大人オリジナル小説
- 暗闇の世界で、翼は溶けていった。 ※少し修正中。
- 日時： 2013/08/11 16:15
- 名前： 来夏
―――あの子の翼は、溶けていく。
あの子の翼は、希望と将来に満ち溢れていた。
そんな翼は溶けていく。
それは、暑い日に食べるソフトクリームの様に。
この世界で、あの子の翼は溶けていく。
―――“虐め”によって、その翼は溶けていく。
◆詳細
この小説は、“虐め”ものです。
フィクションとノンフィクションが入っています。
過度な暴力表現などが苦手な方は、ご覧にならない方がいいと思います。
修正中です。
ようやく更新のめどが付きました。
そしてコメントをくれた方々に、感謝しています。
まだまだ描写は下手ですが、時間のある時に
細かく修正する予定です。
凄く今更ですが
2013年6月に、金賞を取った事に気づきました。
この小説で金賞を取ったとか、冗談としか思えてないですが、ありがとうございます。
投票をしてくれた皆様、今更過ぎますがありがとうございます。
こんな小説でも、読んでくれた方々に感謝しています。
完結させますので、どうかよろしくお願いします。
◆目次
■学校説明>>1
■虐めグループ >>30
■ターゲット >>31
■二年三組 登場人物 >>2
■その他の登場人物 >>7
◆話のまとめ
第１章 『虐め』>>32
第２章 『救世主』>>33
第３章 『不登校児の登場』>>34
第４章 『それぞれが抱える現状』>>43
第５章 『明るみに出た真実』 >>62
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- Re: 暗闇の世界で、翼は溶けていった。 ※少し修正中。 ( No.96 )
- 日時： 2013/08/20 15:32
- 名前： 来夏 ◆2ZBHn0dH/Y
episode 音原霞
「………」
椎名が消えた後の教室は、やっぱりヒソヒソと噂をする声で埋め尽くされていた。
ただ生徒会の男子や矢上とかは、何ていうんだろう。反省しているって、いうのか。黙っていた。
「私だって、嫌だったけど、誰だって、いじめられるのは嫌じゃん…」
「四之宮さん怖かった……けど、加害者って……」
そんな会話が聞こえる中、あたしは立ち上がった。
その音に全員が驚いただろうが、あたしは気にせずに歩いていく。
この時はなぜか、ぼそっと呟いた。
あまりにも会話が五月蠅かったからかも、しれない。
でも、何故か言いたかった。
「―――今更嘆いたって、あんた等は許されない。それにそんな風に嘆く前に、自分のやった事を反省したら？」
あたしにも言える事を、あたしは言い捨てた。
***
「……」
「音原！」
教室を出て行き、歩いていたらそう叫ばれた。
ああ、言っちゃいけない事言ったのかもしれない。
「……矢上」
「……音原……さっきのは俺も、そう思う」
共感の言葉を口にしてくれたけれど、あたしだって加害者だ。
見て見ぬフリというより、関わらない様に一人で居たから―――
「……矢上。あたしは、思った事を言っただけだから。だから、別に同情だっけ。そういうのは……」
「違う。俺だって、そう思った」
あたしはようやく背けていた顔を、矢上に向けた。
矢上の表情は、真剣だった。
何ていうか、いつも無表情というか、達観っていうのか。そういう目をしてたんだけど。
廊下にはいつの間にか、あたしと矢上しか居なかった。
そんな空間に、矢上は言葉を紡いでいく。
「俺だって、加害者だよ。榎本達のいじめを、早く止めれば、良かった」
―――あたしだって加害者だ。
関わりたくなかったし、何より人と話すのが苦手だったから。
でも今はこうやって話している。
「……」
「……俺、きっと許されないな」
「……それは、あたしもよ」
何で矢上にだけは、こういう風に同情したりしてしまうんだろう。
分からない、ペースを崩されてしまう。
「……あ」
「？」
「榎本……」
いつの間にか後ろには、榎本が立っていた。
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