大人オリジナル小説
- 〜格差ライフ〜
- 日時: 2012/07/20 16:06
- 名前: 水玉シュシュ♪
「わあっ、何コレかわいーっ!!」
「CMで見たことあるーっ!!」
今日も仲川さんの周りにはたくさん女子が集まっている。
私はそこをじっと見つめる。
どうやら今日は---------
「校則オッケーのマスカラよ。試供品でよければどうぞ」
昨日はリップ。一昨日はマニキュア・・・。
「いいの〜っ?!」
「ありがと〜〜〜っ」
仲川さんのお母さんは化粧品会社の部長を務めている。
だから、最近のコスメグッズは何でも持っている。
そのうえきれいで頭もいいからいつもみんなの注目の的。
仲川さんの周りにはいつも人が集まって、キラキラ輝いて見える。
それに比べて私は・・・
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- Re: 〜格差ライフ〜 ( No.22 )
- 日時: 2012/08/13 17:11
- 名前: 水玉シュシュ♪
莉央がゆっくりと振り向いた。
「・・・・?」
首をかしげてこっちを見つめる莉央。
(ああもう私ったら!!!どうしよう・・・?!)
別に、言いたいことなどなかった。
だけど、去ってゆく莉央のうしろ姿を見て、つい呼んでしまった。
莉央の名前を。
呼ばなきゃ、もう帰ってこないような気がして。
「あ・・・えっと・・・」
いうこともなく途方に暮れていると、放送が入った。
『間もなく校門を閉めます。まだ校内に残っている生徒は速やかに下校して-----------』
放送が終わり、教室内はまた静まりかえった。
時計の針の音と、外で話す人たちの声だけが聞こえる。
カチコチ、カチコチ、カチコチ、カチコチ・・・・
どれくらいそうしていただろう。
私は、莉央に声をかけられるまで突っ立っていた。
「もう校門しまるよ?帰んないの?」
「・・・あ。うん、帰る・・」
どちらから誘うでもなく、一緒に教室を出た。
「・・・・」
「・・・・」
下駄箱までの距離が長く感じる。
駅までは-----------
一人で帰ろう。
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