大人オリジナル小説
- その人の花は枯れていく。
- 日時: 2013/05/06 18:38
- 名前: 来夏
その人の花は、枯れていく。
傷によって、その人の花は枯れていった。
完全に枯れたら−−その人は死んだ者だと思う。
花はその人の人生なのだ。
◆詳細
この小説は、“虐め”ものです。
フィクションとノンフィクションが入っています。
過度な暴力表現などが苦手な方は、ご覧にならない方がいいと思います。
この作品は
“暗闇の世界で、翼は溶けていった”と同じ舞台です。
ですので、その作品に出ている人物も登場します。
■目次
学校説明→>>1
登場人物→>>2
登場人物U→>>15
■話のまとめ
第1章『A組の生徒』 >>10
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- Re: その人の花は枯れていく。 ( No.3 )
- 日時: 2013/02/17 12:02
- 名前: 来夏
episode 和川麗
幼馴染と友達が、虐めのターゲットになってからウチのクラスも少し調子に乗り出した。
いや、クラスじゃなくて、あいつ等が。
「麗、じゃあな」
「また……後で」
「うん。杏子、大和。またね」
右手を振って、あたしは教室へと入る。そしたら−−ほら、これだ。
「うっわ、きもー」
「いつも読書ばっかしてて、気持ち悪いわー」
「頭悪い癖に、いい子ぶってるんだろ」
「うわ! 秀哉きっつ!」
自分達以外の人間は、見下しているあのグループ。毎回ターゲットを変えて、こうやって悪い意味の言葉を口にしている。
――そしてターゲットは、千葉か。
悪口を言われている千葉の背中は、少し震えていた。しかし表情は無表情だった。
そんな千葉を見ていた時、あたしは話しかけられた。
「麗、おはよー」
「おはよう」
毛先が跳ねた、栗色のショートカット。半袖のベージュのベストを着ていて、ネクタイを着けている。
そんな外見の女子、日向明日香。一年から通っておらず、二年から通い始めたあたしに、唯一話しかけてくれた女子だった。
“天才少女”と呼ばれてるけど、本人は気にしても居ない。ただ、スポーツが好きで一通りやっただけらしい。
「……相変わらずだね」
「そーなんだよね。まぁあいつ等より、停学になったあの人の方が悪い方だとは思うけどさ」
小声で話しながら、席に着く。ちょうどあたしと明日香は、前と後ろの席で、授業中に良く手紙交換をしたりしている。
たわいもない事だけども。
「千葉さんー、そんな本ばっか読んでて頭おかしくなんないのー? いや、すでにおかしいか!」
あんたの頭がおかしいよ。小島。
そう思いながら、あたしは「はぁ」とため息をついていた。
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