大人オリジナル小説
- 触れられなくなった君へ……【R18・BL】
- 日時: 2019/08/16 16:25
- 名前: 椛 ◆kGPnsPzdKU
どうも、椛(もみじ)と言います。
普段は違う名前で活動してます。(トリップ付けてるので分かると思いますが)
今回、初めて個人で小説を書きます。
至らぬ点があると思いますが、宜しくお願いします。
今回のお話は一途な男子高校性×ある事がきっかけでトラウマから人に触れられる事が無理になる恋人です。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
※感想を貰えたら嬉しいです。感想を送る際はこのスレではなく、雑談掲示板の方でスレを立てるのでそちらにお願いします。
※更新が不定期かもしれません。すみません。
※R18です。
- Re: 触れられなくなった君へ……【オリジナルBL】 ( No.2 )
- 日時: 2019/08/15 02:19
- 名前: 椛 ◆kGPnsPzdKU
第一話 「後悔」
青く、綺麗な空が広がる。
小鳥たちも元気そうに今日も鳴いている。
そんな晴天のなか、上村皐月(うえむらさつき)は目を覚ました。
ベッド脇に置いてあったスマホを手にし、時間を確認する。
時間は7時。そろそろ準備しないと学校に遅れる。
まだ眠い気もしたが、そんな身体に鞭を打ってベッドから出る。
部屋着から制服へ着替えると、皐月は部屋を出て一階へ下りる。
「あら、起きたの。おはよう」
母は丁度仕事に行く時なのだろう、忙しくしながらも皐月に挨拶した。
「朝御飯は用意しているから。行ってきます」と言えばそそくさと家を出る。
皐月はそんな母を見送り、顔や歯を磨いて食卓へ向かい席に着いて朝食を食べる。
皐月の家は母と皐月のみの二人家族だ。
父の浮気により数年前に離婚し、そこからずっと二人だ。
最初の頃は寂しさもあったが、今はもう何も感じない。
それに、今は、そんな寂しささえも埋めてくれる恋人がいる。
その名は榎本尚人(えのもとなおと)、同級生の男子だ。
彼は運動はいまいちだが、勉強は出来る。そして可愛い。ひたすら可愛い。
ずっと見ていたいぐらいだ。本当に癒される。
と、これ以上彼の事を考えてしまうと止まらなくなるからこの辺にしておこう。
朝食を食べ終われば席を立ち、食器を洗う。
一通り準備を整えれば、「行ってきます」と誰もいない部屋に一言言い、家を出た。
皐月の通う高校はここから30分ぐらいの場所にある。
なので、もう少し出る時間を遅らせても問題ないのだが、皐月には狙いがある。それは……
「あ、皐月くん!おはよう」
「おぉ、尚人。おはよ」
後ろから声を掛けてきたのは先程話しかけてきた恋人の尚人。
この時間に家を出れば、尚人と一緒に登校できるのだ。
だから、皐月は毎朝ちゃんと早起きをしている。
「ねぇ、皐月くん。今日の小テストの勉強、した?」
「うん、まぁ、一応」
尚人の問いに皐月はやや濁らせ気味で答える。
その様子に彼は気付いたのか、すぐに「嘘だね」と指摘する。
「もう、昨日ちゃんとLINEしたじゃん」
「ごめんって、ちょっとゲームが良い所でさ……」
皐月が言い訳を口にすると、「言い訳は要りません」と尚人ははっきりと言う。
本当、彼には敵わない。
そんな他愛のない会話をしながら二人は登校道を歩く。
真面目な尚人と正反対な皐月。
この二人がどうして恋人なのか、周りは理解していないがそんなのどうでもいい。
皐月は尚人が好きで、尚人も皐月が好き。
それだけで、二人の気持ちは満たされているのだから。