大人二次小説(BLGL・二次15禁)

【BL】プロセカで色々
日時: 2022/01/13 21:17
名前: 薫

初めてここを使わせて頂きます、秋葉(あきは)と申します。
主にプロセカ、自分の好きな版権でBLを書いていこうと思います。
R指定の他、色々なバース設定や年齢操作等も入る事になるかと思いますので、キャラ崩壊やそういった物が我慢ならないという方は、閲覧をお控え下さいませ。

【作品】

<プロセカ>
天馬司×神代類『甘い薬で喰らう罠』>>14-20

神代類×天馬司『人の熱に当てられて』>>26-31
      『恋して触れて、その後は』>>40-47 ※成人パロ、飲酒シーンあり
       『クズはクズ同士』>>48-56 ※未成年喫煙描写あり

青柳冬弥×東雲彰人『共犯』>>21-25
         『不安と切望』>>32-39

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Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.39 )
日時: 2021/12/18 12:51
名前: 秋葉

青柳冬弥×東雲彰人
『不安と切望』8



「彰人、服は着られるか?」

部屋着と下着を二人分用意し、疲れ切ってぐったりとした彰人の方を見る。すると喋るのも億劫そうに、ただ小さくゆっくりと頭を横に振って、無理だと示した。本当に限界なのか、甘えられているのかは分からないが、妙に嬉しくてふ、と笑いが零れる。
訝しむような目で此方を見るが、そんな事はお構いなしに優しく彰人の体を起こし、Tシャツを着せる。そうして再び寝かせた後、下着を脚に通して何とか腰を浮かせて貰う。身長差も然程大きくないからか、ゆったりめだが案外丁度良く着られているようだった。
一連の動作で負担は最小限に抑えたつもりだったが、それでも軋む体は動かしにくそうで、終わったと思ったらすぐにまた硬直するようにその場に留まった。

「彰人、少しで構わないから飲んで欲しい」

相当声を上げて喉も痛めただろうと、ぬるくなった水を差し出す。

「……のませて」

照れ臭いように発したその声は、思うよりもがさがさだった。しかし甘えられているのだと実感して、少し失礼かもしれないが、子供みたいだな、なんて。
パキ、と音を立ててペットボトルの蓋を開ける。そして水を自分の口に含み、彰人の眼前に。ふに、と唇と唇が触れると、口を開けるように促して相手の口に液体を少しずつ流し込む。此方の口内が空になると、彰人はこくりと喉を鳴らした。それを数回繰り返し、もういい、と満足を伝えられてペットボトルを閉めた。

「…水、あって良かっただろう?」

にこりと微笑むと、まだ少し紅潮した頬のままで頷いた。そして全て終わった安堵と共に、一人分空いたベッドのスペースに横になる。すぐ隣で此方を向く彰人の髪の毛の間に指を通し、くしゃりと撫でた。猫のように心地良さそうに目を細め、心なしか口元も、笑っているように見える。

「彰人。明日からまた、頑張れるか」

返事は、返って来なかったけれど。その代わり目いっぱい抱き締められる。そして胸に顔を埋め、こくりと小さく頭を振るのだ。

「ありがと、冬弥」

「ああ。…少し、寝た方が良い」

お休み、と一言、腕を軽く引き寄せ、手のひらにキスをする。彰人も挨拶を返すつもりだったのだろうが、落ちていく意識に比例して、溶け込むように声にならなくなっていった。


真っ赤に浮腫んだ瞼を閉じて、すやすやと穏やかな寝息を立てる相手の頬を撫でる。擽ったかったのか、む、と一瞬眉を顰めて、また綺麗な寝顔に戻った。
ああ、本当になんて、可愛らしい。
ずっとずっと、心酔していた。今だって心酔、している。けれど、彰人は知らなくて構わない。
…なんて、本当は知って欲しい癖にと胸の中で吐き捨てた。
だって、手のひらのキスの意味は。



Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.40 )
日時: 2021/12/20 23:35
名前: 秋葉

神代類×天馬司
『恋して触れて、その後は』



もういつだったかなんて、忘れてしまう程の話。
出会ったその時はまだ高校二年生の少年だった。
じゃあ、そいつの事を意識したのはどうだった。高校三年生に上がった頃か、卒業してからか。
否、きっと、最初からだ。
最初から、"神代類"は特別だった。
だって、意外と睫毛が長くて、伏せた時に黄色にはらりと影を落とすのを知っている。少し困った時に、口元に手をやりながら真面目な顔をするのを知っている。
観客の笑顔を見た時、誰よりも嬉しそうに目を細めるのを知っている。
ずっと、ずっと見ていたから。
だからその所為で視線がかち合うと、黄色が金色に染まり、一層綺麗に輝くのも知っていた。

高校を卒業してからも、それを追いたくて一緒の大学に通いながらショーを続けて。それだけじゃ足りなくて、ルームシェアの提案もして。
そうするうちに、余計に距離が近くなって、遂には身体を委ねて。
一度してしまったら止まらなくて、毎日毎日どちらともなく、盛りのついた猫みたいに。
そうしたら今度は、最中は余裕そうに微笑むのを知った。その実手はすごく熱くて、汗が滲んでたまに震えるのを知った。
快感に歪める顔が、想像よりも遥かに艶やかなのを知った。

こいつの特別になりたい。唯一無二で側にいたい。
本当の意味で、全てに応えられるのは自分だけだと言いたい。

けれど、「好き」や、まして「愛してる」なんて、言った事も聞いた事もない。

Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.41 )
日時: 2021/12/20 23:44
名前: 秋葉

神代類×天馬司
『恋して触れて、その後は』2





「…完全に寝たじゃねえか」

居酒屋の個室の中、くたりと壁にもたれかかる類を、少し呆れたような顔で指した。大人しい暖色の照明で、彰人のオレンジの髪の毛は色味が一際強くなっている。
時刻は二十時を回った頃で店に入ったのが十九時少し前辺り。この一時間、一杯の半分程度でもう眠気に苛まれ、寝落ちたと思ったら既に寝息を立てていた。

「仕方ない、類は弱いんだ。
…しかし、あの冬弥がよく許したな。彰人が一人で呑みに出歩く事なんて」

「あんたらだからじゃないすか?懐いてるの、知ってるでしょ」

くい、とグラスの底に溜まっていたカクテルを飲み干した。彰人はこれで三杯目。テーブルの端に、グラスが溜まっていく。対して此方は度数の高い焼酎にちびちびと口を付けていて、酔いが回りこそしないが、案外減らないモンだな、なんて他人事のように考えていた。

そういえば、なんて類と何度目かの居酒屋に来た時の事をぼんやりと思い出す。
三口で顔を真っ赤にして、いつもよりもずっと上機嫌で。
あの時は、此方でお金を出すと頑なだった俺に「どうしても」と一杯分だけ奢ってくれたんだっけか。
小難しい演出や装置の話に付き合う代金にしては、熱燗の徳利一本は少し安過ぎる気もしたけれど。それでも楽しそうに話す顔を見ながら、相槌を打つのが楽しかった。



彰人が小慣れたようにタブレットで食事や次の酒の注文をしていく。ひとしきり見終わると、それを戻してまた此方を向くのだった。

「…で、まだ付き合ってないんですか」

少し、空気の冷える感覚がする。俯いてああ、と一言返すと、溜息を吐きながら頭を掻いた。

「何でそんな臆病なんだよ……」

「…それ、は…嫌われたく、ないから」

「はあ?キスもセックスもしといて?」

「なッ…彰人、公共の場だぞ」

「個室だし、酔っ払いの戯言だと思ってどうせ誰も気にしませんよ」

少々横暴な気もするが、何も言えずそのまま押し黙る。

「じゃあ、訊き方変えます?
…どうして、神代先輩に拘るんですか」

「え…?」

「付き合う気がないなら、惰性のそういうの全部やめて、無理矢理にでも他の奴ん所行けば良いだけだ。それをどうして、あんたはしないんですか」

未だ眠ったままの、類の方を見る。
本当は今、こんなに信頼している彰人にさえ、この無防備な寝顔を晒してしまうのにもやりとした感情が渦巻く。
そんな風に、なってしまう程、

「好き、だから」



Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.42 )
日時: 2021/12/19 23:17
名前: 秋葉

神代類×天馬司
『恋して触れて、その後は』3



至極単純な回答に、先程よりも深く溜息を吐かれた。
此方を真っ直ぐ見つめる目には、焦ったいような、若干の苛立ちの色も窺える。

「……あのなあ…分かってんなら、何で進展させな」

「だ、ッだって!」

最後まで彰人の言葉を聞けず、食い気味に口を開いてしまう。謝罪をするもどうぞと譲られてしまい、じゃあ、とそのまま言葉をこぼした。

「お前は、葛藤はなかったのか。チーム内で、しかも一番の相棒の冬弥と付き合う事に」

「ない」

いつの間にか手が震え、話す声にも自然と力が入る。それなのに彰人は対照的に落ち着いて、凛とした表情をしていた。

「どうしても冬弥の隣が良かったから。後にも先にも、冬弥以外に愛せる奴が居ると思ってないから。…先輩だって、そうなんじゃないですか」

そうだけど、でも、でも。
今更一人で立てない癖に、離れていくのが心底怖い。始まらなければ終わりもないから、今の中途半端な関係で良いと、自分を無理矢理納得させようとしていたのに。

「失礼しまーすお待たせ致しました!」

唐突にコンコン、と個室の扉の軽快な音が響き、明るい笑顔をした女性店員が入って来る。先程の彰人が頼んだ分だ。話が長くなる事を想定したのか、つまみの他に二杯分のグラスがテーブルにことりと置かれる。酷く歪んだ顔を誤魔化す為に焼酎に手を付け、いつも笑って言える筈の有難う御座いますの言葉は、とうとう一文字も出て来なかった。
類はと言えば、店員の声量に少しだけ目を開いたが、うぅんと唸ってそのまま再び目を瞑ってしまう。
仮眠や居眠りどころじゃなく、結構深く眠ってしまっているようだ。

「…あー、話戻しますけど
何かを共にする相手と付き合うって、つまり仲間と、相手と一生を添い遂げる事ですよね。多分その辺りが引っかかってんでしょうけど、先輩はその自信がないんですか?」

「いや、ある」

「は?」

「けど、類にあるかが分からない」

ああ、とまたグラスの中身を喉に流して、面倒臭そうに下を向いた。
こんな話に付き合わせるのは申し訳ないと思いながらも、誰かに話さなければ、蟠ってどうしようもない。

「本当下手くそだなあんたら…こんだけ好き合っておいて、"別れたら困るからいつでも離れられるようにしておこう"なんて、卑怯だろ」

「……ああ…」

「チームごとポシャるリスクがあったって、本人達がそう思ってなきゃ関係ねえんだ。これは神代先輩にも言える事だけど、もっと話し合って、もっと確かめた方が良いと思いますよ。少なからず、セフレなんて距離じゃねえのにそんな空回った事ばっかするよりはマシなんじゃねえの」

彰人はあまり顔や態度に出ない方だと思っていたが、成程、酔うと饒舌になるらしい。ほんのりと赤く染まった顔で、ハイペースにグラスの中身をなくしていく。こちらも俯きながら漸く瓶を空にして、類の方を再び向いた。
何か夢を見ているのだろうか、薄く笑いながらもごもごと口を動かしている。愛らしいな、なんて笑みを零し頭を撫でる。そして前を向き直ると、彰人にげっそりとした顔で睨むように見られていた。

「ほら、そんな顔出来る位だ。…司先輩、何も難しい事じゃねえだろ」

また真面目な顔をする相手に、そうなのだろうかと、弱い音を吐いた。


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