大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- D灰【BL短編集】
- 日時: 2017/08/06 05:21
- 名前: 月の明
神田ユウ、アレン・ウォーカー、ラビ、クロス・マリアンを中心に書く予定です。
R18久しぶりです。小説の18は初です。
亀更新ですがコツコツ書き留めていきます。
主なカプ
神田×アレン、神田×ラビ、アレン×神田、アレン×ラビ、ラビ×神田、ラビ×アレン。クロスマリアンはその時々で。
では、はじめます!
- Re: D灰【BL短編集 ( No.19 )
- 日時: 2017/08/23 03:33
- 名前: 月の明
(神田×アレン)
その日、神田ユウは自室にて、月を眺めていた。
その日の月は三日月で、満月ほどの明るさはなくともその健気な明かりは神田の恋人を思わすものがある。
月に恋人を見るというのは、他者から見れば滑稽に写るかもしれないが、神田の心には落ち着きとともに収まる何かがあった。
不意に部屋の外、廊下の向こうに気配を感じる。
その気配は今し方、神田が月に例えていた存在の気配。
「…入れよ」
神田の声に僅かな驚きを浮かべたその人物は、苦笑を浮かべ扉を開く。
「…お邪魔します、よく僕だって気づきましたね」
後ろ手で扉を閉めた恋人、アレン・ウォーカーは窓から差し込む月の光を歩むよう、ベッドに座る神田に近づいた。
「お前の気配なら、すぐに分かる」
- Re: D灰【BL短編集 ( No.20 )
- 日時: 2017/08/25 05:40
- 名前: 月の明
幾晩をも供にした恋人の気配、香り、仕草、声はすべて神田の五感が覚えている。
例え扉一つに阻まれても、たやすく分かるほど神田はアレンに溺れていた。
アレンの頬を薄紅に染めたのは言葉の意図からか、あるいは神田の存在そのものか。
「僕も、神田の気配、前よりは分かった気がします」
視線を逸らし隣に腰をおろすアレンの仕草を、神田は静かに見つめる。
月明かり照らされた艶のある白髪も、微かに覗く項も、ほんの僅かに手を伸ばせば触れられる距離だ。
扉の鍵を視線のみで確認すると、鍵をかけ忘れている。
神田から見たアレンは、あまりにも隙がありすぎて、常に他の者に狙われないか不安で仕方がない。
そんなところも魅力と呼べなくはないが、出来れば他の者にそんな仕草は見せないでほしい。
神田は不意にベッドから立ち上がり、部屋の鍵をかけた。
そして振り向きざまに、アレンに自身の不安を告げる。
「お前には、その気はないのかもしれないが、もう少し貞操への危機感を抱くべきだろう。何かあったらどうするんだ」
眉間に皺を寄せ言い聞かせる神田の言葉に、あれは小首を傾げ疑問を表す。
「危機感も何も、僕が体を許すのは神田だけですよ?」
- Re: D灰【BL短編集 ( No.22 )
- 日時: 2017/08/25 06:14
- 名前: 月の明
アレンの言葉に嘘はないのだろう。
神田自身も疑いを抱いたりはしていない。
それでもこみ上げる不安と嫉妬の灯は消せず、そんな神田の心に変化を与えたのはアレンの口から漏れた一言だった。
「…それに、神田にしか隙なんて見せたりしませんから」
「っ、何で俺にだけ隙を見せる必要がある」
動揺を隠せず、室内に響くような声を出す神田に、アレンは怒りの色を見せる。
「何で神田にまで警戒しなきゃいけないんですか!他の人ならともかく、好きな人にまで警戒する意味が分かりません!」
羞恥と怒りの混じる言葉に、神田は思わず納得しかけてしまう。
だがすぐに我に返り、反論を返す。
「お前の言い分は分かるが、俺にまで隙を見せるな!襲われたいのか!」
苛立ちとともに怒鳴る声は、アレンの怒りにさらに火をつける。
「神田に襲われるなら本望です!…それくらい、気づけ、バ神田…」
語尾の小ささは羞恥のせいだろう。
アレンの言葉に神田自身も冷静を取り戻していく。
月明かりが照らすアレンの頬は薄紅に色づいており、神田は怒りとは別の、愛しいと言う感情が疼く。
こんな密室で、二人きりの状態で、そんな顔を、隙を見せないでほしい。
- Re: D灰【BL短編集 ( No.23 )
- 日時: 2017/08/25 07:09
- 名前: 月の明
静かに距離を詰める神田を、アレンは潤んだ瞳で見つめる。
愛しさはアレンへ、たやすく欲に飲まれる苛立ちは神田自身へと思いは募っていく。
「…そんな目で見るな、止まらなくなる」
アレンをベッドに押し倒し抱きしめる神田の体温は、熱を覚え始める。
「止まらなくていいです、僕も神田に触れていたいから」
薄闇の中詰めた距離から漏れたアレンの吐息に、神田の理性は掻き消された。
「ん…っ、ぅ…アレン、好きだ…」
神田の乱暴な口付けを受けるアレンの表情は微かな苦しさと、甘い感覚に溺れて見える。
「ふ…っ、ぁ…、ん、僕も、好きです…ぁ…ゃ」
口元から離れた神田の口づけは、アレンの首筋を甘く噛む。
快楽に悶えるアレンを熱く見つめ、そんな愛しい恋人のシャツを神田の指先が手早く緩めた。
外気に照らされた素肌は微かに熱を帯びて、アレン自身も神田を求めているのは明らかだった。
「…っ、神田ぁ…もう、僕…」
可愛いらしくねだるアレンの声に、神田はより強くアレンを求めてしまう。
その白い肌に口づけをし、胸の尖りを神田の舌で柔らかくなめる。
あるわけのない甘さを舌先に覚え、アレンの下肢を緩めようと動く指先は繊細で素早い。