大人オリジナル小説
- だって、だって、だって、
- 日時: 2011/01/03 23:08
- 名前: らり
みなさん、こんにちは。
らりと申します。
今回は、社会問題系、初です!!
がんばってかくので、応援お願いします^^
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- Re: だって、だって、だって、 ( No.28 )
- 日時: 2011/04/01 10:53
- 名前: らり
「お姉ちゃん・・」
お姉ちゃんのお墓の前、あたしは声を殺してないた。
別に、泣くつもりはなかった。
けど、とまんなかった。
何回目をこすっても、しょっぱい涙がこぼれてくる。不思議な感覚だった。
涙が、あたしの意思と関係なく勝手に流れているような、へんな感覚。
「じゃあね」
・・・行ってきます、は言わなかった。
あたしの、嫌いな言葉。
家を出るときは、言わなきゃお母さんに怒られるから、義務みたいな感じで言ってる。
でも、やっぱり使いたくなかった。
お姉ちゃんの、最後の言葉だから。
「秋、おはよ」
お墓を出て、通学路を歩いていると、友達がいた。
「あ、おはよう」
あたしは、さっきまでの涙を無理やり押し込めて笑った。
それから2人で学校にいった。
学校は、楽しかった。
お母さんがいない。自由に行動できる。笑っていられる。
・・・あたしが、ほんとうに笑っていられる場所だったから。
「ただい」
「遅い!」
家に帰るなり、お母さんが玄関で怒鳴った。
顔が真っ赤で、変なにおいがしてて、今日もいっぱいお酒を飲んだんだと思った。
「おい、クソガキ。酒かって来いよ」
お母さんは、ふらふらしながらあたしを睨んだ。
「でもっ、」
「買えなきゃ盗ってこい」
そして、信じられない言葉を発した。
「え・・?」
「めんどくせぇ時代になったな、日本も。ガキにはお酒買わせませんよーってか」
お母さんの左手には、からっぽの酒瓶。
「あぁ?んだよ、オラ!」
ふらふら、ふらふら、おぼつかない足元。
真っ赤になった顔。
何処を見ているのか分からない、うつろな瞳。
口からは、酒とタバコの混じったにおいがした。
これが、お母さん?あたしの、お母さん?
あの、優しかった・・・・
「さっさと酒もってこいや!」
お母さんは、左手にあった空の酒瓶であたしを殴った。
「あー、っと顔はまずいか」
一発目は、右の頬。赤くなって、ひりひりした。
二発目は、わき腹。どすっと鈍い音がして、息が出来なくなった。
苦しむあたしを見たお母さんは、笑っていた。
ぞっとした。
なにもかも、全部が・・・壊れてなくなってしまうような。
冷たいかんじ。
「あっははははは!おっかしー」
お母さんは腹を抱えて笑う。
あたしは腹を抑えて苦しむ。
これは何だろう?
まるで地獄に落ちたみたいだ。
「あんたは、一生そうやって苦しんで生きていけばいいのよ!
春の分もね!あはははははは!」
玄関に、お母さんの笑い声だけがいつまでも響いていた。
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