大人オリジナル小説
- だって、だって、だって、
- 日時: 2011/01/03 23:08
- 名前: らり
みなさん、こんにちは。
らりと申します。
今回は、社会問題系、初です!!
がんばってかくので、応援お願いします^^
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- Re: だって、だって、だって、 ( No.3 )
- 日時: 2011/01/03 23:57
- 名前: らり
「お姉ちゃん、遅いね」
「傘を忘れていったからね。きっとコンビニでも寄ってるのよ」
ふふ、と小さく笑った、ソレが最後だった。
電話が鳴る。
お母さんが、きっとお姉ちゃんね、なんて笑って出る。
お母さんの顔が青ざめていく。
あたしも、何かあったんだと気づく。
お姉ちゃんが死んだことを知る。
この5つの動作で、今後のあたしたちの関係、状況、心、全てが変化した。
もちろん、とてもとても悪い方へ。
「確認をお願いします」
警察の、冷たい声に導かれ、あたしとお母さんはお姉ちゃんらしきものに近寄った。
「コレが、お姉ちゃんなの?」
「・・・そうよ」
「嘘だよ、嘘だよね!驚かそうっていう作戦でしょ?」
一瞬明るく振舞ったあたしは、お母さんのその瞳を見て思い知らされたのだ。その、哀しく揺れるナミダを必死で堪え続ける、お母さんの瞳に。
「・・・そっか。死んじゃったんだ、お姉ちゃん」
あまりにあっさりしたあたしの言葉に、お母さんはちょっと驚いたようだった。
お姉ちゃんの手は、酷く冷たかった。
「あ、妹さん・・・かな?」
扉を開けて入ってきたのは、スーツをきた、眼鏡の若い女の人。
「・・・」
あたしは無言で頷く。
どうせ警察なんて、みんな他人事だとおもってるんだ。この人だって、そうに決まってる。憎い・・・お姉ちゃんなのに。死んだのは、あたしのお姉ちゃんなのに・・・!
「ちょっとこっちに来てくれる?」
「はい」
その後、無言で部屋を出て、無言で廊下を歩いて、無言で別の部屋に入った。
そして、やっと女の人は口を開いた。
「今日、誕生日だったんだってね」
「なんで・・・知って・・」
「あなたのお姉さんね、亡くなったとき、紙袋を持っていたの。中身が何かなんて分からなかったから、勝手に中を見てしまったことを謝るわ。ごめんなさい」
どういうことだろう。お姉ちゃんが持っていた紙袋に、何が・・・
その紙袋の中を見たとき、最後のお姉ちゃんの言葉が浮かんできた。
「帰り、いいもの買ってきてあげるからね」
いいものって、まさかこれ?
こんなものを買ったために、お姉ちゃんは死んだの・・・?
あたしのせい。あたしのせい。あたしの・・・あたしの・・・!
「あなたに、1つだけ言っておく事があるわ」
紙袋を見て固まったままのあたしに、女の人は言った。
「自分のせいだ、なんて、自分自身を責めたりしないでね」
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