大人オリジナル小説

昔書いた小説墓場〜1作品投下済み
日時: 2023/02/18 10:44
名前: htk

昔書いた小説の墓場です
まんまですね
草案に毛が生えた程度の未完作品が主な内容となっています

とある小説界の最下層には、作品になりきれなかった活字達の怨念が渦巻いているという
なので基本は投下してその後一切手を付ける事はきっとおそらく、今後何かの拍子に読み返してみて新たなインスピレーションが突然湧き出してこない限りは無いと思います
ぶっちゃけ他作品を手掛けている内に熱が失われてしまい、その後放置されていたという曰く付きの事故物件ならぬ、事故作品となっていますので扱いはくれぐれも慎重且つ丁寧に

尚、今後幾つ作品を投下するかは未定です
こうやってまた報われない作品が増えていくんですね



以下〜〜

〜〜魔女先輩は転移後即日死したおれを甦らせたい!?
(※12話投稿済み。言うまでもなく未完です)
>>1、目次

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Re: 昔書いた小説墓場 ( No.3 )
日時: 2023/02/18 11:18
名前: htk

プロローグ〜〜序幕、1話



 いつもと同じ、退屈な授業ーー。
ーー結局、後輩君に声を掛けなかった私は同じクラスのあの二人が居ない事を確認した。
 どうせまた、屋上でサボりだろう。
 異世界に転移する最後の日ぐらい、授業を受ければいいのにーー。
ーーそう思いつつの私は意外にも、今日この最後の日まで出席数はコンプリートしていた。
 本日のお日柄は秋も深まる二学期の半ば頃だ。
 文化祭も終え、紅葉も粗方散る季節だった。
 外国語の先生が耳に馴染まない言語をペラペラと流暢に喋っているが、下らない。
 欠伸を噛み殺したような声が時折聞こえてくるのは、文化的な軋轢から生じたせめてもの抵抗と見做すのは穿ち過ぎなのだろうかーー?
 幼少から慣れ親しんだ母国語に加え、いきなり中等部から外国語を学ぶ事に対しての違和感を感じてから、そのまま今日まできているのだろう。
 耳に馴染まない言語に慣れようと最初から聞き耳を立てていたかどうかーー。
ーーそれが運命の分かれ道だ。
 何となく気取っている気がして流暢に喋るのが鼻につくーー。
ーーそう思ってしまった私が授業についていけて無いのも、ある意味必然だったのだろう。
 何せ、こちとら異世界の記憶を持つ身の上だ。
 異なる言語を覚えるのに幼少の頃は必死に聞き耳を立てていた。
 幼児の頭というのは学習能力の権化らしく一度や二度聞いただけでこの世界の言葉を覚えられたりするが、ここにきてーー。
ーーこれはもう数年前の話になるが外国語の授業だ。
 はっきり言って、少々やってられないとは私も常々感じていた。
 カルチャーギャップというやつだ。
 こんなどうでも良い外来語は覚えても、いざ本場の流暢な会話となると馬の耳に念仏だった。
 これはペンですーーなんて、普通は言わないだろう?
 もしかしたら外国語でそれを言う機会はあるのかもしれないが、はっきり言ってそんな場面が人生において訪れるのかは疑わしい。
 必然、小学生の頃までは100点だったテストの点数も見る見る下がっていった。
 それまでこなせていた課題が満足にこなせないと知るに至り、同時に勉学への熱量も喪われていくーー。
ーーそう、よくある話なのだ。
 それまで私はこの耳馴れない言語の世界に馴染もうと努力し、ある程度は自分でも満足のいく結果を打ち出していた。
 ところがーー中等部に入るなり、裏切りの連続だ。
 先に挙げた外国語の件もそうだし、小学生までの自由闊達とした関係性が上下を意識したものとなり、先輩後輩と呼び分けるのが当たり前になっていくーー。
ーー大人になる為の準備だと、賢しげな大人達は言うのだろう。
 しかし私にとっては、異世界の記憶から続いての二度目だ。
 突然ハシゴを外されたような気がして、周囲に順応する気は無くなってしまった。
 半グレというやつだろう。
 別にあの二人のような不良でも無いし、かといって周囲と仲良く同調出来る程大人でも無い。
 だから私は、記憶の中にある異世界を探求した。
 既に中等部も終わり、高等部に入ってからの前世の記憶は薄れていたがそれでもーーある程度の成果を生み出す事は出来た。
 喚術陣と、異世界言語ーー。
ーー記憶の中の異なる世界とそっくり同じものかは分からなくても、数年の研鑽を経た私の研究成果はこの退屈な世界に新しい彩りを齎した。
 勿論、仲間内での話だ。
 これを公表すれば頭のおかしい人として後ろ指を指されるかもしれないとも思えたがーーこの世には、おかしな人達が山程居る。
 所謂、オタクとカテゴライズされる人達だ。
 私は一介のオタクを装った現代の魔女として、校内に闇サークルを創設したのが去年ーー高校一年生の時の出来事だった。
 そして、時は現在に至り、今日ーー。
ーー一学期に勧誘した後輩君達の尽力もあって、異世界転生する。
 そんな計画を頭の中で思い浮かべている内に、お昼休みになった。



 屋上だ。
 ペントハウスを背にだらしなく背を凭れているのは、肩で制服の上着を着る二年生ーー。
ーー眼帯ヤンキーこと、迦具土テツヲだろう。
 此処は元々先代の番長(死語?)からテツヲが一年生の時に奪った場所らしく、生徒ばかりか彼の威名を恐れた先生達も近付いてこない。
 だから、闇のサークルの活動拠点としては打って付けの場所だといえる。
 既に昨日描いた喚術陣は屋上目いっぱいに布かれていて、円が幾つも重ねられたその上に異世界言語が弧をなぞるように並んでいた。
 その屋上の端の方でシートが敷いてあるのは、オヤジ女子こと、ひよ子の固有スペースだろう。
 今日持ち込んだ漫画らしいのが重ねられていて、開けっ放しの袋が既に三つーー散らかされている。
 当の本人は、見当たらない。
 袋の中身の菓子本体は既に空のようだから、補充に行ったのだろう。
 ちょうどお昼時だし、いつもと変わらない。
 私が屋上の扉を開けたのに気付いたのかどうか、テツヲの横顔はこちら側が眼帯で窺えなかった。
 そしてーー。
ーー後ろから、階段を昇る足音が聴こえてくる。
 彼と、あともう一人ーー。
「あ、リン先輩!
おそよーございます」
「おそよーです
、、お菓子余ってます?」
ーー小柄ながらに堂々とシートに直行したのは、女子生徒だ。
 後輩君と同じクラスのーー。
「中身は空ね、サリアちゃん」
「、、ちっ
使えねー先輩ですね、約1名」
ーー彼女が揶揄したのは此処に居ないもう一人、ひよ子だろう。
 前垣沙梨亜ーー。
ーー後輩君と同じクラスでぱっと見はお淑やかな女の子だ。
 サラサラとした髪の毛は艶やかに光を照り返してくる黒で、そこらの燻んだ黒とは格が違う。
 薄く目立たないように化粧をした顔は素材そのものが一級品だ。
 だから、時々口から出てくる毒がその容姿と相反してタマラナイーーらしかった。
 曰く、男子達の口からヒソヒソと聞こえてくる品評にして、校内の闇の番付けでもある。
 一学期の内に同級生の男子半数が撃沈したとも噂され、それは私と同じ二年生男子も例外では無い。
 さすがにその想いを告げた人数は誇張としても、女子の私から見てもたまにドキリとする女の子だった。
 それからーー。
「いよいよ今日ですね、先輩
緊張するなぁ」
「そ、そうね……。
ヒ、ヒラ……後輩君」
ーーヒラト君、と呼ぼうとした。
 天ヶ嶺開人ーーそれが、ここ最近私を狂おしく悩ませる後輩君の名前だった。



>>4、次の話

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