大人オリジナル小説

ショコラにはコーヒーを添えて完結(BLR18)
日時: 2022/11/17 20:22
名前: 白楼雪

ショコラにはコーヒーを添えては、BLR18短編です。
ただただ、作者が好きに書くものなので、その辺ご了承下さい。

とある大型犬系ショコラティエとドライ系サラリーマンの恋愛です。


2021/10/3 閲覧数500突破 いつも読んでくださりありがとうございます。
              今年の9/7から少し多忙な日々を過ごしておりまして、なかなか更新出来ずに申し訳ありません。
               あともう少ししましたら落ち着く予定ですので、それまでお待ち戴ければ幸いです。

2022/2/10         ショコラにはコーヒーを添えて。完結いたしました。
              甘甘なラストとなりましたが、まあまあ王道かなと。
              今後は官能小説の方で主従NLR18を書いていく予定です。
              過去作今作共々新しい作品もぜひよろしくお願いします。

2022/11/17 閲覧数1000突破 何時も皆様読んで下さり、ありがとうございます。
               最近は私自身筆のペースも落ちてしまい、現在更新中の
               官能小説やBL小説の進みが遅くなり申し訳ない限りです。
               ですが、今も誰かが読んでくれている事を幸せな宝物として、
            これからも頑張ろうと思います。

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Re: ショコラにはコーヒーを添えて(BLR18) ( No.1 )
日時: 2021/02/07 02:55
名前: 白楼雪

 プロローグ


土曜日の昼下がり。二月の澄んだ青空の中。宮谷(みやた)聡(そう)、二十七歳は初春の雨よりも冷える心を感じ立ち尽くしていた。
都会の街中。当然ながら休日は人が溢れており、普段ならば気づかずに済んだかもしれない。
だが、幸か不幸か彼は見てしまったのだ。
駅前のシンプルでお洒落なカフェの窓。そこから見える店内の窓際の席。昨夜も連絡を重ねた恋人が、知らない男と口づけを重ねている場面を。
ただの友人?いや、まさか。
友人同士で、それも異性の相手と人目の多いカフェで堂々とそんな行動するだろうか。
「浮気、だよな。はは…」
人間衝撃的な体験をしている時ほど案外冷静になれるものだと、宮谷はスマホのカメラ機能でとりあえず証拠写真を撮る。
苦笑いを浮かべながら保存を終えると、小さく溜め息を吐いた。
心当たりは、ここ二ヶ月前から連絡が少なくなった事ぐらいで、その頃の宮谷は仕事が忙しく彼女からの連絡がこない事を気にも止めていなかったのだ。
宮谷自身も彼女も互いに社会人で、仕事もある。繁忙期の忙しさも時間を作る難しさも、言葉にせずとも理解し合えていると彼は思っていた。
『話があるんだけど、時間作れる?』
数分悩んで送ったメッセージは、淡白なものだった。
『明日の午後なら、大丈夫。私も話したい事があるから』
すぐに返ってきた内容はやはり冷めたもので、彼の心は空虚な感覚へと落ちていく。
目の前に見えるカフェから目を逸らし、駅へと歩を進めていく。
今もまだ、彼女はあの男性と店内で楽しく過ごしているのだろうか。
駅へと向かう足取りは重く、それに反するようにこの場を早く離れたいという感情が心に広がっていた。
駅の改札前、電子カードを取り出し改札を抜ける。
自宅の最寄り駅に繋がっている路線の電車は、到着予定を五分も遅れていると、駅内アナウンスで流れていた。
普段は気にも掛けない数分が、今は酷く長く感じる。
たぶん明日、俺は彼女と別れるのだろう。
別れを切り出すのはやはり自分だろうか。
明日の、日曜日の午後を思うと、瞳から熱いものが込み上げてくきた。
頬に伝う感覚を確かめる気力もなく、その日、宮谷は自宅のマンションへと帰路についた。

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