大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 【BL】プロセカで色々
- 日時: 2022/01/13 21:17
- 名前: 薫
初めてここを使わせて頂きます、秋葉(あきは)と申します。
主にプロセカ、自分の好きな版権でBLを書いていこうと思います。
R指定の他、色々なバース設定や年齢操作等も入る事になるかと思いますので、キャラ崩壊やそういった物が我慢ならないという方は、閲覧をお控え下さいませ。
【作品】
<プロセカ>
天馬司×神代類『甘い薬で喰らう罠』>>14-20
神代類×天馬司『人の熱に当てられて』>>26-31
『恋して触れて、その後は』>>40-47 ※成人パロ、飲酒シーンあり
『クズはクズ同士』>>48-56 ※未成年喫煙描写あり
青柳冬弥×東雲彰人『共犯』>>21-25
『不安と切望』>>32-39
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- Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.47 )
- 日時: 2021/12/21 00:53
- 名前: 秋葉
神代類×天馬司
『恋して触れて、その後は』8
何だ、状況が整理出来ない。
経験した事のない感覚にひたすら戸惑うが、上手く驚く事も出来ずにただ呼吸を整えようとする。そして類の方を見ると、此方はしっかりと驚きと興奮の混じったような表情をしていた。
「司くん、これ……君、潮を吹いたのかい…?」
「…え、…?しお……、?」
復唱して、少し考えて、一気に頭が冴える。
見ると、身体から伝っていったのだろう自分から出た水が精液と共にシーツに染みを作り、中心からじんわりと広がっている。水浸しとはいかないものの、一部は濡れた跡が色濃く残っていた。
思い切り、汚した。
そう焦るのを全く気にせず、こいつはぎゅうっと抱き締めて笑うのだ。
「司くん…、君は本当に凄いね。今日だけで、どこまでも僕に興奮を与えてくれる」
「や、やめろ言わないでくれ…!この歳で漏らすとか、本気で洒落にならんだろ…」
「ううん、違うよ」
そっと、大きな手が落ち着かせるように頭をさらりと撫でる。そしてそのまま前髪をかき上げ、額に唇を落とされた。
「だって、僕で沢山気持ち良くなってくれたんだろう?ただのお漏らしとは訳が違う。すごく、かわいい」
恥ずかしげもなくそんな事を言う彼の目は情欲をたっぷりと孕み、その色を隠そうとしない。慰めや気休め等ではなく、心の底からそう思っているのだろう。
本当に、敵わない。
出来ればこのまま余韻に浸りたい所だったが、しかし尻に張り付く濡れた感触が気持ち悪い。片付けよう、と声を掛け立ち上がり、まずはシーツを内側に畳むように慎重に剥がすのだった。
「ふふ、なんだか、変わらないな」
シャワーを済ませ、綺麗に整えたベッドの上。会話の途切れ目に、類がふいに呟いた。
「何がだ?」
「だって、…僕はね、終わった後にこうして君と話をするのが好きなんだ。明日の朝食とか、少なくなってきた日用品とか、そういう何でもない話」
うつ伏せで枕を抱え底に顎を乗せていた類が、ゆっくりと、此方を向く。
ベッドのすぐ横、ラックの上に置かれたランプの光に照らされていた顔が少しだけ陰り、それでもその表情には、幸せが滲んでいた。
「それが変わらないのが、何だかとても嬉しくて。
その、ね。恋人になったら、何もかも変わってしまうんだと思っていたから」
目を伏せながら何処か遠慮がちに口を開かれ、類もただ怖かっただけなのだと知った。
進展させる事で何かがなくなったり、大切を大切だと思えなくなる事が、嫌だっただけなのだと。
「理解は出来る。…だが、大丈夫だ。話す内容が、ただ増えるだけだろう。それはとても素晴らしい事じゃないのか」
「内容が増える?例えば、どんな?」
少し考えてみて、ふ、と笑いが溢れる。我ながら、なんて恥ずかしい人間だろう。でも、上機嫌な口は止まってはくれなかった。
「例えば……四年間溜め込んで来た想いの丈、とか」
- Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.48 )
- 日時: 2022/01/06 00:55
- 名前: 秋葉
神代類×天馬司
『クズはクズ同士』
恋とは、愛とは、一体どんな物だろうか。
それは渇望なのか、依存なのか、…或いは、執着なのか。
ずっとそれを、答えを、探している。
しかし未だ、分からないままだ。
昼休み半ば、人の居ない場所を求めて屋上への階段を登る。そしてドアノブを回すと、飛び込んでくる強い光に思わずぎゅっと眉間に皺が寄った。
無理矢理目を開くと、先には雲ひとつない青空。綺麗だな、と思うよりも先に、何か嗅ぎ慣れない匂いが鼻をついた。
その匂いの方を向くと、同じように空を見上げて座るよく知った人間が居る。しかし手に持つ匂いの元は、こいつには、というよりも高校生には似つかわしくない物だった。
「…る、い。それ、煙草…?何で…」
「司くん……あーあ、バレてしまった」
口ぶりとは裏腹に、ふふ、と笑った。そしてまた煙を吐き出すばかりで、悪びれる様子もない。
「そんな物、どうやって買ったんだ」
「ん?ああ…身長があるからね、マスクでもして黙りこくっていれば、案外成人と変わらないらしい」
そう言う類の煙草を咥えた横顔が、大人びてやけに官能的に思えて、目が離せなかった。
ふと目線を下げ、足元の地面に煙草を押し付ける。見ると随分短くなっていて、これで一本の吸い終わりらしい。じゅ、と音を立てて火を消し、携帯灰皿の中に入れてパチンと釦を閉めた。
そしてゆっくりと此方を見上げ小さく微笑むので、少し尻込みしながら口を開く。
「どうして喫煙なんて…何をやっているんだ」
「見る度毎回違う女の子を連れている君にだけは言われたくない」
変わらず優しい笑顔は崩さないのに何処か冷たい声色で、その威圧感に言葉が見つからず、ただじっと見下ろす。
「街中を歩いているとよく見かけるんだ。えむ君や寧々にも悟られないように、離れた所の他校で上手くローテ回しているようだけれど。君こそ何をやっているんだい?」
「それ、は…」
なるだけ目立たないように気を付けてはいたが、それでもひた隠しにしていた訳ではなかったので、いつか何処かで、誰かに突かれる事は覚悟はしていた。しかしそれが類では、些か相手が悪い。察しが良く、油断をすれば腹の中を、汚い中身を全て見透かされてしまうような心地がする。…なんて、第一そんな事をしている自分が本当に、全面的に悪いのだけれど。
此方を見る切長の黄色がすっと細まった。まるで品定めをするように、どう何を言うかを待っている。しかし一向に喋らない俺に、少し呆れたように溜息を一つ吐いた。
「はあ…じゃあ、こうしよう」
「え?」
「お互いに話す、糾弾もしない。それならどうだい?」
その提案にこくりと頷き、類の横に座る。そして少しの沈黙の後、じゃあ僕から、と、また煙草一本とライターを取り出した所で、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。しかし聴こえている筈のそれが聴こえない振りだけ通じ合い、類は燻らせながら話を始めた。
- Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.49 )
- 日時: 2022/01/02 10:55
- 名前: 秋葉
神代類×天馬司
『クズはクズ同士』2
それから、類は色々な事を教えてくれた。
初めては高校に入って半年位の頃だったとか、常に必要な訳ではない、それでもあると頭が冴える気がする、とか。きっかけは、自棄になった時の縋るような思いと好奇心だった、なんて事も。
「苦しい事が重なって泥沼に嵌った時、どうにか外に出したくて目をつけた。今でも良さは分からないけれど、一度覚えたら何となく、あとはずるずると」
喫煙に走る理由なんて、成人も未成年も幾らだってあるけれど。それでも類のこれは、一人で抱えるにはあまりに大き過ぎる物だったんじゃないか、なんて少しだけ同情を向けてしまった。
「…つまりね、蟠って仕方がなかったんだよ。しかもそれは大抵が余計な事だった。ありもしない不安に掻き立てられて、遂にはこんな物に手を出した大馬鹿者さ」
トン、と煙草を灰皿に軽く叩きつけ、灰を落とす。そして目を伏せた後は、感傷的なようで、諦めや呆れとも取れるような乾いた笑いを薄く開いた唇から漏らした。
「…それを、どうして俺に話してくれたんだ」
「君の理由が知りたい、それだけだよ。もう見られてしまったし、秘密は片方が暴くんじゃあフェアじゃないだろう?」
「そこまでして知りたい事なのか」
「ああ。…女の子と並んでいる君が、後ろめたいような顔をしていたから。何か訳ありなのかと思ってね」
そう言って此方を覗くように見るこいつは、やはり鋭い。だが期待される程の話は持ち合わせていない上、自分でも矛盾だらけでぐちゃぐちゃだと思う。それを話すのは正直抵抗がどうしても拭えないが、提案を飲み込んで類に曝け出させた以上は此方も腹を括らなければならない。
類が君の番だよ、と促すので、震えた口で軽蔑しないでくれ、と告げる。するとまだ吸う部分の残っている煙草を灰皿に仕舞い、真面目な顔になって聞く姿勢を整えたようだった。
「…恋や愛が、知りたかったんだ。普通の人の言うそれが、どうしても分からなくてな」
「へえ。君はてっきり、そういう情に溢れた人間だと思っていたよ」
意外そうに目を丸くする類に、此方もつられて少しだけ目を見開く。
そんな風に思われていたのは、知らなかった。直接言われた事がなかったし当たり前と言えば当たり前だが、それでもそういう考え方等は、自分の行動や言動に滲み出ている気がしていたから。
実際、何か相手に淡白な返答をしてしまった時に、内心慌てながら繕おうとした事もあった。しかし案外、自分が心配するよりも周りには伝わっていなかったらしい。
「家族が大切だとか、お前達…仲間が大切だとか、そういうのはあるんだ。だからこれも続けていればいつか分かるだろうかと思って、女性からの誘いを断る事もしなかった」
告白をされれば一緒に過ごしてみるが、距離が近くなるといつも、「笑ってくれるし優しくしてくれる。でも何処か上の空で、用意された台詞を読み上げているだけにも感じる」というような事を言われ、興味を持てていない事を悟られて振られてしまう。そして気付けば、特定の相手を作る事も辞めていた。
「…成程。自分から誘う事もあるのかい?」
「いや。言われたら会って、食事をして、…抱き合って、終わったら帰るだけだ。次の約束もしない」
「体の関係もあるんだね。深く、相手を知る為?」
ああ、と一つ頷いて見せる。最初躊躇していた割にするすると言葉が出てくる自分の口に若干戸惑うが、もう止められなかった。まるで意識とは別に切り離されたように、本当は話すつもりなんてなかった事まで底から這い上がって、喉を通って声になっていく。
「熱くて、柔らかくて、気持ち良いんだ。優しくしてやれば、それなりの反応も返ってくる。なのに、心から欲しいとは、少しも思えた試しがない。
そういう事も俺からは働きかけないから、いつも体目的だとすら思われずに終わる」
しかし偶に、そういう事に気付かない相手にまた好意を持たれると、その度に息苦しくなった。なるだけ丁重に断るが、自分以外にも相手が居るのだと最初から知っている女性は強い。「何番目でも良いから」と受け入れる振りで、自分だけが付き合えている、なんて優越感が欲しいのが丸見えだった。そしてその瞬間に、元々冷めていた心が一気に凍るように、気持ち悪くて堪らなくなる。
- Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.50 )
- 日時: 2022/01/04 11:18
- 名前: 秋葉
神代類×天馬司
『クズはクズ同士』3
「話を聞く限りすごく辛そうだけれど、どうしてそこまで固執するんだい?」
「周りが、本当に幸せそうだったんだ。笑顔でいっぱいになっていた。それと同時に、自分が空っぽな人間だったのを痛感した。それで、…このまま空っぽで居るのが、怖くて仕方がなくなった」
相手の事が好きなのだと言い聞かせて、最中愛を囁いてみたりもした。しかし言ったそばから後悔し「らしくもない」と心の中で吐き捨て、相手にさえそう言われる始末。建前の嘘は体に毒である事を知った。
結局、どう足掻いても駄目だった。このまま、漠然と恐怖を抱えて生きるしかないのかと思った。否、今でも変わらず、ずっとそう思っている。
そこまで話して漸く類の方を見ると、寂しげな笑顔を此方に向けていた。
「…うん、大体分かったよ、有難う。もう出会ってそんなに浅くないのに、僕は君の事を全然知らなかったんだね」
「そうだな…本当に、その通りだ」
突き放すように冷えた言葉が口から出てしまうのは、そんなものお互い様だと少しだけ苛立ったから。類がこんなに大きな物を抱えているなんて知らなかった。今までどれだけ我慢していたのか、話を聞いてもまだ想像がつかない。そしてその事実が何だか酷く虚しく思えて、同時に少しだけでも良いから知りたいと、柄にもない事が頭を過ぎり、困惑する。
…知りたい?こいつを?
どうして。
好きになる努力をする為、以外に自分から誰かを知りたいなんて、一度も思った事がなかった。寧ろ、好きになろうとした相手にすら、壁を作っていた位だ。
憐れみなのか、仲間だからなのか、或いは、こいつだからなのか。
もしもこいつだからなのだとしたら、それなら。
「なあ、類。俺と付き合ってくれ」
考えた直後、一度言葉を飲み込む事も出来ずに勢いのままぽん、と口から出たのはそんな告白だった。しかし告白と言うにはあまりに呆気なく、日常のどうでも良いような会話にも溶け込んでしまいそうな程の熱量。こんなに面倒臭そうな態度で言う人間が他に居るだろうかと、自分でも思ってしまう。少し気不味さを感じるが、しかし全て話してしまった後にあれやこれやと言い訳をするのも、かえって胡散臭くなるような気がしてそのまま黙った。
類の方を見ると、驚くでもなくただ変わらない真顔で此方を見つめている。
「それはまた突飛な話だ。どうして?まさか本気で好意がある訳ではないだろうし」
「俺にも、まだ分からない。だがお前に、愛されてみたいと思った」
此方に向けた黄色が、ぴくりと一瞬だけ見開かれる。が、すぐに眉を顰めながら口角を上げた。
「ふ、随分奥ゆかしい口説き文句だ」
「人に交際を申し込む理由は、優しいからとか、愛しいとか、そんなものでなければ駄目なのか?…駄目なら、もっともらしい事も言えるが」
確かにそうだね、と俯いて、再び灰皿を手に取り先程押し込んだ残りの煙草に火を点ける。そして少しの沈黙が流れ、良い加減焦ったくなって此方からまた何か言おうかと思った頃、類が漸くじゃあ、と切り出した。
「君のセックスフレンド全員切るなら構わないけれど」
冗談めかすように言う類に、分かった、と一言、携帯をポケットから出して一人一人電話帳や履歴から削除していく。元々連絡先を交換する程何度も会う相手も少なかったからそんなに時間はかからなかった。
家族や仲間以外の女性の名前がなくなって、すっきりとした画面を類の眼前に差し出す。
「ほら、これで良いか?」
「まさか本気だったとはね。それにしても、最後に何か一言位なくて良かったのかい?」
「連絡がつかなくなったら終わりだと前々から言ってある。それに、理解が得られる相手としか、繰り返し会ったりなんてしていない」
こういう事をするからこそ、絶対に忘れてはいけない引き際や必要な言葉もあると考えていた。それは全て自ら嵌めた枷だったけれど、そのお陰でこういう場面にもすぐに対応が出来るのだから、あながち間違い等ではなかったのかもしれない。
ふと類が自分の携帯を出し、時計を確認してからまたすぐに仕舞う。その後隣に座る俺の指と自分の指を絡めながら、くすりと笑うのだ。
「…どうする、司くん。次もサボってしまうかい?」
授業終了まではまだ時間があるようだったが、きっとこいつは"そういうつもり"で言っている。言葉程の熱は感じられないものの、その目には確かに俺への興味や少しの期待が滲んでいて。
すっと立ち上がり、類の方に向き直る。そして、なんて叙情的な誘いだと、皮肉っぽく言ってみせた。
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