大人オリジナル小説
- 盾と刃-自分は盾で他人は刃で-
- 日時: 2012/10/27 12:33
- 名前: 地味子
-人を信じる事のできない人は弱い?
フン、ばかばかしい。そんなの綺麗事の一種にすぎないじゃない
人を殺したら犯罪?命は大切にしろ?
じゃあ戦争の場合は何?戦争の時、
敵の人間を多く殺せば殺すほど英雄になれるものよ?
世の中の思考はどうなってんの?
フン、考えが甘いのよね。都合が良すぎるわ-
今は6時間目の総合の時間
午後のまったりした空気に
つつまれながら、真麻はそんな事を考えていた
黒板には大きく「戦争の事について調べよう」と書いてある
-…だる…-
真麻は教科書に自分の頭をのせ、そのまま眠り始めてしまった
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- Re: 盾と刃-自分は盾で他人は刃で- ( No.9 )
- 日時: 2012/11/07 21:11
- 名前: 地味子
プルル プルルルル。
廊下に置いてある電話が鳴った。
真麻の母、五月は会社に遅れそうなので無視しようと思ったが、
電話はしつこく鳴り続ける。
五月は諦めた。
「もしもし」
「…あのー…白銀さんのお宅ですか?」
五月はとっさに担任の的場だなと悟った。
「はい、そうですが」
「私、赤坂小学校の…」
「真麻のクラスの担任の的場玲先生ですよね?」
「あ、はいよくわかりましたねー…さすが白銀さんのお母さ…」
「そんな事はどうでもいいから要件をおっしゃって下さい。
今、急いでるので。」
「あ、すみません…」
-的場玲。生徒に対しては威張ってるという噂。
なのに保護者の前ではずいぶん控えめねえ…-
「対した要件じゃないんなら切りますよ?
本当に急いでるから。それじゃあ」
「あ、まっ…真麻さん!もうご自宅に帰ってきますよ!」
「はあ?今は学校の授業を受けてる自か…」
「お母さん急いでいるんですよね?
もう電話は切ります。後は本人から聞いてください!」
「は?」
「よく言い聞かせて下さい!困るので!!!」
ツーツー…という機械音が虚しく耳に響く。
-真麻。また…-
思えば、真麻は昔から色々な問題を起こして五月を困らせていた。
幼稚園で、友達の筆箱を中身ごとを盗んで校庭にそれを埋めた。
その事をを叱って筆箱を埋めた場所を聞き出そうとしても、
真麻はニヤリとするだけで口を開かなかった。
結局筆箱はみつからず、五月は筆箱のお金と
たくさんのお菓子を持って友達の家にあやまりに行った。
小学4年の頃には、すでに行き過ぎた問題を起こしていた。
自分の事を挑発した男子の脚の骨を折った。
その事がきっかけで、
真麻に骨を折られた男子は大好きだったサッカーをやめ、
最終的には2年ほど人間不信で家に引きこもっていた。
さすがにこれには母親の五月も愛想を尽かし、真麻と話さなくなった。
それどころか、今は家庭内暴力にひたっている。
-真麻には、信じられる人もいなけければ、
真麻の事を信じてる人もいない。っていうかその前に
真麻自身が仲間をつくる事を拒んでいる。
友達をつくって家につれてきたと思えばその友達に対して事件を起こす
真麻は何を考えてるの-
その時、インターホンが鳴った。
-真麻。…本当に帰ってきた。-
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