大人オリジナル小説
- 〜格差ライフ〜
- 日時: 2012/07/20 16:06
- 名前: 水玉シュシュ♪
「わあっ、何コレかわいーっ!!」
「CMで見たことあるーっ!!」
今日も仲川さんの周りにはたくさん女子が集まっている。
私はそこをじっと見つめる。
どうやら今日は---------
「校則オッケーのマスカラよ。試供品でよければどうぞ」
昨日はリップ。一昨日はマニキュア・・・。
「いいの〜っ?!」
「ありがと〜〜〜っ」
仲川さんのお母さんは化粧品会社の部長を務めている。
だから、最近のコスメグッズは何でも持っている。
そのうえきれいで頭もいいからいつもみんなの注目の的。
仲川さんの周りにはいつも人が集まって、キラキラ輝いて見える。
それに比べて私は・・・
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- Re: 〜格差ライフ〜 ( No.9 )
- 日時: 2012/08/06 17:10
- 名前: 水玉シュシュ♪
駅に着いたら、昨日仲川さんと待ち合わせた電車に乗り込む。
いつもより1本遅い電車だから、見知らぬ人だらけ。
あと3駅で仲川さんが乗ってくる・・・。
そんなことを考えながら、私は携帯を取り出した。
昨夜、莉央に送ったメールを見返す。
『明日はいつもと違う電車に乗るのから、先に学校行ってて下さい♪』
返信は今朝来ていた。
『了解』
たった一言だった。
おもわず仲川さんのデコレーションメールと比べて、もう、と自分を叱る。
ただの思い過ごしかもしれないけど、莉央と仲川さんの間には、何か、壁があるように見える。
キレイでかしこい、化粧品会社に勤める母を持つ仲川さん。
同じくキレイでかしこい、でもクールでそっけない莉央。
・・・・何だか莉央を批判するみたいになっちゃったけど。
『七海、どうしたいの?』
莉央の問いに目をそらした私は卑怯ですか?
私はいったいどうしたいんだろう?
どっちと一緒にいたいんだろう?
「間もなく、○○駅ー、○○駅ー」
車内にアナウンスが響き、電車の扉が開く。
私がいったいどうしたいのか、本当は心の中では決まってたと思う。
「仲川さん、おはよう!!」
こんな私は、やっぱり卑怯・・・ですよね。
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