大人オリジナル小説
- 昔書いた小説墓場〜1作品投下済み
- 日時: 2023/02/18 10:44
- 名前: htk
昔書いた小説の墓場です
まんまですね
草案に毛が生えた程度の未完作品が主な内容となっています
とある小説界の最下層には、作品になりきれなかった活字達の怨念が渦巻いているという
なので基本は投下してその後一切手を付ける事はきっとおそらく、今後何かの拍子に読み返してみて新たなインスピレーションが突然湧き出してこない限りは無いと思います
ぶっちゃけ他作品を手掛けている内に熱が失われてしまい、その後放置されていたという曰く付きの事故物件ならぬ、事故作品となっていますので扱いはくれぐれも慎重且つ丁寧に
尚、今後幾つ作品を投下するかは未定です
こうやってまた報われない作品が増えていくんですね
以下〜〜
〜〜魔女先輩は転移後即日死したおれを甦らせたい!?
(※12話投稿済み。言うまでもなく未完です)
>>1、目次
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- Re: 昔書いた小説墓場 ( No.9 )
- 日時: 2023/02/18 22:24
- 名前: htk
1章〜〜第1幕、2話
私達は喚術陣の円陣が描かれていた中央に寄り集まっている。
日記だろうかーー?
最初のページには既に誰の手によるものか、これは言われなくてもわかるがーー。
「、、日記、ですね
何がラブリーアツアツですか、、!?
、、消し炭にしてしまいましょう!是が非でも」
「待って待って、前垣さん!
ほら?たぶん、せっかくヒョコ先輩が用意してくれたものだし、、?」
「、、っち!?
仕方ないですね」
ーー後輩君のお陰で危うく消し炭の末路を免れた日記ーー〈ヒョコちゃんとのラブリーアツアツ通信記〉は風でパラパラとページが捲れた。
最初のページ以外、全て白紙なのだろう。
テツヲは怪訝そうにその日記を拾い上げる。
「交換日記かァ?」
「……みたいね
……ヒョコったら、こんなもの用意して……」
ーージワリとくるものがあったが、此処はみんなの前だ。
私は手渡された日記の最初のページをゆっくりと開いた。
『やっほ〜、元気〜?
うへへ〜、びっくりしたかな〜?
どうも〜、みんな大好き愛の戦士ヒョコちゃんだよ〜?
あ、これね〜?文字を転送する術式とか色々組み込んで出来ないかと思ってね〜?
結果はどう出るのかな〜?
あ、そうそう〜
あの後、みんなを送ってから色々あってね〜?
何日かゴタゴタしてたんだけど、』
「待て待てェ!何だァ今のは、、!?」
「……煩いわ!?ちょっと黙ってなさい!」
「、、っち
トンデモナイ女ですね!?
まさか異世界にまでストーキングしてくるなんて、、」
「まあまあ、落ち着いて落ち着いて?」
ーー後輩君が場を落ち着けようとしてるが、今は彼に反応してる場合では無い。
後ろ髪を引かれそうな気がしながらもその声は無視して、私はページに視線を戻した。
ひよ子曰く、何日かゴタゴタしてーー?
こちらとあちらでは時間の流れが違うとでもいうのだろうかーー?
ーーひとまず読み進めてみる。
『あ、そうそう〜
あの後、みんなを送ってから色々あってね〜?
何日かゴタゴタしてたんだけど、なんか家に偉い人が来てね〜?
たぶんそっちで私の推測が正しければ喚術陣の真下にあった地盤ごと転移してる可能性が考えられるんだけど、どうかな〜?
色々ハショるけど状況の説明するね〜?
つまり、こっちではいきなりくっきりと学校の屋上から地盤ごと消失する事件があってね〜?
そりゃもう大騒ぎなわけですな!うっへっへ〜!
ともかくそんな流れでみんな!聞いて驚くなよ!?
私こと愛の戦士ヒョコちゃんは晴れて晴れて何と!?
国家機密の研究機関に務める事になりました〜!
まだまだ研究者じゃないんだけどね〜?内定ってやつかな〜
そんなわけでこっちはすこぶる順調です!世間は大変なんだけどね〜
あ、そうそう〜
みんなの手荷物の中になんか色々術式組み込んで創った便利アイテム仕込んどいたよ!
ちゃんとそっちに持ち込めてるといいな〜
この〈ヒョコちゃんとのラブリーアツアツ通信記〉もその一つなんだけどね〜
無事届いたかな〜
それとみんなも無事異世界に行けたのかな〜?
心配だし〜?出来るだけ早い返信求む!
首を長くして待ってるからね〜?』
「……まさか、私の知らない間にそんなとこまで手を回していたとはね
いやはや、畏れ入るのだわ……!
さすが私の唯一無二の友人……」
ーーホロリときた。
涙を零す程では無いにしても少し目元を拭うのは不可抗力だ。
ジワリときてる隣で後輩君がそっとハンカチを差し出してくる。
「ありがとう……。
私ったら、こんなに友人に恵まれていたのね……」
「はは、そうですね
ヒョコ先輩は規格外な人でしたから、敵わないですよね
本当に、、」
ーー彼がみんなの気持ちを代弁した。
さしもの沙梨亜ちゃんも舌打ちはするが、脱帽してるらしい。
「、、っち
不本意ですがあの女が仕込んだブツを見てみましょう」
「だなァ、、
、、ヒョコのクセにやりやがる!
思えば小っこい頃からいつもだけどなァ、、」
ーーひよ子とは幼馴染みのテツヲも、何処か遠くを見るような趣きだ。
私達は涙が零れ落ちそうなのを堪え、彼女が仕込んでくれたアイテムとやらの確認を始めた。
「……現状、よく分からないものが多いわね」
ーーひよ子製便利アイテムの数々は、私達を困惑させる。
そもそもそれぞれ各人が持つ荷袋自体もそうなのだが、外観上のサイズと内容量をまったく無視した代物だった。
よく異世界系小説で登場する、空間ボックスというものなのだろう。
見た目は片手で持ち運べる程度の荷袋だが、内容量は明らかに外見を裏切っている。
その中身から取り出されたのは食料、水、ガスコンロや携帯用トイレ等は勿論だが、テントや寝袋、果ては化粧品やら応急セットにも加え、ちょっとした小物まで様々だ。
それら必需品を押し退けて、並べられたものはーー。
「あ、これ何ですかね?
、、モノクル?」
「あれじゃねェのか?
異世界ものでよくある鑑定のヤツ、、」
ーー試しにと眼帯の付いてない方の左目で片眼鏡を着用するテツヲだが、特に変わった事は無いらしい。
他にも何も描かれていない羊皮紙だとか、ペットボトルサイズの大型キャンドル、栓のされた内容物不明な瓶等が複数種及び、明らかに尋常では無い毒々しい液体まである。
沙梨亜ちゃんはその一つを手に取り、困惑顔だ。
「、、これをどうしろと?
飲め、ですか?」
「まさか……?
いくらヒョコでもヤバイ薬飲ませようとはしない筈なのだわ?たぶん……」
ーーそうは言ったが、自信は無い。
彼女にとっては便利アイテムでも、私達が使えば危険物かもしれないのだ。
沙梨亜ちゃんは瓶から手を離し、こちらを窺ってくる。
「、、先輩の方はどうなんです?
何か、状況を打開出来そうなものとか、、」
ーー聞かれ、私が皮袋から取り出したのはーー箒だ。
各人それぞれの手荷物の中にはひよ子製品ーーさしずめ、ヒョコ製便利アイテムが幾つか入っていそうだったが、魔女に箒とはーー。
ーーよく分かっていたのだろう。
「最高よ……!さすが我が愛する親友、ヒョコなのだわ!」
ーーひよ子が唯一無二の親友にクラスアップした。
>>10、次の話
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