大人オリジナル小説

昔書いた小説墓場〜1作品投下済み
日時: 2023/02/18 10:44
名前: htk

昔書いた小説の墓場です
まんまですね
草案に毛が生えた程度の未完作品が主な内容となっています

とある小説界の最下層には、作品になりきれなかった活字達の怨念が渦巻いているという
なので基本は投下してその後一切手を付ける事はきっとおそらく、今後何かの拍子に読み返してみて新たなインスピレーションが突然湧き出してこない限りは無いと思います
ぶっちゃけ他作品を手掛けている内に熱が失われてしまい、その後放置されていたという曰く付きの事故物件ならぬ、事故作品となっていますので扱いはくれぐれも慎重且つ丁寧に

尚、今後幾つ作品を投下するかは未定です
こうやってまた報われない作品が増えていくんですね



以下〜〜

〜〜魔女先輩は転移後即日死したおれを甦らせたい!?
(※12話投稿済み。言うまでもなく未完です)
>>1、目次

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Re: 昔書いた小説墓場 ( No.11 )
日時: 2023/02/18 22:35
名前: htk

1章〜〜第1幕、4話



 一線を越えてしまったーー。
ーーこの場合、一線というのは肉体が介在したかどうかは関係ない。
 つまり、私と後輩君の間には既に見えない繋がりが出来てしまったのだーー。
ーー気恥ずかしさのあまり、彼の顔が見れない。
 向こうもどうやら同じ気持ちらしく、嬉し恥ずかしそうな反面ーーどこか申し訳無さそうに俯いている。
「せ、先輩、、
、、な、なんかごめんなさい」
「い……いいのよ?別に
わ……私だって後輩君に居なくなられたら、ほら……?
こ、困るじゃない……?」
ーー言って、しまったと思わないでも無かった。
 何故か気を利かせたらしいテツヲと沙梨亜ちゃんは居ないが、傍目から今の発言を聞けばーー遠回しな告白だろう。
 図らずも胸の内の一端を表してしまった私に対し、後輩君はーー意を決したように口を開く。
「おれ、実を言うと最初は遊び半分のつもりで参加したんです
リン先輩はおれ達一年生が入学した時から有名でしたから、、
はっきり言っちゃいますけど、頭のオカシイ変わった先輩が居るって、、」
ーーそうなのだ。
 私こと、真島リンの評判は我が母校において芳しく無かった。
 近隣に威名を轟かせる不良二人ーーテツヲとひよ子に上手く取り入って、何やら怪しげな活動をしてるとか、実はヤクがキメられてどうたらとかーー。
ーー私に纏わる噂はひょっとすると不良二人以上に出回っていて、他の生徒達からは気味悪く思われていたに違いない。
 そうした中で一学期に我が〈ワルプルギスの集い〉に入ってきた一年生二人がどんな理由だったとしても、それが僥倖だと思わなくてはならない程にーー。
ーー後輩君は包み隠さずに続ける。
「リン先輩には色んな噂話が付き纏ってましたからね
それを全部、おれは暴いてやろうと最初は思ってました
でも、違ったんです
真実は小説よりも奇なり、って言いますよね?
先輩方の活動に触れて、一つ一つ事実を確認して、リン先輩の記憶から得られた知識と現実の擦り合わせは思いの外、上手くいっているように見えました
その時おれは、既に夢中だったんです
〈ワルプルギスの集い〉の活動と、その、、」
ーー一瞬、彼は言い淀む。
 億したような気配を私は感じ取ったがそれもすぐ打ち消され、後輩君はーーヒラト君は真っ直ぐ見詰めてきた。
「リンさんに、、おれ、自分でもおかしいと思うんですけど、夢中なんです」
「あ……え?
あ、うん……ありがとう
……な、なんか、て……照れちゃうわね?嫌だわ……?
……ニヤけが止まらない……」
ーー顔が熱くなるのを感じ、両手で覆った。
 彼も少しぐらいは私に気があるかもと思っていたが、本当にーー。
ーー本当に今は顔が上げられない。
 そうした事は前世においても、今生においても無縁だと思っていた私にとってーー。
ーー今の彼の破壊力は強烈過ぎる。
 いけないーー。
ーー脳ミソが沸騰しそうだった。
 もう沸いているのかもしれないーー。
 この先彼との仲が深まるにつれ、あんなコトやこんなコトまでーー。
ーーそう、彼氏だ。
 休日に二人でお出掛けしたり、沙梨亜ちゃんみたく弁当攻勢を仕掛けてみたり、イベントの際はサプライズ・ナイトに励んでみたりーー。
ーーこれ以上はイケない。
 それが、歳頃の女子にとっての禁断の彼氏なのだ。
 我が人生の中で無意識の内に封印していた禁則ワードの一つにも該当する。
 信じられないーー。
ーー今にも爆発させられそうな頭と胸の内が落ち着き切らない内に、彼ーーヒラト君から言葉が降りてくる。
「最初は遊び半分で近付きましたけど、おれ、、真剣ですからね?
今はまだ役立たずで何にも出来ませんけど、いつかリン先輩にとって欠かせない存在になれたら、その時に、、
、、この気持ちに応えて貰えますか?」
「え……?あ、そ……そうね」
ーー何か、会話が思わぬ方向へ流れた。
 反応が遅れたーー私が原因だ。
 冷静な彼は私からの返事が無かった事で脈有りと判断しながらも、今はまだーー。
ーーと考えたのだろう。
 痛恨のミスーー。
 いや、今ならまだ挽回出来るのだろうかーー?
「こ、後輩君……!」
ーー咄嗟に呼んだが、しまったと思った。
 彼の名前を下の名前で呼ぶ絶好のチャンスだったのだ。
 そういえばさっき先輩抜きで、リンさんーー。
ーーと呼ばれていたから、今ヒラト君と呼んだなら然程不自然な状況では無かっただろう。
 気付くのが遅過ぎるーー!
ーー少々混乱してしまった私は、適当な事を口走ってしまう。
「そ……そろそろお腹空いたわね!?」
「はい、そうですね
おれが作りますよ!
別に料理得意ってわけじゃないですけど、たまに自分で作ったりしますし?」
「そ、そう……?期待するのだわ……!」
ーー口から出た発言はもう戻らない。
 そう返す他無かった。



 それ程時を置かずに、テツヲと沙梨亜ちゃんが戻ってきた。
 まさかとは思うが、草葉の陰から見守っていたなんて事はーー。
「、、ふぅ
、、リン先輩、ファイトですよ!」
「まァ、及第点だよなァ、、ギリギリ」
ーー見られてたーー!?
 周囲は確かに、覗き見ポイントは幾らでもあるのだ。
 背後にあの断層ーー。
ーー綺麗にくり抜かれたような円形の筒型突起地勢がこちらを見降ろしている以外は、森の中だ。
 頭上の木々の枝の隙間から陽光が僅かに漏れているが、辺りはやや薄暗い。
 身を隠す地点には事欠かず、会話も全部聞かれていたかと思うとーー気恥ずかしい。
 私は二人の励ましーー?
ーーには囚われず、話題を変える。
「ご、ご飯食べるわよ……!」
「はいよォ、、
、、近くにモンスターとかは居ねェらしいなァ?」
ーーただ覗いていただけでは無かったらしく、テツヲは言った。
 沙梨亜ちゃんは小さく頷き、言葉を引き継ぐ。
「、、はい
、、まだ異世界と決まったわけじゃねーですけど」
ーーそれについては、私も同意見だった。
 現状、異世界かどうかを判断出来る材料は少ない。
 あの箒型の導器具ーーフィフィーロカネンが感応したのは別の要因ーー。
ーー例えば、異世界を前世に持つ私の影響なども考えられ、プラーナの濃淡だけでは判断が付かないだろう。
 元居た世界が必ずしもプラーナの薄い場所ばかりとも限らないし、事例は色々と考えられるのだ。
 思考に沈みかけた私の想念を中断させたのは、香ばしい匂いだった。
「オゥ!ウマそうな匂いだなァ、、」
「、、すんすん
、、チャーハンの匂いです」
ーー二人に釣られ、私も後輩君が有り合わせで調理してる方へ向かった。



>>12、次の話

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