大人オリジナル小説

昔書いた小説墓場〜1作品投下済み
日時: 2023/02/18 10:44
名前: htk

昔書いた小説の墓場です
まんまですね
草案に毛が生えた程度の未完作品が主な内容となっています

とある小説界の最下層には、作品になりきれなかった活字達の怨念が渦巻いているという
なので基本は投下してその後一切手を付ける事はきっとおそらく、今後何かの拍子に読み返してみて新たなインスピレーションが突然湧き出してこない限りは無いと思います
ぶっちゃけ他作品を手掛けている内に熱が失われてしまい、その後放置されていたという曰く付きの事故物件ならぬ、事故作品となっていますので扱いはくれぐれも慎重且つ丁寧に

尚、今後幾つ作品を投下するかは未定です
こうやってまた報われない作品が増えていくんですね



以下〜〜

〜〜魔女先輩は転移後即日死したおれを甦らせたい!?
(※12話投稿済み。言うまでもなく未完です)
>>1、目次

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Re: 昔書いた小説墓場 ( No.5 )
日時: 2023/02/18 11:44
名前: htk

プロローグ〜〜序幕、3話



「、、良いですか?
そもそも戦隊ものは5色と相場が決まっているのに8色とは、あまりに人数が多過ぎます
ただでさえ色の格差が酷いシリーズもあるのに8色ですよ!?
白、黒はまだ分かりますが何ですか?茶色って、、
他のカラーが八幡イエローだ八幡レッドだ名乗るのに、茶色だけ八幡茶色ですよ!?そのまんま茶色!
名乗りに統一感がありませんし、ファンの間では未だに茶色の相応しい名乗りを語るスレが某掲示板で建つ程です
、、知っていますか?
八幡茶色の名乗り案がその後、どういった経過を辿ったのかを、、」
ーー言葉数の多さに、周囲は無言だった。
 なんだかこの娘、少し怖くないーー?
ーー怒りの圧を放っていたテツヲも黙り込み、無言でサリアの発言を促している。
「、、さすがのテツ先輩でも知らないみたいですね
八幡茶色の名乗りはその後、10年以上に渡って掲示板を紛糾させました
八幡ゴボウだ八幡コーラだ八幡シロップだと様々な案が生まれては消え、消えてはまた生まれました」
ーー聴き手を引き付ける才能でもあるのか、私達は彼女の声に聞き入っていた。
 何か思うところでもあるのか、物憂げにサリアは続ける。
「実を言うとわたしも某掲示板に書き込みし、どうにかならないかと議論に加わったんです、、
、、ですが、結局力は及びませんでした、、」
「サリア、おめェ、、」
ーー彼女の心情に触れたのだろう。
 ここまで詳しいのだから、生半可なファンでは無い。
 テツヲは済まなそうな顔をし、そっと顔を背ける。
 それに気付いてか気付かずにか、後輩女子は小さく呟く。
「八幡う〇こ、、
、、う〇こですよ!?う〇こ!分かります!?
どうにか掲示板の流れを変えようとしたわたしはその後も渾身の名乗り案、、
、、八幡アースを提唱し続けたんです!
でも、それでも時の流れは変えられませんでした、、
一度スレ民の頭にこびり付いた印象は変えようが無かったんですよ!?
八幡う〇こ、、最悪です、、」
ーーそう言って、彼女は膝から崩れ落ちた。
 何この茶番ーー。
ーーそう言ってはいけない。
 これが彼女達のオタク道であり、推しに対する一途な想いなのだからーー。
ーー頽れた沙梨亜の肩に、テツヲはそっと手を置いた。
「茶色は悪かねェ、、
、、一番悪ィのは半端な構想で見切り発車した制作スタッフだ、、」
「、、テツ先輩、うぅ、、」
ーー涙目の後輩女子に寄り添ったのは、眼帯ヤンキーだけでは無い。
 後輩君も二人の雰囲気を憚ってか邪魔しないようにーー。
ーーしかしながら、ボソリと零す。
「八幡アースか
なんか、良いですね」
「アア、最高だ、、
八幡アース、、
、、他の誰に呼ばれなくても、オレらだけはその名で呼び続けてやるんだ
八幡アース、、!
、、良いじゃねえか!?チクショウ、、」
ーー迂闊に近寄れる雰囲気では無かった。
 そこに易々と入っていった後輩君の対人スキルの高さに私は驚きながらも、そろそろかそろそろかと様子を窺う。
 もう一度言うが、決して茶番と言ってはいけない。
 たとえチャイムの音がもうすぐそこまで迫っていても、今この時はこの瞬間にしか味わえないのだからーー。
 キーンコーンカーンコーンーー。
ーー生徒達を急かす音に、いつもならイラッとするが救われた思いだった。
「あら、もうこんな時間ね……」
「はい、そうですね
行きましょうか、リン先輩」
ーーナイト君が応じてくれたのにホッとしつつ、後ろを振り返る。
 少し気まずそうにしながらも沙梨亜ちゃんが口を開いた。
「テツ先輩も天ヶ嶺君も、それから、、
、、リン先輩もありがとです」
「え……?ええ、それじゃまたあとでね?」
ーー何故かお礼を言われた。



 放課後ーー。
ーー最後の打ち合わせだ。
 結局お昼は顔を出さなかったひよ子も居る。
「いや〜、昼間はごめんね〜?
私もちょっと思うところがあってね
、、色々考える事があったんだよ」
「そう……。
みんなにとっては最後だものね?
それとも、やっぱり気が変わったって言うなら……止める?」
ーー勿論、私は一人でも行くつもりだった。
 みんなが付いて来ないというなら、それは仕方無い。
 誰しもが生まれ育った世界を憎みながらも、心の何処かで常に想っている。
 私はそれをこの世界に来て感じたし、彼らだって私が想うようにこの世界を想っているのだろう。
 愛憎半ばにしながらも、常に意識の後ろ側に在るーー。
ーー生まれ故郷の世界とは私にとって、そういうものだった。
 彼らの気が変わったのならーー。
ーーそう問い掛けた私に、後輩君は首を振る。
「おれは行きますよ!
異世界へ行ってそれで、それで、、
、、とにかく行きますよ!」
ーー何か色々と野心が見えそうな気もする彼だが、それだって一緒に来てくれるなら嬉しい。
 テツヲも沙梨亜も、後輩君の言に続く。
「愚問だなァ?真島ァ
、、オレの器はこんな狭い世界にゃ収まり切らねェ!」
「当然です
、、昼間はお陰様で吹っ切れましたからね
覚悟するがいいです!異世界」
ーー何を?
 とは、聞かなくても良い事だろう。
 女の子には、生まれ変わる瞬間が必ずある。
 彼女もどうやらそれを迎えたようで、後ろでそれを見守るのが年長者たる私の役目なのかもしれない。
 そして、最後の一人ーー。
ーー茶髪に金のアクセント部分を指先で弄っていたひよ子は、意を決したように口を開く。
「私はね〜?
行けない、やっぱり
今はまだ、、」
「え、、?ヒヨコ先輩?」
ーー驚いた後輩君が声を上げた。
 後輩女子ちゃんも同様の表情だ。
 彼女と同じ二学年の私とテツヲは、然程驚いていない。
 ひよ子は少し申し訳無さそうにし、普段のおふざけは微塵も感じられなかった。
「考えたんだよね、異世界
私も行きたい
でも、それは今じゃない」
ーーオヤジ女子は今、普通の女子になっている。
 普段の彼女は私及び、他にも多数の女の子との触れ合いを求めるある意味危険思想?の持ち主だったが、それをここで前面には出して来なかった。
 以前なら、エルフにケモ耳と触れ合いたいという邪な願望を持ってはいたけれどもーー。
ーーそうした欲望を殴り捨て、彼女は言う。
「この喚術陣は確かに異世界に繋がってる可能性はあるし、繋がってない可能性を立証するには、、飛び込んでみるしか無い
、、だったね?リン?」
「ええ……その通りなのだわ?
この喚術陣は先月のウルトラ仮面フィギュアが戻って来なかった時の術式に、更に座標の検知に質量基準を設けた他、自動翻訳や身体の適応等様々な術式を組み込んだものなのよ
だから……以前と比べあらゆるケースを想定したこれ以上無いくらいの喚術陣である事は間違いないのだわ!」
ーー力説した。
 研究の過程を軽く頷いたひよ子は分かっているし、他のみんなも何となくなりに理解はしている。
 その上で、彼女は言う。
「でも、絶対じゃない
、、絶対安全に目当ての異世界へ辿り着けるかどうかは分からないし、私達が想定してないケースがあればそこで終了
そうだね?リン」
「ええ、その通り……。
……だからこその、最後確認ね?」
ーー私は再びみんなの顔を見渡すが、意思は変わらないらしい。
 行かないと言ったひよ子も、前言を翻す気は無さそうだった。
「……それじゃ、今夜決行よ!」
ーーみんなが頷くのを確認する。
 そして、ひよ子の顔を見た。
「……最後になるわね?ヒヨコ」
「うん、見送りには行くよ
、、最後にたっぷり堪能しないとね〜?うへへ〜」
ーー伸びてきた魔の手を私はピシャリとやった。



>>6、次の話

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