大人オリジナル小説

その人の花は枯れていく。
日時: 2013/05/06 18:38
名前: 来夏

 その人の花は、枯れていく。
 傷によって、その人の花は枯れていった。

 完全に枯れたら−−その人は死んだ者だと思う。


 花はその人の人生なのだ。

 
 ◆詳細

 この小説は、“虐め”ものです。
 フィクションとノンフィクションが入っています。
 過度な暴力表現などが苦手な方は、ご覧にならない方がいいと思います。
 
 この作品は
 “暗闇の世界で、翼は溶けていった”と同じ舞台です。
 ですので、その作品に出ている人物も登場します。


 ■目次


 学校説明→>>1
 登場人物→>>2
 登場人物U→>>15

 ■話のまとめ
 
 第1章『A組の生徒』 >>10

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Re: その人の花は枯れていく。 ( No.14 )
日時: 2013/05/05 14:05
名前: 来夏 ◆2ZBHn0dH/Y



 episode 正樹賢吾



 どこでもいじめは起きる。
 でも俺は、いじめが嫌いだった。けれど、俺は止めていない。
 

「……これって、証拠になるのか?」


 個室を与えられた俺は、ベッドに座ってノートを開いた。それは、俺のクラスでのいじめの事。
 日にちも、ちゃんと書いて、その日のターゲットの事や小島達の暴言を書いている。


 いじめは、こういう証拠を残したりすればまだいいらしい。
 けれど小島達は、暴力や悪戯をしていないので、写真を撮る事は出来ない。


「……次はボイスレコーダーか」


 俺は、馬鹿げている事をしているあいつ等のいじめを止めたかった。
 でも俺は、一人で居る。だから、止めても予想は出来ている。逆に自分が危ないかと思う。


 だから、こうやってちまちまと証拠をそろえている。
 明日からはボイスレコーダーで証拠をさらにそろえる。


 今は無理だけど、いずれ酷くなった時にこれを見せればきっと止められる。
 あの学校の先生達が、信じるかどうかは別として。


「藤原先生に見せてから……か。難しいな」


 そう呟いた時、ドアをノックされた。


「お兄ちゃんー。"翼をください"のCD貸してー」
「ちょっと待ってくれ」


 妹の未来(みく)だったか。 
 俺は立ち上がると机の上に置いてあった、CDを手に取った。


「未来、何でこのCD?」


 ドアを開けながら、俺はそう聞いた。
 未来はセミロングの髪を揺らしながら、こう答えた。目つきは鋭いが、これが素だ。


「んー。この曲気に入ってるから」


 そう言いながら、CDを受け取る。


「お兄ちゃん、ありがとー」


 そう言って、未来は笑った。嬉しそうに鼻歌まで歌いながら。


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