大人オリジナル小説
- アクアリウム。
- 日時: 2011/09/18 22:51
- 名前: 白兎
どうも、ハクトです(^^)
傍観者の主人公 伶がクラスのイジメに関わっていく話。
受験生なので更新が遅くなると思いますが、つたない文章を書いていきます。
荒らしトカ周り見えてない発言する奴は個人的には大好きだが
他の閲覧者様を不愉快にさせてはいけないので控えましょ。
応援から酷評まで、コメント受け付けてます(キリッ`・ω・)
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- Re: アクアリウム。 ( No.4 )
- 日時: 2011/08/27 18:36
- 名前: 白兎
「……あつい」
ほくほくと上る黒い液体の湯気を見つめながら、ぽつりと呟いた。
今の季節は初夏で、しかもここは太陽に近い。
そのうえこんなホットな飲み物を出されれば、嫌でもその言葉は出る。
しかも甘党な私にブラックだなんて、なんて気が利かない奴だ。
「そろそろ夏だもんね」
私の言葉の意味を理解しているのかしていないのか、窓の外を見つめ水野は言った。
リビングの窓は無駄に大きくて、町が一望できる。
毎日こんな場所にいて、一体こいつは何を見てるんだろう。
「学校はどう? 三上さんもE組だよね」
相変わらず温和な笑みに、私の口は言い淀んでしまう。
だって、今のクラスはけして良い状態とは言えないから。
やっぱり言いたくなくて、質問を質問で返した。
「水野はさ、何で学校 来ないワケ」
その質問は、水野も答えたくないみたいだった。
肩をすぼませ、コーヒーを口にいれていた。
コーヒーから出る湯気で、水野の顔が歪んで見えた。
「厭離穢土?」
「……は?」
「いや、別に」
「言ってよ。気になるじゃん」
こういう時、別にと言われると急に気になってしまうのは何故だろう。
私は更にしつこく問い掛けた。
すると、水野の口が開く。こいつはけっこう口が緩い。
「適当に勉強して、部活を頑張って、友達と喋って。
それの繰り返しみたいな毎日が、嫌だっただけ」
「嫌って……」
私だって学校が嫌になったことはあるけど、それだけで行かなくなったりしない。
嫌だから、なんて我が儘だ。
そう思うけど、口には出さない。
そんなの水野の自由だし、私が意見する理由はない。
「……うん。そっか」
もやもやとした思いを掻き消すために、苦いコーヒーを飲み込んだ。
「……にがい」
水野が小さく笑った。
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