大人オリジナル小説
- 昔書いた小説墓場〜1作品投下済み
- 日時: 2023/02/18 10:44
- 名前: htk
昔書いた小説の墓場です
まんまですね
草案に毛が生えた程度の未完作品が主な内容となっています
とある小説界の最下層には、作品になりきれなかった活字達の怨念が渦巻いているという
なので基本は投下してその後一切手を付ける事はきっとおそらく、今後何かの拍子に読み返してみて新たなインスピレーションが突然湧き出してこない限りは無いと思います
ぶっちゃけ他作品を手掛けている内に熱が失われてしまい、その後放置されていたという曰く付きの事故物件ならぬ、事故作品となっていますので扱いはくれぐれも慎重且つ丁寧に
尚、今後幾つ作品を投下するかは未定です
こうやってまた報われない作品が増えていくんですね
以下〜〜
〜〜魔女先輩は転移後即日死したおれを甦らせたい!?
(※12話投稿済み。言うまでもなく未完です)
>>1、目次
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- Re: 昔書いた小説墓場 ( No.13 )
- 日時: 2023/02/18 22:45
- 名前: htk
1章〜〜第1幕、6話
今後の指針について、皆と語り合う。
「……目下、そうね
私達を取り巻く環境がどんなものかを把握する必要があるのだわ?」
ーー私が切り出すと、後輩君が言葉尻を拾う
「見た感じは普通の森っぽいですよね
そんなに寒くないので常緑樹か落葉樹かは分かりませんけど」
「、、ですかね?
冬場なら確かに樹木に葉っぱが付いてるかどうかで落葉樹か常緑樹か判断が付きますが、そもそも四季があるのかどうかも分かりませんよ?
暫く経ってみない事には、、」
ーー沙梨亜ちゃんが指摘した。
現状、幾らヒョコ製便利アイテムがあるとはいえ、それも無限では無いのだ。
だから四季の移り変わりーー沙梨亜ちゃんが言うように季節が変わるかどうかを待っていたとしても、元居た世界と同じような感覚、早さで移り変わっていく保証は無い。
それを聞くと今度はテツヲが口を開く。
「確認がてら様子を見ようじゃねェかァ?
モンスターが居ればなァ、、」
ーーそれはあまり望ましくないだろう。
きっと腕試しでもしたいのだろう極悪ヤンキーにしてみれば渡りに船でも、今現在ーー私達にどれだけの事が出来るのかも未知数なのだ。
此処が異世界かどうかを判断するのにテツヲの言うようなモンスターーー或いは、元居た世界には存在し得ないものがあれば、此処がそうだと確認出来る。
しかし、私は少々の懸念を浮かべながらも小さく頷いた。
「……あまり気乗りはしないのだけれども、そうね
何か危険性があれば即時退却するつもりで、周囲を探索してみましょう
せっかくの異世界なのだから!」
「そうですね!
異世界だと良いなぁ」
ーー元々そのつもりで異世界に来たのだから、否やと口にする者は此処にはいない。
私達は確認がてら、異世界らしいものを見付ける為に二手に別れた。
日が落ちてきたらあの円形断崖へ戻る事ーー。
ーーそれがひとまずの取り決めだ。
あとは二手に分かれた理由についてだが、これはーー周囲が森林で覆われ、身を隠す場所が豊富な事が挙げられる。
わざわざ仮にモンスター及びーー敵対的な住人等が居たとして、それらから見付かる危険性を増やす事は躊躇われたのだ。
別行動を言い出した沙梨亜ちゃんは別れ際にガッツポーズを送ってきたからーーそこに他の意図があった事は否めない。
もし何かのトラブルに巻き込まれたら、その時点で少人数で行動する利点も喪われるのだから、どちらが良かったとも言いにくい決断だろう。
ともかくそんな経緯で私は今、後輩君ーーヒラト君と二人っきりだ。
今度こそーー。
「ヒ、ヒラ……後輩君」
「はい、リン先輩」
ーーヘタレてしまう。
すぐ横をなるべく物音を立てないように歩く彼の横顔をーー直視出来ない。
内心あたふたとしているのを悟られないよう耳を澄ましてみると、何かのーー虫の囀りのような音色は聴こえてくるから、生き物は居るのだろう。
「……少なくとも、虫の類は居るみたいね?」
「そうですね
、、苦手だったりしないんですか?」
ーー私が手近な葉から掬ったテントウムシーーに似た昆虫を見て、ヒラト君は若干青い顔をする。
「それを嫌がってたら魔女だなんて名乗れないのだわ……!
何を隠そう、私は前世の記憶を持つ大魔女なのだから……!」
「はは、そうでしたね
、、そういえば喚術陣を書く時もインクにミミズの磨り潰しとか混ぜてましたね、、」
ーーあまり思い出したくないらしく、彼はテントウムシに似た昆虫から顔を背けた。
そこから視線を外した後輩君は辺りをキョロキョロと見渡し、時々耳に手を当てている。
「何を探してるのかしら……?」
「川の流れとか、食料になりそうな木の実とかですかね?
、、飲食物が尽きるまでにライフラインを整えないと、さすがに生きていけませんし?」
ーー確かにそうだ。
此処が私の記憶の中の勝手知ったる異世界ーーだと仮定するならばと、無意識の内に楽観視していたらしい。
思い出される前世の記憶はほとんどが断片的なものだが、それらの情報を踏まえていた私は気付かされたーーという思いだ。
後輩君は改めてーー実験の仮定で以前にもしてきた質問をしてくる。
「モンスターらしい生き物は確か、此処がリン先輩の前世の世界なら居るんでしたね?」
「ええ……確か、魔物……。
……これは喚術陣に組み込んだ翻訳の術式が発動していると仮定して言うのだけれども、魔物を意味する異世界文字で人々から表されている筈なのだわ?
私の知っている限り……」
ーー少し不安になる。
私の知る前世の記憶は先にも述べたように断片的なものでしか無く、数少ない情報の中から目の前の現実を判断するしか無い。
物事には必ず見えない側面というものがあり、そうした闇の底無し沼に嵌らないとも限らないのだ。
何かを正しく判断するには、まず自分自身が無知であるのだと理解しなくてはいけない。
私が取り留めもない思考に囚われていると、後輩君が思い付いたように言う。
「そうだ、あれ使ってみましょう!モノクル!」
「え……?ああ、あれね!」
ーー彼は自分の荷袋から、眼鏡の片側だけが欠けたようなモノクルーー片眼鏡を取り出した。
早速かけてみたようだが、難しい顔をしている。
「ううーん、どうやって使うのかなぁ?
紅い金属の縁取りだし、リン先輩の箒と同じですよね?」
「フィフィーロカネンね……。
けれども……それを感応させるには通力解放で外部のプラーナへと干渉出来ないと無理なのだわ?
……貸してみて?」
ーー彼から片眼鏡を受け取り、左目にかけてみた。
途端ーー。
ーーモノクルに込められた術式が起動したらしく、辺りに幾つもの数字が浮かんだ。
「何……かしら?
大小様々な……数字?」
「え?数字?
もしかしてステータスですか?」
「……ちょっと待って?」
ーー後輩君の質問を遮り、浮かび上がった幾つもの数字に集中する。
異世界小説によくあるようなーーステータスを表示するものでは無い。
たぶんーー。
「……ええと?そこらの木から浮かんでる数字はだいたい4、500から大きい数字で1000を超えるぐらいね?
それから、ああ……さっきのテントウムシ……は、たったの6しか無いのだわ……?」
「え、、?もしかしてスカウターですか?」
ーー後輩君が言ったのは、戦闘力が分かるとかいう例のアレだ。
テツヲに勧められて私も半分くらいはその漫画を読んだ事があるが、どうにもーーその作品に登場するスカウターとは別物のように思う。
「あら……ちょっと待って……!?そこの草……」
「え?これですか?」
「そうそう、それなのだわ……!
2800から、3500……いいえ、上限3600ね……?」
ーーそこにあった何処にでもありそうな雑草の中から一つを手に取ってみる。
どれも同じ種類の草だ。
ギザギザの扇状に伸びた葉先のそれはさて、何なのだろうーー?
ーー他の種類の雑草を見ても、数値の高いもので4、50といった程度だ。
「薬草、じゃないですか?ひょっとすると」
「薬草……?そうかもしれないわね……」
ーー判断は保留しながらも、私もその可能性は高いように思えた。
「それじゃあ、ちょっと摘んでいきましょう!
これがもし薬草なら、いきなり幸先良いですね!」
ーーそう言って後輩君は、薬草らしき草を幾つか抜いた。
その際、何気なく見ていたが浮かび上がっていた数値は半分近くまで下がった事を確認する。
何か、命の灯火でも指しているのだろうかーーとも思ったが、抜かれた薬草が1500以下になった様子は無い。
思索に耽りつつ、私は判断を保留した。
>>14、次の話
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