大人オリジナル小説
- 〜格差ライフ〜
- 日時: 2012/07/20 16:06
- 名前: 水玉シュシュ♪
「わあっ、何コレかわいーっ!!」
「CMで見たことあるーっ!!」
今日も仲川さんの周りにはたくさん女子が集まっている。
私はそこをじっと見つめる。
どうやら今日は---------
「校則オッケーのマスカラよ。試供品でよければどうぞ」
昨日はリップ。一昨日はマニキュア・・・。
「いいの〜っ?!」
「ありがと〜〜〜っ」
仲川さんのお母さんは化粧品会社の部長を務めている。
だから、最近のコスメグッズは何でも持っている。
そのうえきれいで頭もいいからいつもみんなの注目の的。
仲川さんの周りにはいつも人が集まって、キラキラ輝いて見える。
それに比べて私は・・・
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- Re: 〜格差ライフ〜 ( No.12 )
- 日時: 2012/08/06 18:26
- 名前: 水玉シュシュ♪
それから四時間、授業の内容は何も頭に入ってこなかった。
ずっと、あの女の子の提案のことで、頭がいっぱいだった。
そして、四時間目の終わりを告げるチャイムが鳴った瞬間、私は先生と礼をするのも忘れて、トイレへかけ出した。
* * *
「も〜っ、真紀ったらそんなに笑わないでよぉ〜」
トイレに私の声とみんなの笑い声が響く。
「ごめんごめん。でも先生と挨拶せずにトイレに向かってダッシュだもの」
「あのあと先生『あの生徒はよほどトイレを我慢してたのかな?』なんて言ってたよ〜!」
沙織の一声で、また皆がドッと笑う。
ああ、恥ずかしい。
顔が、耳まで赤くなる。
「それは、その提案の内容が気になって・・・」
私が言うと、今朝の女の子が真顔になって皆を見る。
皆といっても、ここに莉央はいないけど。
「私ね、・・・ちょっと言いにくいんだけど、最近、莉央が生意気だって思うの」
ヒヤリとした。背中に氷を入れられたような気がした。
サイキンリオガナマイキ・・・・。
私が呆然としてる間にも、話はどんどん進んでいた。
そして、気づいたら、莉央をいじめて懲らしめようという結論がでていた。
ある女の子が、一人一人にいいよね?と聞いている。
皆首を縦に振ったり、いいよーと答えたりしている。
ついに最後は私の番。
「七海ちゃんも、一緒に莉央を懲らしめるよね?」
「・・・・・!」
・・・・・・・・・。
すぐに答えない私に、その子は言った。
「もちろんやるよね?だって、莉央が嫌で仲川ちゃんのグループに入ったんでしょ?」
その一言で、私の中で何かがはじけた。
自分でも驚くような冷たい声で、返事していた。
「いいよ。やっちゃおう」
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