大人オリジナル小説
- 触れられなくなった君へ……【R18・BL】
- 日時: 2019/08/16 16:25
- 名前: 椛 ◆kGPnsPzdKU
どうも、椛(もみじ)と言います。
普段は違う名前で活動してます。(トリップ付けてるので分かると思いますが)
今回、初めて個人で小説を書きます。
至らぬ点があると思いますが、宜しくお願いします。
今回のお話は一途な男子高校性×ある事がきっかけでトラウマから人に触れられる事が無理になる恋人です。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
※感想を貰えたら嬉しいです。感想を送る際はこのスレではなく、雑談掲示板の方でスレを立てるのでそちらにお願いします。
※更新が不定期かもしれません。すみません。
※R18です。
- Re: 触れられなくなった君へ……【R18・BL】 ( No.8 )
- 日時: 2019/08/21 00:39
- 名前: 椛 ◆kGPnsPzdKU
※今回のお話には軽い暴力表現があります。苦手な方はこのレスは飛ばしても問題ないかと思いますので、ご注意ください。
皐月の家を急いで出た尚人は、一人で駅を目指して歩いていく。
彼の家から駅はそう遠くないため、もう少しで着くだろう。
それにしても、この辺りは少々街灯が少ない気がする。
この時間になると外は暗いし、早めに帰ろう。
そう思えば尚人は歩くスピードを少し速める。
すると、ある路地裏から声が聞こえた気がした。
「うぅ……」
「え……?」
呻き声にも聞こえるその声の方へと視線を向ければ、そこには男が一人、蹲っていた。
何やら苦しそうだ。助けなければ。
お人好しの尚人は、男性を放っておく事は出来なかった。
「大丈夫ですか?どこか痛いんですか?」
男性が蹲る路地に入っていき、男性の背後まで近付けば自身も屈んで背中を擦る。
もしかしたらただの酔っ払いかもしれないが、体調が悪いのならばどうにかしなければ。
此方の言葉の返答はすぐには来なかった。
男性はただ呻き声を上げているだけだ。
「ど、どうしよう……」
尚人はどうしたものかと頭を抱える。
すると、漸く男性が口を開いた。
「……少し、身体に、熱が籠っていて……助けて、くれないか……?」
熱?この人はどうやら熱があるみたいだ。
そんな体調なのにどうしてこんな場所にいるんだと疑問に思ったが、出掛けているうちに体調が悪化したのかもしれないと軽く流した。
助けてくれ、という男性に尚人は返事する。
「はい。僕に出来る事なら何でもします」
とりあえず病院に連れていかなければ。いや、その前に水分補給をさせよう。
確か、まだ口を付けていない飲み物があったはずだ。
尚人はそう思い、鞄の中を漁る。
男性は尚人の返答を聞けば、ニヤリと不気味な笑みを浮かべた。
勿論、その笑みは尚人には見えていない。
「良かった……助かるよ……」
男性はそう言うと、フラりと立ち上がった。
その様子に気付いた尚人は「大丈夫なんですか?」と問い掛けながら首を傾げる。
初めて男性の顔を見たが、その半分以上はサングラスやマスクで覆われている。
「……他人の心配より、自分の心配をした方が良いんじゃないか?」
「え……?ッ!?」
男性の言葉の意味を理解する前に、男は尚人の腕を引っ張り路地裏の奥へ投げ入れる。
ドサッ!という大きな音が鳴る。どうやら尚人が投げ入れられ、落とされた場所にはごみ袋が積み重なっているようだ。
それでも痛みは多少あり、「痛……」と尚人は呟く。
それにしても、この状況は、不味いのではないか?
尚人が恐る恐る目線を上に上げれば、先程の男性が元気よく立っており不気味な笑みを浮かべていた。
「ぁ、あ……」
「駄目だよ、坊や。見知らぬ人に簡単に近付いちゃ……」
尚人は恐怖のあまり声を出そうとしても出せなかった。
逃げ出そうにも、ここは狭い路地裏。目の前には男性。逃げ道なんてない。
尚人が恐怖に怯えていると、男性は耳元で囁く。
「さっき、言ったよね?熱が籠っているんだって。その時君、何でもしますって言ってくれたよね?」
そう言いながら男性は尚人の身体に触れていく。
触れられた箇所から悪寒が走るのが分かる。
違う。皐月くんと、違う……
初めて皐月以外の男性に身体を触れられた尚人は気持ち悪くて仕方なかった。
抵抗したい。だが、上手く身体が動かない。
「あれ?震えちゃってるね。大丈夫、大人しくしとけば痛いようにはしないよ」
「ゃ、やだ……皐月、くん……」
「ん?皐月?あ、もしかしてお友達?それとも……恋人かな?」
男はとても楽しそうにしている。
身体を撫でていた手が尚人が来ているワイシャツの釦に掛かる。
するとゆっくりと、一つ一つ丁寧に外していく。
「いや!だ、誰か、助け……んぐっ!」
必死の思いで声を出してみたが、すぐに男によって塞がれた。
口を塞いでいる手の力は強く、此方の力では振りほどく事は出来ない。
「抵抗しないでって言ったよね?……言うこと聞けない子には、お仕置きが必要だね」
男は尚人の衣服を剥ぎ取ると、自身のモノを取り出す。
尚人の口には声を出せないように布のような物を咥えさせている。
興奮している男性器は、大きく張り詰めている。
その凶器的なモノを見て、尚人は目尻に涙を浮かべながら首を左右に小刻みに振る。
そんな様子を見ても、男は容赦ない。
尚人の身体を後ろにひっくり返すと後孔にモノを宛がった。
「んー!んんー!」
「大人しくしろって、言ってるだろがッ!」
男は声を荒げると、尚人の後孔に勢いよくモノを突き入れる。
先程皐月との行為の時に使った後孔は少しだけ解れているが、無理矢理肉壁を押し開かれ痛みが走る。
激しく肌と肌が打ち付け合う音が路地裏に響く。
この音で誰かが気付けば幸運。だが、そんな幸運なんて来るのだろうか。
「ん”!んぅ……!」
「あー、良いわ。やっぱり男子高校生の中は最高だなぁ!」
尚人の瞳からは涙が伝う。
誰か助けて、と心では何度も叫んでいるのに声に出すことは出来ない。
そんな絶望的な状況に、尚人の心は徐々に壊れていく。
「お?泣いてるのか?泣くなって、気持ちいいだろ?」
「んん”っ!」
奥に突き入れながら、男は尚人の髪を鷲掴みし顔を上げさせる。
痛い。全然、気持ち良くなんかないっ……
そんな気持ちを表すかのように、尚人は首を横に振る。
その様子が気に入らなかったのか、男の表情が変わった。
先程の笑みはどこかへ消え、獣のような目で尚人を見下ろす。
「ちっ、仕方ねぇ。じゃ、これ使いますか」
「……?ッ!」
男はポケットから小さな瓶と注射器を取り出した。
小さな瓶には錠剤が何粒も入っていて、注射器には怪しい液体が入っていた。
それを見た尚人はヤバいと感じ、必死に身体を動かす。
だが、それも簡単に制止されてしまう。
「大丈夫、怖くねぇって。ただ気持ち良くなるだけだっつの」
男は錠剤を何粒か手に取ると、尚人に咥えさせていた布のような物を一度取り、彼の鼻を摘まんだ。
鼻からの呼吸が出来なくなった尚人は自然と口が開いてしまう。
その隙を狙い、男は尚人の口の中に錠剤を入れ込んだ。
尚人は吐き出してしまおうと思ったが、水を無理矢理流し込まれ呑み込んでしまった。
「げほっ!ごほっごほっ!!」
「じゃ、次は注射ねー」
男は噎せ返る尚人を無視し、彼の項辺りに注射する。
チクッとした感覚に身体が震える。
「ぁ、ぁ……」
「よし、これで感じるようにはなるでしょ」
もう一度口に布のような物を咥えさせ、男は行為を再開する。
すると、男が動く度に恐ろしいほどの快楽が襲いかかった。
体験したことのないような大きな快楽。それに反応した身体はガクガクと震える。
「ん、んぅ……!」
「お、感じてきたねぇ。やっぱ即効性は良いよなぁ」
男が何やら話しているが、もう尚人には聞こえない。
次々と襲いくる快楽に、もう耐えきれずイきたいと感じてしまう。
こんなの可笑しい、そうは思っても身体は素直に反応する。
気付けば尚人の身体も自ら腰を振り、快楽を求めている。
「くっ……一回出すからなッ」
「ん!ぁ……」
男の熱い白濁液が吐き出されれば、それと同時に尚人も果てる。
尚人から吐き出された白濁液は下敷きになっているごみ袋に落ちていく。
一度の行為で過剰に身体が反応してしまい、疲労が酷い。
今すぐ眠りたい、早く、帰りたい……
しかし、それを男は許すはずなかった。
「さぁ、お楽しみはこれからだ。薬はまだこんなに残っているからな」
「ぁ……」
男の言葉は今の尚人には絶望しか与えない。
視界が涙で霞む。尚人の瞳には光が無くなっている。
会いたい、彼に。脳裏にはいつも優しい彼が浮かぶ。
助けて、皐月くん……
そう思っても、与えられるのは見知らぬ男からの快楽のみであった。
* * *
あれから、どれくらい時間が経ったのだろう。
男に何度もイかされ、またもう一回やられる。
薬が切れればまた飲まされて、またされる。
そんな地獄のような時間から、どれくらい経ったのだろう。
身体にはあの男の白濁液がそこらじゅうに付いていて、気持ち悪い。
早く帰って、身体を洗いたい。
でも、何でだろう。今はとにかく眠い。
このまま眠ってしまいたい。ちゃんと、起きることは出来るかな……
そこまで思考を巡らせた尚人は、ゆっくりと瞼を閉じていく。
その瞳からは一筋の、涙が伝った。