大人オリジナル小説
- ショコラにはコーヒーを添えて完結(BLR18)
- 日時: 2022/11/17 20:22
- 名前: 白楼雪
ショコラにはコーヒーを添えては、BLR18短編です。
ただただ、作者が好きに書くものなので、その辺ご了承下さい。
とある大型犬系ショコラティエとドライ系サラリーマンの恋愛です。
2021/10/3 閲覧数500突破 いつも読んでくださりありがとうございます。
今年の9/7から少し多忙な日々を過ごしておりまして、なかなか更新出来ずに申し訳ありません。
あともう少ししましたら落ち着く予定ですので、それまでお待ち戴ければ幸いです。
2022/2/10 ショコラにはコーヒーを添えて。完結いたしました。
甘甘なラストとなりましたが、まあまあ王道かなと。
今後は官能小説の方で主従NLR18を書いていく予定です。
過去作今作共々新しい作品もぜひよろしくお願いします。
2022/11/17 閲覧数1000突破 何時も皆様読んで下さり、ありがとうございます。
最近は私自身筆のペースも落ちてしまい、現在更新中の
官能小説やBL小説の進みが遅くなり申し訳ない限りです。
ですが、今も誰かが読んでくれている事を幸せな宝物として、
これからも頑張ろうと思います。
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- Re: ショコラにはコーヒーを添えて(BLR18) ( No.12 )
- 日時: 2021/05/30 11:56
- 名前: 白楼雪
ただの買い物ならば、散歩程度ならば近隣のスーパーマーケットや公園等で良い。
それを宮谷は、心を紛らわす為だからと心の中で言い訳を重ね、最寄り駅へと迷いなく向かい慣れた動作で改札を通った。
目的地は小さな街。絵画の一片を思わせる少しお洒落な街だ。
「これは、ただの気分転換。意味はない」
電車を降りて、改札を抜ける。駅から外に出れば、涼しい風がふわり触れて通り過ぎていく。
心地良い風。薄手の上着でも肌寒さのない気温。青い空に薄い雲がゆっくり流れる。
だが、宮谷の眉間には僅かに皺が寄り、彼の口から溢れるのは暗示のような小さな言葉の数々だった。
「今日は土曜日。買い物と、気分転換に来た。それだけ」
駅を出て歩道を歩く宮谷の歩調は、何時もより心なしか早く、かといって急いて向かう場所もないままだ。
思考を埋めるのは麻生の事と彼の経営するショコラ専門店の事。そして宮谷自身にもわからない、頑なに『麻生さんに会いに行くのは明日である』という意地だけだった。
そんな事ばかりを考えていたからだろうか、宮谷の右足が不意に小さな窪みの様なものに引っ掛かり、宮谷の身体のバランスが崩れる。
「あ…!」
身体のバランスが崩れ、宮谷の意識が我に返るが、その時にはもう既に遅い。
石畳の歩道に転ぶ瞬間を思い、宮谷が強く目を閉じた。
「えっ!?危ない!」
だが、結果として宮谷が石畳に膝をつくという結末は、どうやら避けられたらしい。
代わりにある感覚は宮谷の背に伝わる温かかな温度と、宮谷の腹部を支えるように押さえるしっかりとした感触。それとほろ苦いショコラの香りだった。
「え…?あれ、俺」
ゆっくりと瞳を開き、宮谷は自身の腹部を見下ろすと、そこには誰かの頼りがいのありそうな腕と綺麗な手が見え、背からは体温のような心地好い温度が感じる。
今、自身は石畳の隙間に足先を引っ掛け、転びそうになっていたはず。
だが、この状況を考えると、誰かに助けられた?いや、現状、助けられているのだろう。
一先ず助けてくれた人に一言お礼を言わなくてはと、宮谷は改めて身体のバランスを整え、背後を振り向いた。
「すいません。少し考え事をしていました。助かりまし…た…。って、え?」
振り向き見上げた宮谷の視線の先にいたのは、なんと麻生だった。
「ああ、びっくりしました。宮谷さんだったんですね」
柔らかい笑みを浮かべた麻生は、服装こそ私服姿だったが店にいる時と変わらない、穏やかな雰囲気を纏ったままだ。
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