大人オリジナル小説
- 〜格差ライフ〜
- 日時: 2012/07/20 16:06
- 名前: 水玉シュシュ♪
「わあっ、何コレかわいーっ!!」
「CMで見たことあるーっ!!」
今日も仲川さんの周りにはたくさん女子が集まっている。
私はそこをじっと見つめる。
どうやら今日は---------
「校則オッケーのマスカラよ。試供品でよければどうぞ」
昨日はリップ。一昨日はマニキュア・・・。
「いいの〜っ?!」
「ありがと〜〜〜っ」
仲川さんのお母さんは化粧品会社の部長を務めている。
だから、最近のコスメグッズは何でも持っている。
そのうえきれいで頭もいいからいつもみんなの注目の的。
仲川さんの周りにはいつも人が集まって、キラキラ輝いて見える。
それに比べて私は・・・
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- Re: 〜格差ライフ〜 ( No.11 )
- 日時: 2012/08/06 18:04
- 名前: 水玉シュシュ♪
教室のドアを開けるのが、少し怖かった。
莉央に会うのが、嫌だった。
怒ってるかな、また何か言うのかな…。
でも、そんな不安を消し去るようなガラッという豪快な音を立てて、仲川さ・・・真紀がドアを開けた。
私の目は瞬間的に莉央を捕らえた。
莉央は、窓側にある一番後ろの自分の席で相変わらず本を読んでいた。
私も真紀達同様、自分の机にスクバをかけて、教室の隅っこにある“掃除道具入れ”という札がかかったロッカーの前で集まる。
ここで集まるのは真紀達だけではなく、クラスのほぼ全員の女子。
昨日までは莉央に「私達はあんなところ、行かないでおこうよ」と言われて、ただ見ているだけだったけど、今日は違う。
私もみんなの一員になれた・・・!
* * *
しばらく皆で話していると、ある女の子がそろそろいいかな、とつぶやき、声を潜めてこういった。
「あのさ、提案があるんだけど。・・・今じゃあ時間がないから、お昼休みに女子トイレに集まってくれない?」
ちょうどそのとき、1時間目の始まりを告げるチャイムが鳴った。
皆が足早に自分の席へ戻っていった。
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