大人オリジナル小説

人間なんて、大嫌い
日時: 2012/11/02 23:34
名前: 凛 ◆DsGFCj9jkQ

こんにちは、もしくははじめまして。

凛といいます。

社会問題系ははじめてですが、
よろしくおねがいします。


コメント、アドバイスは大歓迎です。

荒らしなどはやめてください。

文才ないですが、
それでもOKな方はどうぞ、よんでください。

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Re: 人間なんて、大嫌い ( No.9 )
日時: 2012/11/10 17:27
名前: 凛 ◆DsGFCj9jkQ

秋の話に返す言葉が見つからなかった。秋は夏香を殺したのだ。夏香を殺して、親さえもだましたのだ。そして、私も聞いてしまったからにはこの事件に関わることになるだろう。

「秋‥‥‥‥これからどうするの?」

「真奈の家に行く」

「同じことはなすの?」

「‥‥‥‥‥まさか、話すのはたよれる人だけ。沙弥香は私の親友だもん」

親友と言葉を聞くと、胸を締め付けられるようなかんじがした。うれしいという気持ちがあふれ出た。もちろん私も秋のことを親友だと思っている。同じように辛い毎日を過ごしてきたのだ。だから、秋のことだけは何があっても裏切らない。

「わかった、行こう!」

私たちはまた走った。秋は靴ひもがほどけていることに気がついたようだが、そんなことは気にもせず、ただ走った。真奈の家はすごく大きい。3階建てで、敷地は普通の家の4倍ほどある。

「真奈、夏香のこと知ってるかな?」

「わからない、でも。行くしかない」

「‥‥‥‥‥‥‥うん」

「あら?秋ちゃんと沙弥香ちゃん。どうしたの?」

声をかけたのは真奈の母親だった。とてもやさしそうな人、実際にやさしいらしいその人は、秋を見て驚いた顔を見せた。秋は泣いていたのだ。涙を目に溜め込んで、すごく悲しそうな顔をしていた。

「どうしたの秋ちゃん!」

「夏香が、夏香が!」

「夏香ちゃんがどうかしたの?」

おばさんはあたふたしていた。私は秋のやっていることがわかった。怪しまれないためだ。まわりには私たちのいじめを気づかせないために、秋と私と真奈と夏香は仲がいいということにしている。夏香が死んで、真奈にそれを伝えにきたと思わせたいのだろう。しかし、いつ見ても完璧なうそ泣きだ。

「夏香が‥‥‥‥‥自殺しました」

私がうつむいて言うと、おばさんは持っていたかばんを地面に落としてしまった。秋は顔を上げると声を上げて泣いた。

「‥‥‥うああぁぁぁぁぁ‥‥‥‥‥‥‥な‥‥夏香!‥‥‥‥夏香が‥‥‥‥‥うああぁぁぁん‥‥‥‥‥」

「秋、落ち着いて」

「でも、夏香‥‥‥‥‥‥なんで!?な、なんでなの‥‥‥」

秋はずっと泣いた。目をまっ赤にして、うずくまって。おばさんはわたしたちをリビングへつれて行くとあたたかい紅茶を出してくれた。私は紅茶を一口飲むと秋に視線を向けた。秋はゆっくり紅茶を飲んでいた。その横顔はとても悲しそうだった。

「秋、沙弥香。どうしたの?」

「真奈‥‥‥‥‥」

真奈はソファーに座ると、出されていたクッキーをのんきに口に運んだ。まだ知らないのだろう。

「‥‥‥‥‥」

秋はまた泣き出した。何度も涙をふいた服のそでは、びしょびしょになってしまっていた。私は秋がしゃべれなさそうなのを見て、真奈に伝えた。

「あのね。夏香が、死んだの」

「え‥‥‥‥?」

真奈はクッキーを取ろうとした手を動かすことなく、かたまってしまった。私は秋の背中をさすった。秋は真奈のお母さんがいないことを確認してから、真剣な顔になった。

「聞いて、真奈。これは親友の真奈にだから話すの。夏香は自殺した、遺書を残して。その遺書にはいじめのことが書かれていたの、でも私たちの名前はでてなかったみたい。だから、いじめのことは黙っててほしいの。真奈だっていじめをしてたなんてみんなにバレたくないでしょ?」

「うん。わかった」

真奈はうなずいた。私たちは真奈の家をあとにした。帰り道、私は秋に話しかけた。

「ねぇ。遺書って、前に書いたのだから私たちのこと書いてないでしょ?」

「あたりまえじゃん。でも、ああ言わないと真奈、母親に言いそうだし」

秋はそう言って笑った。さっきまでの涙はどこかへ消えてしまっていた。私は秋と一緒に笑った。

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