大人オリジナル小説

触れられなくなった君へ……【R18・BL】
日時: 2019/08/16 16:25
名前: 椛 ◆kGPnsPzdKU

どうも、椛(もみじ)と言います。
普段は違う名前で活動してます。(トリップ付けてるので分かると思いますが)
今回、初めて個人で小説を書きます。
至らぬ点があると思いますが、宜しくお願いします。

今回のお話は一途な男子高校性×ある事がきっかけでトラウマから人に触れられる事が無理になる恋人です。
最後まで読んで頂けたら幸いです。

※感想を貰えたら嬉しいです。感想を送る際はこのスレではなく、雑談掲示板の方でスレを立てるのでそちらにお願いします。

※更新が不定期かもしれません。すみません。

※R18です。

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Re: 触れられなくなった君へ……【オリジナルBL】 ( No.3 )
日時: 2019/08/15 19:15
名前: 椛 ◆kGPnsPzdKU


学校にて、午前の授業が終わると皆はそれぞれ昼休みに入る。
皐月と尚人は二人で食べることはなく、友人も交えて昼食を取っていた。

「うわっ、尚人の弁当旨そう……」

「良かったら、何か食べる?」

皐月の友人の卓也(たくや)が旨そうと言えば、尚人は笑顔を向けて言う。
その言葉を聞き、卓也は瞳を輝かせ「良いのか!?」というとおかずに箸を伸ばす。
尚人の弁当はいつも手作りらしい。自分で作るのは楽しいから作っているそうだ。
出来栄えはそこらにいる料理上手な女子と、そんなに変わりはないだろう。
これも、尚人の良いところだ。

「皐月くんも、食べる?」

「お、食う」

いつも買い弁の皐月にも、こうして彼は弁当を分けてくれる。
それに、友人たちも優しい人ばかり。皐月の周りは恵まれているなと心から思える。

「あ、そういえばさ、また出たんだって」

そう卓也が言えば、自然と箸が止まる。
皐月と尚人は顔を見合せ「何が?」と問い掛けた。
その様子を見た卓也は溜め息を吐いてから、口を開いた。

「ほら、連続レイ.プ犯。男も女も襲う変態だよ」

卓也の言葉に皐月は「あー」と思い出したかのような声を出す。
卓也が口にしたのはここ数ヵ月間の間で騒がれている事件だ。
高校生が性的暴行に巻き込まれている、という内容だ。
騒がれた当初は被害が毎日のようにその被害があったが、今となっては特定されるのが怖くなったのか、一ヶ月に出るか出ないかだ。
犯人は何の痕跡も残さないほどの常習犯で、警察も頭を抱えているらしい。

「……そんなに欲求不満なのかな……?」

尚人がふと呟く。
まぁ、確かに欲求不満というのが犯行動機というのもありえる。
だが、犯人はただ犯しているのではない。
被害者に何かしらの精神的ダメージを与えているのだ。それだから、被害者も犯人について聞かれると何も話さない。結果、犯人についての手がかりがない。

「まぁ、そうだろ。恋人もいない悲しいおっさんの犯行だろうな」

卓也がそう言って最後のパンを口に放る。
そういえば、どうして彼はこんな話題を口にしたのだろうか。

「おい、卓也。何でそんな話題いきなり言うんだよ。俺たちには関係ないだろ」

「……いや、あるかもよ?主に尚人が」

卓也は指を指しながら言う。
指された本人は僕?というように小首を傾げていた。

「だって、尚人可愛いだろ?だから、あまり一人にすんなよって忠告」

「はっ、余計なお世話だよ。だって、俺、尚人を守れる自信あるし」

皐月がそう言い返すと卓也は少し苦い表情を浮かべる。
自分自身でもこの自信は何処から湧いてくるのか、謎だ。

「はぁ……だってよ、尚人。良かったなぁ、頼れる恋人がいて」

「お前、何だよその言い方」

何だか彼の言い方に悪意を感じ、皐月は睨む。
絶対頼れるとか思ってないだろ、こいつ。

「うん。皐月くんがいれば、僕も安心だよ」

そう尚人は口にすると笑みを浮かべる。
その言葉を聞いた皐月は嬉しそうな表情を浮かべた後に、任せろと胸を張って見せる。
卓也は隣で呆れたような顔をし、「頑張れー」と薄い反応を見せた。
丁度そこで、昼休みを終えるチャイムが鳴る。
次の授業は移動のため、急がなくては。
昼の片付けを済ませば、三人は次の授業への準備を行い教室に向かった。

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