした。怒られるのは嫌いだ。
私に居場所は無い。私は誰にも愛されない。私に存在価値なんか無い。其れを付けてくれる人も、私には居ない。
………私は、独りだ。

嗚呼、死にたいなぁ。
胸の辺りが、苦しくて苦しくて、痛くて…堪らないんだ。呼吸が苦しいんだ。ねぇ、誰か。お願い、誰でも善いから…誰か。

……私を助けて。



……力尽きた。
此処で私なら「私が愛してあげるよ太宰さん!」ってなるんですけど此の世界の設定では太宰さん嫌われなので取り敢えず探偵社とポートマフィアに救世主は居ませんね。中也だけが太宰さん愛してて自分のものにしちゃうって云うのもありなんですけど…矢っ張り私はドスでも善いと思うんですよ。一応考えたENDです↓

END集
・中也だけが太宰さんを愛してて最後は太宰さん壊して(洗脳)独占END
・ドスが太宰さんを誑かして洗脳闇堕ちEND
・ゴーゴリ君が太宰さんを守ると云う名の束縛(洗脳)END
・澁澤さんが太宰さんを堕として(洗脳)太宰さん闇堕ちEND
・ドスと澁澤さんで太宰さん救済(洗脳して闇堕ち)END
・モブが太宰さん洗脳END
・太宰さん自殺END(余りの辛さに自殺)
・太宰さん復讐END(太宰さんが皆殺し)
・太宰さん発狂END(其の儘精神患者に)
・太宰さん道化END(耐え乍らも生きていく)
・太宰さん夢END(最初から全部夢)
・太宰さん多重人格END(余りの辛さに多重人格となる)
・太宰さん殺害END(探偵社員に殺される)
・太宰さん監禁END(監禁されて拷問を受ける)
・太宰さん記憶喪失END(余りの辛さに記憶喪失となる)
・太宰さん薬漬けEND(薬に溺れる)

追加END
・森さんが太宰さん洗脳闇堕ちEND
・太宰さん病みEND(精神が後退)
・太宰さん鬱END(自傷ばっかりする様になる)
・太宰さん壊れEND(廃人の様になる)
・トゥルーEND(どれかのEND後に皆過ちに気付く、然し時既に遅し。太宰は戻らない)
・ハッピーEND(どれかのEND後、皆過ちに気付き見事太宰を取り戻す)
・バッドEND(其の儘誰も過ちに気付くことなく太宰が自殺)
・メリーバッドEND1(バッドEND太宰視点:自殺することによって救われた→ハッピーEND)
・メリーバッドEND2(ハッピーEND太宰視点:自分の傷付いた心は治らない。結局道化を演じる→バッドEND)

個人的には全部好き。特に発狂と薬漬けEND…。見たい…。

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