大人オリジナル小説

ショコラにはコーヒーを添えて完結(BLR18)
日時: 2022/11/17 20:22
名前: 白楼雪

ショコラにはコーヒーを添えては、BLR18短編です。
ただただ、作者が好きに書くものなので、その辺ご了承下さい。

とある大型犬系ショコラティエとドライ系サラリーマンの恋愛です。


2021/10/3 閲覧数500突破 いつも読んでくださりありがとうございます。
              今年の9/7から少し多忙な日々を過ごしておりまして、なかなか更新出来ずに申し訳ありません。
               あともう少ししましたら落ち着く予定ですので、それまでお待ち戴ければ幸いです。

2022/2/10         ショコラにはコーヒーを添えて。完結いたしました。
              甘甘なラストとなりましたが、まあまあ王道かなと。
              今後は官能小説の方で主従NLR18を書いていく予定です。
              過去作今作共々新しい作品もぜひよろしくお願いします。

2022/11/17 閲覧数1000突破 何時も皆様読んで下さり、ありがとうございます。
               最近は私自身筆のペースも落ちてしまい、現在更新中の
               官能小説やBL小説の進みが遅くなり申し訳ない限りです。
               ですが、今も誰かが読んでくれている事を幸せな宝物として、
            これからも頑張ろうと思います。

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Re: ショコラにはコーヒーを添えて(BLR18) ( No.8 )
日時: 2021/05/04 04:18
名前: 白楼雪

「あの、俺、何か可笑しな事言いましたか?」
店員の笑う様子に、宮谷は訝しさ半分不機嫌さ半分で感情を抑えながら問い掛けた。
するとそんな宮谷の様子に落ち着きを取り戻したのだろう。
店員は慌てたように意図を口にし始めた。
「あっ、いえ違います。そうではなくて…。こういう仕事をしているとお客様は神様、とまでは言い切れませんが、やっぱり俺達のような店員側が気を付けるのが主になってしまって…」
辿々しく、その中に発せられる言葉は他の客への気遣いも見える。
その様子から、彼は店員としても一人の人間としても心根の優しい人だと宮谷には感じ取れた。
「さっきのは、急に振り向いた俺が悪かったんです。だから、それが誰でどんな立場であろうと、心配するのも謝るのも当然の事だと思っているだけです」
呆れた声で宮谷は答え、気にしていないと小さく横に首を振る。
例え店員に誠実な対応をする客が物珍しいと思われても、宮谷は気にも止めない。
不誠実な人間よりも誠実な人間である方がずっと良いと思うし、宮谷はそんな誠実さを大切にして生きたいと日々思っているのだから。
それをこの目の前の男性にも思ってもらえているのなら、それはどちらかと言えば喜ばしい事なのだから。
そんな宮谷の姿に、男性店員は僅かに驚きの表情を浮かべ、その直ぐ後に小さな微笑みを浮かべた。
「本当に申し訳…。いえ、ご心配してくれてありがとうございました。ごゆっくりお召し上がり下さい」
再度謝罪の言葉を口にしかけ、店員は改めて感謝の言葉へと変える。
そして宮谷が注文をしていたコーヒーとショコラをテーブルに乗せ、そっとショーケースの奥へと戻って行った。
その背を見守る事もなく、宮谷はショコラを一つつまみ、三割程噛み口に含む。
ビターチョコレートのコーティングは程好い苦味と深い香りを口腔から鼻に抜け、ミルクガナッシュの柔らかな甘味が身体に染み入るように溶けていく。
その甘さが残る口腔に、温かなホットコーヒーを一口流し込む。
ブラックコーヒーの苦味は、このミルクガナッシュの甘味と交ざりあうと絶妙な旨さとなり、宮谷の心を癒していく。
「旨いな…。凄く相性が良い」
一口ガナッシュを口に入れる。それを溶かし、コーヒーを流し込む。
それらを黙々と繰り返し、宮谷はこのショコラとコーヒーを楽しむ事に夢中となっていった。
先程まで元彼女の事を考えていたというのに、そのささくれた思いまでも、ショコラの甘味とコーヒーの苦味が苦痛を癒し溶けていく。

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