大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- FINAL FANTASYでぐだぐだ書く。
- 日時: 2017/01/20 22:08
- 名前: 月音
こんにちは、月音です。
今回はFFのBL小説を投稿させて頂きます。
ただ……一つ断っておきたい事がございます。
私、今のところ、FFのゲームをプレイした事が残念ながらありません。
シアトリズムのみです。
いえ、小説も攻略本も読みましたし、ストーリーもあらかた存じています。
DVDも見ました、CDも全部聞きました。
ただ時間が無く……プレイ出来ずにおります。
おまけに守備範囲がひどく狭いです。
ですので、設定がおかしかったり、口調が違ったりしてしまうかも知れません。
広いお心で読んで下されば、これ以上の幸福はございません。
……そうでした。
私はFFのストーリーやキャラクターも大好きですが、
それと同じくらいに曲が大好きです。
なので、曲に勝手に歌詞をつけています。
それも投稿していきたいと思います。
では、どうぞよろしくお願いいたします。
- Re: FINAL FANTASYでぐだぐだ書く。 ( No.6 )
- 日時: 2017/01/23 21:59
- 名前: 月音
先に目覚めたのはクラウドで、夕方頃。家が空だと言う事を伝えると、色々考えて居るみたいだったが、俺らには子供らの捜索の方が大事だ。じれったいクラウドは放って置いて、町へ出る。積もる話もあるようなので、彼奴も置いて来た。太陽が沈んだ頃、運良く目撃者が見付かった。戻ると、ティファが目覚めた所だった。
「見つからないの?」
「奴らが連れて行った。目撃者がいたぞと」
「行き先は?」
「忘らるる都。アジトだ」
それだけ言うと、クラウドは準備を始めた。それをティファが止める。クラウドは誰も傷付けたくないが為に、身近な人の思いに気付いていない。口論が始まった。
「止めなくて宜しいのですか?」
こそこそと彼奴が問う。
「出ようぜ、と。巻き込まれたくないしな」
「待て」
「一旦様子見ですか」
「ええ?面倒だぞ、と」
丁度言い争いも終わったので、俺は告げる。
「アジト。お前が行けよ、と」
彼奴は少し驚いた顔をしていたが、俺が外へ出るとそれに倣った。
「あの二人……今はどのような関係なのですか?」
帰る途中、彼奴が聞いて来た。
「昔の仲間。もしくは雇い雇われの関係だろうな、と」
「昔の仲間、ですか。何か、辛い事でもあったのでしょうか」
こいつは事件の内容を知らない。なのに的を得た意見を言うから、驚いた。
「どうしてそう思う?」
「二人は、互いをよく思い遣っています。なのに、気持ちがすれ違っていましたよね。それに昔の仲間だと。きっと、失いたくないのです。これ以上、昔失った誰かの様に誰かを失うのは、嫌だ……」
「………」
まるで自分の事の様に話す。大正解だ。あの二年前の事件は、余りにも多くのものを奪っていった。そして、その爪痕は今なお残っている。
「……レノ様、ルード様」
「ん?どうした」
「何だ」
「私は、皆様の事が大切です。誰も、失いたく有りません。だから、絶対、死なないで下さい」
真剣な目付きで、懇願する様に彼奴は言った。その目が余りにも綺麗で、泣き出しそうだったから、俺とルードは顔を見合わせ、同時に吹き出してしまった。
「な……何故笑うのですか!」
「ハハハッ!こいつは本当にもう!」
「済まない……す、すまん……ククッ」
「大真面目でしたのに……」
恥ずかしい、と地面に踞ってしまった。迷子の子供の様で、結構可愛かった。でもさすがに可哀想だから、くしゃっと頭を撫でてやる。
「いいか、よく聞くんだぞ、と」
「はい……」
いくら不貞腐れても上司の言葉はちゃんと聞くのか。面白い奴め。
「俺もルードも、何度も死ぬ様な経験をしてきた。お前もだろ?人は死ぬものだし、この仕事は余計に死にやすい」
「はい……」
「だが、俺たちは死ぬ気で戦っている訳ではない。何よりも生きる為に戦っている」
「てか、こんな可愛い部下がいるのに、むざむざ死ねる訳ないだろ、と」
「ッ……はい……!」
にっこりと笑った。先までの涙など振り払って、最高の笑顔で笑った。ホント可愛いなこいつ、と。
もう一度撫でてやってから、手を取って立たせる。
「さて、これで大丈夫か?」
「はい。お二人の覚悟を疑う様な真似をして申し訳御座いませんでした」
「構わん」
「それはいいが、お前も約束しろよ、と」
「何でしょう」
「お前も死ぬ気で戦うんじゃあないぞ、と」
出来るだけ真剣味を出して言う。彼奴は一瞬虚を突かれた様に止まったが、直ぐに大きく頷いた。
「いい子だぞ、と」
俺は笑い、また頭を撫でる。こいつの頭は身長的にも何か撫でやすい。癖になりそうだ。月が俺達三人を照らすなか、ゆっくり歩いて帰った。
- Re: FINAL FANTASYでぐだぐだ書く。 ( No.7 )
- 日時: 2017/01/24 21:33
- 名前: 月音
次の日も仕事まみれだった。
カダージュ一味の内ヤズーとロッズが、広場の真ん中、神羅が作った記念碑を壊そうとしている。おかしな化け物も出て来た。そんな通報を受けて駆け付けた俺達。いた。
「何してるんだ?」
「母さんはここなんだろう?」
「どうして」
「この……なんだ?記念碑?は神羅が作っただろ」
「へえ、頭使ったな」
「しかし、外れだ」
「俺達も知らないぞ、と」
「何だ、信用ゼロだな」
その言葉にカッとなった。棒を振りかぶる。すると、突然空中に──
「うわああ!」
「キャアアアア!!」
沸き上がる悲鳴。空中に、巨大な召喚獣が現れた。呆気にとられる。そいつは人々を襲い始めた!
「こおりゃ」
「無理だ」
ルード、彼奴と視線を交わし、子供を連れて逃げる。
「来てるか!?」
「見たくない」
「あ、ぶないッ!」
彼奴が叫ぶ。もう遅かった。あの召喚獣が炎を吐いて、俺達はふっ飛ばされた。
銀髪が来て言う。
「楽しいなぁ、おい」
「全然だぞ……と!」
戦闘開始だ。俺の相手はヤズー。銃剣使いの奴だ。悔しいが、やりおる。壁を伝って屋根で戦う、が、
「ぐはッ!」
クソッ、俺はまた!だけど、何度だって立ち上がってやる!落とされた所から立ち上がる。何かパリッとか聞こえたけど、気にしない。
「……母さん母さんって、ジェノバの首じゃねえか」
「母さんをそんな風に呼ぶな!」
「許さねえ!」
「悪かった」
「そうだな……って何で謝るんだ!」
戦闘再開ッ!なかなか良い技が決まった。ドヤ顔したら、隙を突かれた。汚ねえぞ!
また這いつくばる形になる。本当最近ツイてねえよ、と。
「……おい」
「ん?」
声が聞こえた方を振り向くと、彼奴が瓦礫の中から埃まみれで立ち上がる所だった。
「貴方達……自分が何をしでかしたかお分かりですか」
「何?お前はこいつらの仲間か」
「ならどうします」
「どうせお前も弱いんだろう。母さんを渡せよ」
「弱い?弱いですって……」
彼奴、声のトーンこんなに低かったか?ヤバイ感じがする。
「償え……」
「は?」
「私の大切な人達を愚弄した罪……死を持って償えよキチガイ首女の絞りカスがぁッ!」
瞬間、彼奴が斬りかかる。敵の腕を斬り裂き、体勢を崩したその隙を突いて更に首を狙う──がもう一人に阻まれ掠る、そいつの胴辺りを狙って薙払い、もう一本刀を抜き、双剣となった彼奴は両手で二人を相手取る!
「母さんッ!!」
パァン……
響く発砲音、上を見れば社長とカダージュが落ちて来る所だった。こりゃあ一時休戦だ!
そうして銀髪三兄弟は逃げ、俺達は急いで落下してきた社長を救助に行った。彼奴だけは疲れたのか地面の上で爆睡していた。
「それにしても、あれは何だったんだ、と」
「きっと彼奴の逆鱗に触れたんだろう」
「あんなに強い上に口調まで変わりやがって……」
「……人は見掛けによらん」
思い出すと戦慄する。本気の彼奴と一対一で戦ったら、俺だって負けるかも知れない。最近自信喪失気味の俺はそう思った。
その後、眠りこけてる彼奴を置いて、ルードと派手な爆弾を設置して、また広場へ帰って来た。
「まだ寝てやがんのか、と」
しかも地面で。誰もツッコまないのか。先程瓦礫の下敷きだった事もあって、黒のスーツは泥々になっていた。髪にも顔にも泥や血が着いていて、こいつ起きたらどうなるんだろう。何時も身嗜みとかキッチリしてるのに。ぼうっとしていたら、遠くで大きな爆発音がした。少しして、雨が振りだした。綺麗な、澄んだ雨。
「不思議だな……星痕が消えていく」
「社長!」
見ると社長の身体中にあった星痕が、みるみる内にすうっと消えていくのが分かった。これがこの雨の効力なのか。
「んん……おに…ちゃ……」
「お、起きたか」
「え……ぇのさま……?」
彼奴は寝惚けた様にふにゃふにゃした事を言う。いいから起きろ、風邪ひくぞ、と。
「後半月……」
「それまで仕事放り出す気か?喧嘩売ってんのか、と」
「え?……はっ!」
バッと起き上がる。
「も、申し訳御座いません!私ったらこんな所で仕事中に眠り込むなんて……ッ」
かあっと顔を赤くする。今更かよ、と。ふと空を見上げ、眩しそうに手を翳した。
「……クラウドが、勝ったのですね」
「寝ていたのに分かるのか」
ルードが問う。
「いえ、何となく、ですが」
こいつは少し、いやかなり不思議な奴だ。先程まで地面で寝てたとは思えない。
「これで本当に、全て、終わりましたね」
「これ以上、残業生活はしたくないぞ、と」
「お前は元からしていないだろう」
「やっと星は雲を許した。私達の生活は、これからです」
三人で笑みを交わす。また静かに雨が降り続く空に視線を戻す。雨上がりの虹が綺麗に浮かんでいた。
END
- Re: FINAL FANTASYでぐだぐだ書く。 ( No.8 )
- 日時: 2017/01/24 21:38
- 名前: 月音
あとがき
今更ADVENT CHILDREN見てレノ様に惚れた私です(笑)気晴らしに作りました。一目惚れってやつですよ!
微妙な出来。言いたい事表現するのは難しい。まあ適当に良いエンドになって良かったんじゃないでしょうか?本当はレノを庇って主人公が死ぬ予定だったんですけど、面倒になっ……いややっぱり幸せになって欲しかったから止めました。
こんな三人の話を書きましたけど、実はルードさんそんな好きじゃないです(笑)いい人だとは思いますけどね。うん。
ちなみにもちろん主人公は男です。俺得。別に女の子でも通じるよう書きましたけどね。またまたちなみに、最初に出て来た主人公の元上司は、文ストの中也さん。もち俺得。よく分からない言動とかしてますけど、主人公は自分の中で結構裏設定があるので、そんなに気にしないで下さいよ。
有り難う御座いました、と
- Re: FINAL FANTASYでぐだぐだ書く。 ( No.9 )
- 日時: 2017/01/25 21:27
- 名前: 月音
START FORTUNE
彼と初めて会ったのは、もう何年も前の事になる。まだ幼く、純粋だった頃の俺達の話。
一年中降り続く雪がこのニブルヘイムを覆い尽くす。膝下まで積もった雪の中、子供たちは元気に走り回っていた。そんな中、一人でベンチに座り、寒そうに体を縮こまらせる子供を見つけた。
「ねえ、きみ、なんでここにいるの?」
「…………」
「あの子たちとあそばないの?」
「…………」
「……口、きけないの?」
やっと彼は反応を示して、首を微かに横に振る。少女の出で立ちはニブルヘイムでは珍しいもので、黒と白の大きな布を一枚羽織った様なものだった。後に、それは彼の故郷の伝統衣装で、キモノというのだと聞いた。
俺は隣に腰掛け、さらに質問を重ねようとする。と、少し離れた場所で遊んでいた子供たちがやって来た。
「まだいるよー!」
「やーい、ゆきおんなー!」
「ここから出ていけよ!」
バシッと雪玉が投げつけられる。彼は微動だにしない。
「クラウドもさあ、こんなヤツといっしょにいたら、へんになっちゃうよ!」
「行こ行こ!」
俺は無性に腹が立って、去って行く子供たちを追いかけようとした。だがそれは被害者であるはずの彼によって止められた。服の裾をつと掴まれる。
「はなしてよ!」
「……いい」
「どうしてだよ?あんなにひどい事を言ったのに」
「……迷惑」
「っ!!」
幼かった俺は、自分の世話焼きなところが迷惑に思われたのだと思い、言葉に詰まる。しかし少し慌てた様子の彼が言う。
「私、庇う……迷惑、かかる……嫌。駄目」
「そんな事ないよ。めいわくだなんて思わない」
「……有り難う……でも、いい」
氷の様に固かった彼の表情が柔らかく溶けて温かな微笑みをつくる。それに気が抜けて、俺はまたすとんと隣に座った。
「私、ここ、知らない。記憶、ない。友、いない……私、疫病神、だから」
「こんなにきれいなのに?」
「……ッ」
何気なく頭に手を置き、髪をすくと、彼はびくっと体を竦ませた。彼は誰かに話しかけられたり、触れられたりする事に慣れていないようだった。
「……そうだ!いっしょにあそぼうよ!もう一人、女の子がいるんだ」
「え……でも、私……」
「あそんじゃだめなの?」
「……迷惑、かかる。災い、降りかかる」
何と言っても動かない彼に痺れを切らした俺は、半ば強引に少女の腕を引っ張って立ち上がらせた。急だったのでバランスを崩した彼を軽く抱き止める。
「だいじょうぶ?」
少女は小さく俯きがちに頷いた。
「行こう?」
もう一度、今度はもう少し大きく頷いた彼と手を繋ぎ走り出す。彼の白く冷たい手。その時の俺は初めて抱いた感情に名前を見つけられず、ただ熱い思いだけで行動していた。
それから、二週間くらい。
彼は故郷から遠く離れたこの地へ、どの道を通り何故来たのか覚えていないらしい。身寄りもなく、保護者もいない彼だが、自分一人で廃屋に住んでいたそうだ。初めは無口で無表情だった彼も、次第に心を開き、俺とティファには笑顔を見せる事も多くなった。
そんなある日。
彼が消えた。
一枚の手紙を残して。
『クラウド、ティファへ。
私は、行かなくては、ならない場所を、見つけました。大切な、用事が、あることを、思い出しました。何も、お別れも、無しに、行くのは、さみしいし、もうしわけないと、思います。ごめんなさい。私は、二人のおかげで、ほかに、家族、友達、いなくても、さみしくありませんでした。二人が、やさしくして、くれたから、いつも、とても、楽しかったです。ありがとう。二人を、ずっと、わすれません。二人のこと、大好きです。いつか、また、どこかで、会いたいです。本当に、ごめんなさい。本当に、ありがとう。』
俺は、ただ悲しかった。彼には事情があったから、やむを得ず一人で行ってしまった。そんな事は分かっている。手紙だって、口下手な彼が書いては消し書いては消ししたのが伝わって来る。それでも、幼い俺は裏切られたような気がして、悲しかった。ティファも同じ事を思っただろうが、彼女はまだ大人だった。「仕方ないよね」と呟いて、一晩後にはもう吹っ切っていた。「また会いたいって書いてるんだから、また会えるよ」なんて俺を励ました。しかし、俺はティファに彼の事は話すなと言って、忘れようと努めた。事実、忘れていたつもりだった。