大人オリジナル小説
- 昔書いた小説墓場〜1作品投下済み
- 日時: 2023/02/18 10:44
- 名前: htk
昔書いた小説の墓場です
まんまですね
草案に毛が生えた程度の未完作品が主な内容となっています
とある小説界の最下層には、作品になりきれなかった活字達の怨念が渦巻いているという
なので基本は投下してその後一切手を付ける事はきっとおそらく、今後何かの拍子に読み返してみて新たなインスピレーションが突然湧き出してこない限りは無いと思います
ぶっちゃけ他作品を手掛けている内に熱が失われてしまい、その後放置されていたという曰く付きの事故物件ならぬ、事故作品となっていますので扱いはくれぐれも慎重且つ丁寧に
尚、今後幾つ作品を投下するかは未定です
こうやってまた報われない作品が増えていくんですね
以下〜〜
〜〜魔女先輩は転移後即日死したおれを甦らせたい!?
(※12話投稿済み。言うまでもなく未完です)
>>1、目次
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- Re: 昔書いた小説墓場 ( No.12 )
- 日時: 2023/02/18 22:40
- 名前: htk
1章〜〜第1幕、5話
細かく刻んだ野菜と、やや水気の含んだ米に卵と塩を塗しただけのものだったがーー。
ーーそれはそれで、自然に囲まれた環境で食べたチャーハンはまた一味違った。
沙梨亜ちゃんは後輩君の手料理の品評を始めている。
「、、良いですか?天ヶ嶺君
チャーハンをパラパラにしようとして所々ムラがあるのは分かりますよね?」
「はい、前垣師匠!
どうしたら良かったでしょうか?」
「、、答えは卵
、、ですよ?」
「まさか、卵に何か秘密が?」
「、、そうです
、、刻んだ具を入れ、米と共に炒めた最後に天ヶ嶺君は溶き卵を投入しましたね?」
「はい、及ばずながら、、
おれにそれ以外の選択肢はありませんでした
どうしたら良かったのでしょうか?」
「、、最初が肝心です
、、一番初めに卵と暖かいご飯を混ぜ、具材に軽く火を通した後に丸ごと投入するんです」
「え、、?それだけで?」
「、、ええ
、、それだけでパラパラの美味しいチャーハンが作れますよ?
今度試してみて下さい」
「なるほど、今後の参考にさせて頂きます」
ーー師弟に扮した二人の談義は終わった。
普段どんな会話をしているのだろうーー?
ーーと気にならないでも無かったが、どうやら私が気にするような問題は無かったらしい。
何がーー?
ーーと訊かれると困ってしまうが男女の間ともなれば、もしもの場合はあるのだ。
沙梨亜ちゃんがテツヲに入れ込んでいるのは分かるが、ここは念の為ーーヒラト君の傾向をよく知る為にも聞き漏らすわけにはいかないだろうーー?
決して仲良さそうで嫉妬したとか、そういう話では無い。
単純な興味本位だ。
もっとも、私の話術でヒラト君との会話を弾ませるには長期に及ぶ研鑽が必要になりそうだがーー。
ーーそんな事を考えていると、お代わりを平らげたテツヲが口を開いた。
「でェ?
結局ここは異世界なのかそうじゃねェのか、どっちなんだァ?真島ァ」
「物証が少な過ぎるわね……。
これぐらいの森なら元居た世界にもあるでしょうし、仮にあの箒がプラーナの濃い場所でしか感応しないのだとしても……元居た世界でプラーナの濃い場所が無いとも限らないのだわ?」
ーー先程考えていた事をそのまま伝えた。
例えば、都会のプラーナは薄く、大自然の中でのプラーナは濃いという場合もあり得るかもしれない。
似たような事を考えていたらしく、沙梨亜ちゃんが言う。
「、、都会と田舎、ですかね?
でも、そもそもプラーナ自体私はまだよく分かりません」
「はい!前垣さんに同じく」
ーー後輩君も手を挙げ、大きく頷いた。
私も断片的な事しか思い出せないが、説明が必要だろう。
「……いい?プラーナっていうのは確か、前世で誰かから聞いた気がするのだけれども……。
プラーナは物体……というよりも、いいえ……。
……これは存在自体がそこに在ろうとする意思、何かが存在する確率とでも言おうものかしらね……?
……ごめんなさい
私もそれ以上はさっぱり分からないのだわ……?」
「でも先輩は、それで、、いやさっき
おれにアレしてなんか凄い力が湧いてきて、それで彼処から落下しなくて済んだんですよね?」
ーー薄っすらと赤くなる後輩君を見て、変に緊張してしまう。
「そ……そうよ?アレはほら……!?
……急場の判断で他に対処のしようが無かっただけで、決してやましい気持ちとかそんなつもりは……」
「語るに落ちたり、だなァ、、」
ーー別にさして興味も無さそうにテツヲが言った。
あの時は仕方無くーーという程では無かったが、本来なら一つの肉体内において循環させるべきプラーナを半ば強制的に、私が通力で後輩君に干渉する事で活力を与えたのだ。
それだけならば問題無い。
だが、物事にはどんな場合であっても見えない側面が存在する。
つまり、他者との通力の循環には様々な危険性や副作用を伴う場合があるらしく、そうした中では快感を催すものもあるらしくてーー。
ーー私が色々と言い訳を考えていると、眼帯ヤンキーはどうでも良さげに言う。
「まァ、気にすんな?
冗談だァ、、」
「、、っち!?
性格悪いですよ、テツ先輩」
ーー舌打ちした沙梨亜ちゃんが諌めた。
この極悪ヤンキーーー!?
ーーと思ったのを抑え、顔が赤らむのを感じながらも続ける。
「ともかくね……!?プラーナは使い方次第で非常に危険なものなのだから、あまり人に使うのはお薦め出来ないのだわ……!」
「それを使ってまで、リン先輩はおれを助けてくれたんですね、、
、、ありがとうございます」
ーー不意打ちだ。
別にお礼を言われたくてやったわけでも無かったから、むしろ自身の感情という名の欲求を優先した結果ーーなのだから、それを言われると違和感を感じてしまう。
私が後輩君にどう反応するべきかと考えていると、テツヲはやや物騒な笑みを浮かべる。
「っつう事はなァ?
オレらも修行したら人体にある秘孔を突いたりギャメバメ波を撃ったり出来るっつうんだな!?
最高じゃねェかァ!」
「、、ふっ
、、ギャメバメ波は撃てないと思いますよ?先輩
夢見てやがりますね、ふっ、、」
「んだとォ!?サリアてめェ、、
えェ、、?撃てねェの?マジで!?」
ーー私の視線に気付いたらしく、テツヲは若干残念じみた気配で言う
そんな事訊かれても、私も知らない。
「さあ……?
……通力解放で外気のプラーナに干渉出来れば似たような事は可能かもしれないのだけれども、ね?
知らないのだわ……?」
ーー理論上はおそらく、可能だろう。
しかし先程、この大魔女たる私をおちょくってくれた極悪ヤンキーにわざわざ教えてあげる道理は無いのだ。
それにもし、元居た世界の人気マンガを模したギャメバメ波を撃つなら、そこに至るまでに避けては通れない段階がある。
先は長い。
幾らこの極悪ヤンキーでも、容易には近付けない遥かな道程だろう。
私は夫婦漫才でもする趣きのテツヲと沙梨亜を意識の外に置き、ふとーーヒラト君と目線が合う。
「ま……これからよね、これから」
「そうですね
おれも頑張りますよ!」
ーー自然と口から出た言葉に、彼はいつものように応じた。
>>13、次の話
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