大人オリジナル小説
- アクアリウム。
- 日時: 2011/09/18 22:51
- 名前: 白兎
どうも、ハクトです(^^)
傍観者の主人公 伶がクラスのイジメに関わっていく話。
受験生なので更新が遅くなると思いますが、つたない文章を書いていきます。
荒らしトカ周り見えてない発言する奴は個人的には大好きだが
他の閲覧者様を不愉快にさせてはいけないので控えましょ。
応援から酷評まで、コメント受け付けてます(キリッ`・ω・)
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
- Re: アクアリウム。 ( No.5 )
- 日時: 2011/08/31 15:55
- 名前: 白兎
▽
いつもと変わらない昼休み。
伶の通う中学では給食は無く、お弁当を持ってくるか購買でパンを買ったりするかだ。
伶は購買派で、いつも通りパンを買いに席を立った。
伶の後ろから聞こえたのも、いつも通りの声。
「三浦ー。俺、いつものヤツな」
「あ! あたしレーズンパンね〜」
「いいな、私も!」
「じゃあ俺は焼きそばパンな」
呼ばれた三浦 亜耶という女子は一瞬 顔を曇らせた。
「え、また……?」
「なに、拒否すんの?」
内にこもるような亜耶の声は、他の女子生徒の強い口調に気圧され
更に小さくなっていく。
「……だって、昨日も」
「良いだろ別に。金は払ってんだろ」
亜耶は俯き、唇を噛み締めた。
下に向けた顔は腰まである多い髪に隠される。
伶は席を立ち上がってから、まだ一歩も動かないままだった。
髪の間から見える亜耶の顔を見て、彼女の悔しさを計ろうとした。
けれど、それは男子生徒の舌打ちによって出来なくなってしまう。
「……早く行けよ三浦。どうせ明日も頼まれるのはお前だよ。
良いから行け。売り切れたら殺すから」
冷たく、はっきりとそう告げられた亜耶は顔を上げて、
男子生徒の冷めた表情に脅えるように顔を逸らした。
「行って、きます……」
伶の横を亜耶が通った。
ふいに香った匂いはけして良いものでは無かった。
伶は若干 眉を寄せ、亜耶を見る。
今にも泣きだしそうな顔を見て、伶は。
「ね、見た?」
「うん」
女子のせせら笑う声が聞こえた。
「三浦のヤツ、泣いてなかった?」
「うんうん。めっちゃ堪えた顔してた」
「まじウケる」
「ウケるっていうかむしろ、」
「キモくね?」
途端に上がる笑い声。
「わかる、キモい」
「元からだけどね」
「ちょ、それ言っちゃ終わりでしょ」
伶は、彼女たちと同じ事を
静かにそう思うのだった。
気持ち悪い、と。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12