大人二次小説(BLGL・二次15禁)

オリジナルBLちょっとH?な続編です2(完)
日時: 2015/12/30 00:23
名前: ハル

ハルです。

BLGL……から移転しました。
なので、続きになってしまいます……申し訳ありません(>_<)
「オリジナルBLちょっとH?な続編です」と、書き方の違う最初の作品「サクラサク」の続きになりますので、初めての方には、読みづらいかと思います。
本当に、申し訳ありません(;>_<;)

ただ、作品への愛情だけで書いてます(汗)
読んで下さったら、光栄です。
よろしくお願い致します(T^T)


現在までの登場人物
*颯(そう)……皆から愛されている、超美形の高校生。世界的に有名な神崎グループの御曹司の一人。頭も良く、仲間への想いは人一倍強い。
*海(かい)……颯のいとこ。颯を溺愛する、IQ180の天才。颯に似てかなりの美形だが、性格は颯以外には冷徹。同じ歳だが、既にグループの事業に関わり、大きな存在感を出している。飛び級で、今は大学院生。
*大和(やまと)……関西を拠点とする、全国でも随一の組織、竜童会組長を父親に持ち、自分も若頭を名乗る極道者。組長の指示で関東へ乗り込み、親父としての指示で高校だけは卒業する為に、颯のいる高校へ転入。颯に一目惚れする。いつも真っ直ぐな大和に颯は翻弄される。
*淳(じゅん)……颯とは古い付き合い。ずっと、密かに颯を想っていた。大和が現れて、少しずつ変化していく。生徒会をしたり、サッカー部でもエースで、優しく人望も厚い。
*翔太(しょうた)……中学からの同級生達に、ずっと弄ばれていた。颯が、そんな翔太を助ける。翔太も、颯には頭が上がらないが、心の底では淳が好き……?
*田城一真(たしろかずま)……淳と同じ生徒会、サッカー部。淳が好きで気持ちは伝えている。颯の事が好きでも、支えてやりたいと思っている。
*早川拓実(はやかわたくみ)……神崎グループに次ぐ巨大財閥早川グループ御曹司。颯達の先輩。一見人当たりは良いが、内面はプライドが高く、負けず嫌い。自分より優秀な海に敵対心?がある。




「…………はぁ……」
西校舎の屋上、お気に入りの場所に颯はいた。
給水塔のコンクリートの土台に座り、一人、深い溜め息をつき、空を見上げる。
「駄目だな………最近、溜め息ばかりだ……」
そう呟き、遠くを見つめる姿もまた、艶やかで美しかった。颯自身、気付いてはいないが、海達のような周囲から羨望の眼差しを受ける男達に愛され、求められている事が、颯をますます綺麗で色香漂う人間へと成長させていた。
「ホンマやで。ここんとこ、俺が見つけた時は、溜め息しか出てへんやん」
「大和………っ」
いつからいたのか、給水塔の鉄柱に寄りかかり、笑顔を見せる大和が立っていた。
「……………久し振りやな、この場所。初めて……ここでお前を見た時は、向こうの山に桜が咲いとって、お前の姿と桜の色がホンマようマッチして綺麗やったっけ………。思わず、見とれたの今でも覚えとるわ」
大和は懐かしそうに、向かいの山に目を向け颯に語りかけた。
制服をいい感じに着崩し、シルバーのリングやブレスをオシャレに付けた大和は、一見すると背中に彫り物をした極道者だとは思えない、格好いい男子校生にしか見えなかった。
「ま…今の颯は、桜なんかのうても、十分過ぎる程綺麗やけど」
「な……なに言ってんだよっ。ホントにお前は、そう言う事を平気で言う………っ」
満面の笑みを向ける大和に、颯は顔を赤くして目を反らした。
「だって、綺麗なもんは綺麗なんやから仕方がないやん。美人は3日で飽きる言うけど、アレ嘘やで。1分、1秒でも会う度に惚れていくねんから」
「ば…………」
馬鹿か!?……と、叫びそうになったのを、颯は飲み込んだ。大和のこんな所に、いつも調子を狂わされる。
颯は、立ち上がりながら、再び小さな溜め息をついた。
その溜め息が終わらないうちに、大和は颯の腕を引っ張り、抱き寄せた。
「やま………と!?…」
一瞬の事に、颯は身動きが取れなかった。
自分より、少し背の高い大和の胸の中に、吸い込まれるように入ってしまった。
「……………その、溜め息の原因の一つは、俺か?………溜め息ばかりついとったら、俺が食べてまうで」
「………大和…………」
さっきまでの大和とは、明らかに声のトーンが変わっていた。
颯の身体に、緊張が走る。
「………前にも言うたやろ。誰も、お前を責める気なんかないて。俺達が、勝手にお前に惚れとんねん。お前が苦しむ必要ないんや」
大和の、静かに話す言葉が、颯の中に染み込んでいくようだった。
「……んな………そんな訳にはいかないよ。淳も……お前も、皆………凄くモテて、人としても素敵なのに、俺一人がハッキリしないせいで、皆を留めてしまってる……。皆の……これからを台無しにしている気がするんだ。………欲張りで、卑劣で、絶対に許されない……………」
大和の胸の中で、颯は顔を埋め、苦しそうに心の内にあるものを吐き出した。
「アホ………。お前より、ええ女がおらんのやからしゃーないやん。俺らは、お前やないとあかんねん。お前やないと、何も楽しゅうない。焦って結論出さんでええから、頼むから………自分を責めんでくれや」
「大和………」
いつからだろうか……気付いたら、苦しい時にはいつも大和が現れていた。大和流な優しさが、何度自分を暖めてくれただろうか………颯は、海の前でしか泣いた事がなかった目が、潤んでいる事にハッとした。
「…………ご……めん………」
絞り出す颯の声に、大和は胸が熱くなった。
「しつこいで。お前は、悪くない。…………悪いんは、お前に惚れてもうた……俺らや。いや、ベタ惚れした俺か?」
冗談っぽく、大和が颯に笑いかける。そんないつもの大和の冗談が、颯に笑みを呼ぶ。
「…………ばか………」
照れくさそうに言う颯を、大和は愛しい目で見つめる。
「………馬鹿や……お前に、全部持ってかれてしもうた、大馬鹿野郎や………。…………かんにんな………お前に惚れてもうて」
大和の手が、颯の手を優しく握りしめた。
「大和……………。………海と………海と、同じような事言うんだな…………」
颯の中で、海から言われた愛の言葉が、今の大和の言葉と重なっているように思えた。
「………え………」
颯の話に、大和の表情が一変した。
「海に…………海に、惚れてるって言われたんか……?」
心臓が、嫌な高鳴りを呼び起こすのがわかった。
颯を握る手に、自然と力が入っていた。
「……あ……………いや……」
大和の様子に、颯も不安を募らせる。
言ってはいけない事を、言ったのかもしれない…………。
「正直に言えや。海が、お前に惚れてるって言うたんやな!?」
「大和………痛い…………」
今まで、自分の感情を隠していた海が、颯に気持ちを伝えた?………一番警戒して、一番ライバルにしたくなかった奴が、ついに動き始めた………!?
大和の奥深くで、今まで以上に強い感情が沸き上がろうとしていた。


続く………





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Re: オリジナルBLちょっとH?な続編です。2 ( No.19 )
日時: 2015/05/25 11:05
名前: ハル

「翔太、大丈夫だった………?」
放課後の生徒会室、いつもの様に田城と淳が生徒会の仕事に追われていた。
「……………淳?聞いてる………?」
田城は長机に座り、目の前にある過去の生徒総会のファイルを開きながら、隣でパソコンを開いている淳に声をかけた。
「淳…………?」
「え……?あ、ああ………ごめん……えっと、何だっけ?」
田城の声もまともに届いてない様子の淳に、田城が顔を近付け溜め息を漏らす。
「…………キス、するよって言った」
「はっ!?……え?キ、キス!?」
田城の言葉に我に返ったように、淳は慌てて答える。
「嘘だよ。淳が………全然話聞いてないから、言ってみただけ」
「……ああ…………そう………」
嘘と聞いて、ホッとした顔を見せる淳に、田城は少しムッとした。
「俺とのキス、そんなに嫌?露骨だな……」
「いや…………ご、ごめ……」
淳が気まずそうに謝ろうとした途端、田城が淳の唇を奪った。
「………っ………!……田城……っ」
「余計にしてやる」
「……あ、あのな………っ……」
淳は顔を赤くし、咄嗟に手で唇を押さえた。
眼鏡越しの田城の目が、淳を優しく見つめ、たまらず淳は目を反らす。
「…………何か、あったんだろう?翔太と………。あれから、授業中もずっと変だからさ……」
「よく…………見てるな……」
困惑する淳を尻目に、田城は笑顔で話す。
「見てるよ。好きな奴の事だから………。お前が神崎に惚れてるってわかってても、簡単に好きは止められないからね」
「………田城………」
田城の行動に戸惑いつつも、淳は田城の側から動けずにいた。
「ホント、どうしたんだよ?いつも冷静なお前が、何も手につかないなんてさ………」
「………ん………」
淳は言葉に詰まり、考え込んだ。
今朝見た事を、どうしたらいいか………自分でもわからない。聞かなかった事にしても、聞いた事が自分には衝撃過ぎて、動揺してしまう。
かといって、デリケートな話に、人に相談も出来ない………。黙り込む淳に、田城は益々気を揉む。
「何?好きとか言われたワケ?」
「えっ…………!」
投げやりに言った田城の台詞に、淳は声を大きくして今日一番の反応をした。
「えっ……!?マジ………っ…!?」
その反応に、田城も声を大きくして驚く。
「いや、違うっ……言われてはない!言われてはないんだ………っ。………ただ、大和と話しているのを聞いてしまっただけで………言われては………ない」
パソコンの方へ目を向け、淳は机に肘をつき頭を抱えた。
「でも…………正直、本当に動揺した。俺は、颯だから………颯だから男でも好きになれたと思えてたから…………それが、翔太が俺を……なんて…………」
淳には、ただただ…………混乱しかなかった。
「いやいや…………ちょっと待って。俺は?俺も、翔太と立場は同じじゃないの?俺、論外って事?」
さっきから、男である翔太の気持ちに悩む淳に、同じ同性として田城が呆れて言った。
「あ………………」
「あ…………って!ひど…………キス位は、してる仲なのにな」
「ごめんっ…………いや、その………お前は、何だかんだ言って、そうやってキスとか……抱きついて来るから…………えっと……ん………」
「ん…………で、終わりかよ………」
淳の自分への対応の悪さに、田城は苦笑いをして眼鏡を外した。
「まあ………それだけ、お前が自然に受け入れてくれてるって思っとくわ」
そう言うと、田城の手が、淳の頬を捉える。
「ちょっ…………た……」
淳が手を振り払おうとする前に、田城の唇が淳の唇と再び重なり合った。
「神崎の事は、俺も立ち入れないって思ったから、諦めてたけど…………翔太は、嫌だな。翔太に………お前は譲れないよ………」
田城は淳の腕を掴み、そのまま椅子から床に引きずり降ろした。
『ガッターン』
「た……田城………!?」
椅子が倒れる音が生徒会室に響き、自分を押し倒す田城に、淳は心臓が破裂しそうな程ドキドキした。…………この流れは、ヤバい……………さすがに、淳も焦った。
「ま、ま………待て!ここは、学校だぞ!?人来るって!」
「大丈夫。鍵、閉めてるから」
なんとか切り抜けようとする淳に、田城は笑顔で話す。
「はあ!?いつの間に………」
「…………お前、なに話しても上の空だったから、二人っきりになりたくて、閉めてやった………誰も、邪魔は入らないよ。第一、校舎の端にある生徒会室は、滅多に人が来ないだろ」
田城は淳に言いながら、淳のネクタイを弛め、シャツのボタンを一つずつ外していった。
「田城…………っ」
「俺だって、お前だから男でも好きになったんだぜ?神崎以外の奴には、負けたくないよ…………」
「……な……に……………んっ……」
淳の首筋に、田城の唇が触れ、開けられたシャツの隙間から田城が緩やかに手を入れてきた。
思わず淳は、田城の制服を握り、声を漏らした。
「クス………感度いいな…………可愛い……」
「ば、馬鹿…………止め………」
淳の言葉を遮るように、田城は口づけをして、その間へ舌を滑り込ませた。
戸惑う淳の舌を強引に絡めてくる田城の舌に、徐々に淳の力も入らなくなっていく。
「……っ………っん……」
「淳…………好きだ…………」
「た………しろっ……」
淳の唇から垂れる唾液を、田城は舐めり取り、唇を淳の首筋から胸元へずらしていく。
「……ぁあっ……」
たまらず反応する淳の身体を、田城は嬉しそうに刺激し、空いた手を淳の下半身へと流した。
田城の手が、自分の半身を探るようにスボンの中へ忍び込んでくる感覚に、淳の思考も少しずつ麻痺させられる。
「だ……駄目だ……そこは………っあぁ」
「そこは…………何………?」
淳の半身を捉え、軽く擦り握り締めて刺激した。
焦らされる田城の手の動きに、淳は田城にしがみつく。
「…………っだぞ…………卑怯だぞ………田城……んっ」
「卑怯?じゃあ………どうして欲しい?何でも、してやるよ………淳なら……」
「た……田城……っ…………はぁっ……」
田城は淳にキスをして、半身を握る手を上下にゆっくりと動かしていった。
「あぁっ…………やっ………あっぁっ…」
「大きくなってきた…………淳は、どっちがいい?入れたい?入れられたい?…………俺は、どっちでもいいよ。お前と、一つになれるなら…………」
「………はあっ……んっぁ……た……し……ろっ……」
生徒会室の窓から、夕焼けの茜色が射し込み、二人の身体を一層と熱く照らした。


「大和っ……」
放課後の生徒達も少なくなった廊下で、大和を呼ぶ颯の声が広がる。
「………颯……」
廊下の柱に、腕組みをしてもたれ掛かっていた大和が、颯の姿に顔をゆるませた。
「ごめん……待った?ちょっと、翔太と話してたから」
「翔太と………?」
大和の反応に、颯は笑顔で大和を見上げた。
「今日の事…………聞いたから」
「え…………」
「翔太が、大和に助けられたって………凄く、感謝してた」
「ああ…………なんや、あいつお喋りやなあ……」
大和は髪を掻きながら、窓から外を見た。
「…………ありがとう………俺も、スゴく嬉しかった……」
頬を赤く染め、本当に嬉しそうに笑みを浮かべる颯の顔に、大和の胸は熱くなった。
「お前が守りたいものは、守ったるよ。当たり前の事や」
「……大和………」
大和の言葉に、颯は目を潤ませて大和を見つめる。
「あかん…………それ、反則」
「え………?」
大和は颯に顔を近付け囁く。
「お前が欲しくて我慢出来ひんようになる」
「あ…………」
大和の囁きに、颯は戸惑いながら一段と赤くなった。
「クス…………でも、ホンマ……助けたらんとな。翔太………」
困ったように少し俯く颯の、頭を優しくポンッと撫でて、大和が颯に静かに言った。
「………やま……と……」
「………皆、少しずつ変化していく中で、翔太もちゃんと変わらんとあかんやろ?……………せやけど………淳が翔太をどう思うかやなあ………」
翔太の事を考え、遠くを見るように呟く大和を、颯は頼もしく感じた。
「…………そう言や、淳…………どこにおんねん。今日、見てへんわ………」

そんな会話を、大和と颯がしている中、淳は翔太の事を考えられないような状況に陥っていた……………。











Re: オリジナルBLちょっとH?な続編です。2 ( No.20 )
日時: 2015/05/25 15:00
名前: ハル

「………んっ………ぁ……」
人気のない閑散とした廊下の片隅、『生徒会室』と書かれた表札の扉の向こうでは、淳の悶える声が溢(こぼ)れていた。
「淳………気持ちいい?」
床に横たわり、目の辺りを手で覆って息を荒くする淳に、田城は顔を覗き込むように問い掛ける。
「ば……馬鹿………田城っ…」
淳は、田城の手の動きに反応する身体を堪えながら、声を絞り出す。
「馬鹿でいいよ…………淳が、俺に感じてくれるなら……」
そう言うと、田城は自分の口の中へ、淳の半身を加え入れた。
生暖かい田城の舌が、淳をより快感へと導く。
「はぁぁっ……!た……しろっっ………うぁっ……それ……ヤバいって!!あぁっ……」
ゆっくりとした田城の手の動きと、いやらしく舐める舌の動きが合わさり、淳の半身はますます固く張りを大きくする。
「凄………淳の身体、たまんないね………。俺も、興奮してきた……」
田城は淳の上に股がり、自分の制服を脱ぎ始めた。
二人共、小学生の頃から続けてきたサッカーの成果か、シャツから露になった身体は、お互いにとても締まった美しい筋肉を見せていた。
「田城…………っ……」
高揚した表情の淳が、自分を見下ろす田城を見つめる。
「もう…………後戻り、出来ないな………淳……」
田城はそう呟くと、淳の筋肉に自分の筋肉を重ねた。
「お前が……そう仕向けたんだろ……」
「クス…………だね……」
淳の首筋に顔を埋めて抱きつく田城からは、朝練後に浴びたシャワーの石鹸の香りが、まだ微かに残っていた。
「…………………入れていい?」
自分に密着した田城の髪の毛を撫でるように触り、淳は生徒会室の天井を見ながら、おもむろに訊ねた。
「え……………」
思いもしなかった淳からの誘いに、田城の顔が赤く染まる。
そんな田城の腕を掴んで引っ張ると、今度は淳が田城を見下ろした。
「……淳……………っ……」
「お前が、こんなにしたんだぞ。…………俺の身体…………」
全身が、一気に緊張していく田城を尻目に、淳は真っ直ぐに田城の目を見て、自ら唇を重ねる。
「………んっ………本当に……一つになれるんだな………」
「………ああ、なれるよ……。……………お前に………根負けした…………」
嬉しそうに聞き返す田城に、淳は今度は激しく舌を絡ませた。
田城の腕が淳の背中に回り、淳の指が田城の中へと少しずつ入り込んでいく。
「あぁっ………いっ………淳っ……」
自分を攻める指の感触に、田城がたまらず身体をよじらせる。
「まだ締めるな………俺のが欲しいなら、ちょっとずつ広げなきゃ………田城……」
「………しい…………欲しいっ……ぁっ……淳のが、欲しいっ………あっあぁ………」
恋愛感情があるのか…………そんな事はわからない。ただ……田城の作り出した淫らな流れに、淳の欲望は既に止められないものへと堕ちていた。
「田城…………田城…………っ」
一途に自分を求める田城に、淳は何度もキスをした。
「…………淳っ…………ぁんっ……嬉し過ぎて………おかしくなる………っ」
自分を攻める淳の指の動きが、田城の半身を破裂しそうな程大きく伸ばす。
「んぁあっ……ダメ……………はっ……俺が出そうになる………淳っ………早く…………あっ…ぁ………入れろよっ……」
「駄目だ………まだ痛いって………」
「痛くてもいい…………俺に、入れて………っ……んぁあっ」
田城は、涙目になった顔を淳に近付け、唇を求めた。
「………田城…………」
「淳が………好きなんだよ………好きで好きで、たまんないんだ………」
火照る身体を淳に寄り添わせ、田城はその半身を握り、自分の中へ導いていく。
「お前のも、こんなに固くなってるじゃないか…………我慢出来ないだろ………っ。俺の中へ…………全部出せよ…………」
懇願する田城の誘いに、淳は田城の身体を抱き寄せた。
腰を少し起こし、脚を広げ、自分の半身を田城の興奮する中へと徐々にめり込ませる。
「いいか?痛かったら、ちゃんと言えよ………」
「………った…………ぁあっぁっ……わかったっ……んっはぁぁっっ」
ジュポ……いやらしい音がして、田城が淳のものを少しずつ飲み込んでいく。
「………っ……た………しろっ……凄い……締めるっ……あぁっ」
田城の身体の気持ち良さに、淳は一気に全身が痺れる感覚に捕らわれる。
「ああぁっ……っ………うぁっ…淳っっ…………淳っ……ぁ……息出来ないっ……」
たまらず、田城は淳にしがみつき、顔を歪ませる。
「だ……大丈夫か………田城っ……」
「いいから…………いいから、もっと……ぁあっ……もっと深く………してっ。淳を、もっと俺に………ちょう……だい………っ」
「…………田城………っ」
田城の想いに答えるように、淳は田城の中へと腰を突いた。
その動きが段々早さを増し、初めは痛く感じていた田城の身体も、快感へと変化していき、喘いでいた。
「あっあぁっ……じ……淳っ………いいっ……イクッ……はあっぁんっ……イクよっ……淳っっ…………イクッッ……っぁああっ」
「………しろっ…………俺もイク………ああっ……イクッッッ………んぁああっ……」
田城の中へ、淳の体液が脈打つ様に流れ込み、二人の身体の間を、田城の体液が流れ落ちていった。
「…………っ…………くぅ……マズ……マジで最後までいっちまった………」
揺れる肩を支えるように、淳は田城の胸元に身体を沈めた。
「はぁ……はぁ………作っちゃったな…………既成事実………」
淳の身体を抱き締めて、田城は息を途切れ途切れに、微笑んだ。
「き…………既成事実……て………」
「……………付き合ってとは言わない。でも、側にはいたい………」
困惑する淳に、田城はキスをして寂しそうな顔をした。
「……………そんな顔するなよ。ちゃんと、考えるから………」
田城の顔へ手を当て、淳は優しく言った。
「淳……………」
淳の言葉に、田城は抱きついて喜んだ。
「はー…………しかし、俺……何やってんだろ………。颯の事も気持ちに整理出来てないのに、翔太に……………オマケに、田城まで…………。………っとに、どうしようもないな………」
「オマケって言うな。オマケって…………。どんだけ俺、扱い悪いんだよ」
頭を痛める淳に、田城は呆れて突っ込んだ。
「ああ………ごめん、つい………」
「つい…………じゃない。ったく………」
ふて腐れる田城を、淳は可笑しそうに見つめた。
颯達とは関係ない、ずっと一人で頑張ってきたサッカーや生徒会と言った淳だけの世界が、ここにはあった。



続く…………。

Re: オリジナルBLちょっとH?な続編です。2 ( No.21 )
日時: 2015/05/28 18:43
名前: ハル

『日曜日』
休日の街中、オシャレなカフェや雑貨店が建ち並ぶ一角に、颯は立っていた。
浅いVネックの、白い七分袖Tシャツを着て、黒のパンツに黒のスリッポン、腰に赤のチェックシャツを巻いて佇む、綺麗な顔立ちの颯の姿は、ファッション誌にでも載ってそうな絵になるものだった。
「………少し、早かったかな………」
小さく呟き、考える様に唇に指を持っていく颯の仕草が何とも言えず色っぽく、周囲を歩く人達はますます目を奪われた。
「…………ねえ、君………」
これで何度目だろうか、数分に一度、そんな颯に耐えきれず声を掛ける輩が出て来る。
「………はい………?」
ふいに呼ばれ、颯が振り向くと、上質なジャケットを羽織った、インテリ風な40代位の男が側にいた。
「20万払うから、どうかな?」
「は…………?」
呆れた顔の颯を間近で見た男は、遠目で見ていたよりも一段と美しい颯の顔に、目を輝かせた。
「いや、君ならもっと…………」
鼻息を荒くし、興奮気味に近寄って来る男に、颯は思わず後ずさりする。
「ちょ…………」
柔らかい髪を揺らし、二重瞼と重なる長い睫毛から覗かせた少し茶色い潤んだ瞳が、男のいやらしい目付きに完全に引いていた。
「オッサン、そいつには一億積まれても足りひんで」
颯に近付く男の後ろから、男を止める関西弁が聞こえてきた。
「大和…………っ!」
その声に、颯の顔が一瞬で嬉しそうに緩んだ。
「何言って…………」
男が眉をひそめ、振り向こうとした瞬間、大和の手が男の手首を掴み、後ろへ捻り曲げた。
颯が後ろに目をやると、上品なロイヤルブルーのコットンジャケットを羽織り、袖口を捲り上げ、Uネックの白いTシャツに、ベージュのパンツを少しロールアップして、白×青のボーダー柄のスリッポンを履いた、また普段以上にオシャレな大和が、いかにも機嫌悪そうに男を掴んでいた。
「いてっ!いてててっ………や、止めろっ!痛い!!け、警察呼ぶぞっ」
大和に腕を捻られ、苦痛に顔を歪ませる男は、たまらず叫んだ。
「チッ……アホか、てめぇ。呼べるもんなら、呼んでみろや。お前が颯を金で買おうとしる方が犯罪やろが。汚ねぇツラして、颯に近寄りやがって………二度と近寄れへんように、両足の骨、粉々にしてまうぞ………コラッ……」
周りに人だかりが出来はじめる中、大和は男を睨み付け、低く重い声で言い放った。
「ひっ…………」
大和のただならぬ空気に、男は必死にもがいて大和の手を振り払うと、転びそうになりながら身体を離した。
「あっ………てめ……」
「こ…………殺されるっ…………」
青ざめた男は、縺れる脚を支えるように、慌てて去って行った。
「オイッ………」
「大和っ…………もういいってっ……」
逃げる男を追いかけようとした大和を、颯が腕を握って引き止める。
「何言うてんねん!お前にナメた真似した落とし前は、つけさしたる。ああ言うとぼけた野郎は、痛い目見いひんとわからんのや……っ」
大事な颯に近付いた事に、大和は苛つきが収まらなかった。
「………そんな事してたら、大和との時間が減る………。折角、休みの日に大和に会えるって、楽しみにしてたのに………」
大和の腕を握る力を強め、颯は顔を微かに赤く染め、俯いた。
「…………颯…………」
意外な颯の言葉に、大和は嬉しさで胸が締め付けられた。
と、思うよりも先に、ただでさえ注目を浴びていた状況で、大和の手は颯の身体を抱き寄せていた。
「ええ…………っ!?や、大和!?」
「きゃーっ………」
男を追い払ったイケメンな大和に、周りの女性達が羨望の眼差しを向けていた中での突然の出来事に、颯の驚き以上に、女性達の悲鳴と男性達のどよめきが街角に広まった。
「あかん、嬉し過ぎて、今すぐお前を抱きたい」
「ちょ、ちょ……ちょっと大和っ!ここ、街中!街中だからっ!周り、いっぱい人いるからっ!ヤバいって………」
颯は自分を抱きしめる大和から身体を離そうとするも、腕力のある大和の腕は微動だにしない。
その間も、人々の視線はますます熱を増した。
「…………キス、してええ?颯が、欲しい。…………身体が、火照ってきたわ」
動揺する颯の耳元で、大和が囁く。
相変わらず、颯しか見えない大和にとっては、周りの目など全くどうでも良いものだった。
「ばっ………馬鹿っ!?俺が言ってる事、聞いてる?皆に見られてるんだってば………っ」
「そんなん知らんわ。俺は、お前しか見えへんねん。お前の言葉に、素直に反応したら…………あかんのん?」
人混みで、大和を拒絶する颯に、大和が悲しげに問い掛ける。
大和の切なそうな表情に、さすがに颯も言葉に詰まった。
「やま…………」
颯が大和を見上げ、隙を見せた途端、大和の唇が颯の唇を奪った。
「いただき♪」
「きゃーっきゃーっ……」
悪戯っぽい大和の笑みと同時に、さっきよりも大きな悲鳴が響く。
「………………っ!!!」
颯は唇を押さえ、顔を真っ赤にして、絶句した。
「この美人は、俺のもんやって………皆に知れ渡ったな。この辺りにおる奴は、もうナンパなんかして来れへんわ」
してやったりな大和に、颯は完敗した気がした。
「……はぁ…………もう、俺の負け。大和には、いつも驚かされてばかりだな…………。惚れた弱み……………」
「…………え………」
颯は溜め息と共に苦笑いすると、両腕を大和の首に回し、自ら大和へ口付けをした。
「…………そ……う…………っ」
「大和、モテるから…………俺も…………俺のものだって、見せつけたい……」
驚く大和を、艶っぽい颯の声が、心地よく包み込んだ。
そんな二人を、通行人達は心なしか羨ましそうに見とれていた。
「…………知らんで?こないな事したら、今日はホンマに帰えさへんよ」
「帰りたくないって、思ってた…………」
颯の手を握り、愛しそうに見つめる大和に、颯は優しく微笑んで答えた。
自然と、甘えられる大和に、颯は一層の心地よさを身体中で感じ取っていた。
「………やっぱ、今日デートに誘って良かったわ。ほな、まずは服買いに行きたいんやけど、付きおうてもろうてええ?」
「勿論………どこでも、付き合うよ」
大和は、笑顔で颯の手を引き、注目を浴びる人混みを抜けた。


何分か歩くと、大和はオシャレな雰囲気のショップの前で立ち止まった。
「俺、セレクトショップが好きなんや。ここ、今イチオシ」
路地に面したウインドウには、メンズだけでなくレディースの服もマネキンに着飾れ、大和が本当にオシャレが好きな事が伺えた。
大きな硝子の扉を開き、中に入ると、見やすいように棚やハンガーが整理され、颯も感じの良さが気に入った。
「へえ…………いいね」
「せやろ?服もええセンスしとるで」
「いらっしゃいませ、嵩原様。いつもありがとうございます」
大和の姿を見つけ、可愛らしいショートヘアーの女性店員が、挨拶に来た。
「久しぶりやな、みやびちゃん。今日は、俺の恋人連れて来たわ」
「大和っ………」
さらりと颯を紹介する大和に、颯は照れて顔を反らした。
「えぇっ!?きゃあ……!ホントに凄くお綺麗な方ですね!!拝見出来て嬉しいですっ!」
みやびと言う店員は、颯の姿に両手を握りしめて感動していた。
「……え………」
颯が男である事も、全く触れず、自分を目をキラキラして見てくる店員に、颯は自分がどう紹介されていたか悟った。
「いやー、嵩原様羨ましいっ!ずっと見とれちゃいますっ」
「あかんよー。颯は、俺のやで。一回、5分な………みやびちゃん、特別や」
「…………おい……」
店員と大和のやり取りに、颯はやや呆れつつ、店の中を見て回ろうと脚を動かした。
「颯?服、見る?」
尽かさず、大和が颯を呼び止める。
「ああ、少し見てみる。大和も自由に見て」
そう言うと、颯は近くにあった階段に目をとめた。
「二階もあるのか…………」
2メートル程の幅がある階段を上がると、上にはイタリアブランドのスーツやネクタイ等が並べられていた。
「………………海に、似合いそう………」
生地の良いジャケットを手に取り、颯は海を想像した。
「…………………颯?」
聞き慣れない声が颯の耳に飛び込んできて、颯は呼ばれた方を向いた。
「うわ…………本当に、颯だ………」
「………拓実さん?」
颯の姿に嬉しそうに近付いて来た男、それは颯にとっては何年振りかに会う、早川拓実の姿だった。
「まさか、こんな所で会えるなんてな…………。感動だよ………思っていた以上に、綺麗になってる…………」
「拓実さん…………」
久しぶりに会う、颯の美しい成長ぶりに、早川拓実は微笑みながら見とれた。



続く…………。




Re: オリジナルBLちょっとH?な続編です。2 ( No.22 )
日時: 2015/05/29 20:59
名前: ハル

「海が………ますます過保護になるワケだ…………」
早川はそう言うと、目の前の颯を監察するように見つめた。
「た……拓実さん、止めて下さい。そんなに見られたら、恥ずかしいです……」
早川の目線に、たまらず颯は目を反らす。
「ああ、ごめんごめん。颯が、あまりにも綺麗だから………見とれちゃった」
「拓実さん……っ……」
笑顔で話す早川に、颯は戸惑いを増した。
「クス…………相変わらず、可愛いね……颯。………この前、パーティで海を見かけた時も、凄くイイ男になってたから驚かされたけど…………つくづく、お前達二人の遺伝子は最強だって、思い知らされるよ…………」
茶系の細身のジャケットに、麻素材の白いシャツを合わせ、デニムをはいた早川の姿は、久しぶりに会う颯には、とても大人に見えた。
「そんな事………拓実さんだって、充分素敵です………」
「そお?お世辞でも嬉しいな」
「お世辞だなんて……………」
慣れない早川との会話に、颯はさっき見ていたジャケットを触りながら、次の言葉を考えた。
大和なら、何も考えなくても話が出来るのに…………颯の中で、下にいる大和がとても恋しくなってきていた。
「…………そう言えば……拓実さん、留学……されてたんじゃ………」
数少ない記憶の情報から、颯はやっと会話を絞り出す。
「してたよ、留学………。でも、周りに呼び戻されたんだ」
「………え?」
早川は、颯に微笑み返して答えた。
「海が……………海が、あの歳であまりにも活躍してくれるから、お前も早く仕事を手伝えってさ。…………今じゃ、政財界で海を知らない者はいないって位、評価が高いからね。周りも焦ったんだろうね………急遽、大学を休学する羽目になったよ」
「………あ……………」
颯は、海の評価の高さに嬉しさを感じる反面、早川に対してどう反応すべきか困惑した。
確かに、神崎グループと早川グループは、規模も知名度も似ている分、昔から比較されてきた事は、まだ事業に関わらない颯でさえ理解している。特に、歳の近い海と早川が、次期トップとして良くも悪くも並べられている事も…………。
「ぷ…………わかりやす。颯が困った顔する事ないだろ?これは、俺と海の問題だし。俺は、それなりに受け止めてるんだよ。……………だから、今日もここでスーツのお仕立て。ここ、結構腕も生地もいいから」
「………拓実さん………………」
早川は、2階の奥を軽く指差した。
沢山の生地が並べられた棚のある区切られた一角には、スーツを綺麗に着こなした店員らしき数人の男性と、早川の秘書らしき女性が生地を見ながら談笑していた。
「うちの秘書、センスいいから、俺は採寸だけ。採寸が済んだら用ナシらしい……」
「そんな…………」
冗談っぽく言う早川に、颯の顔も少し緩んだ。
「…………やっと、笑った」
「………っ………」
早川に言われ、颯がハッとした瞬間、早川の手が颯を抱き寄せた。
「拓実さ…………!?」
「………………あの時、手に入れておくべきだった」
突然の行動に颯は抵抗する余裕もなく、早川の胸に抱きしめられる。
動揺する颯に、早川は小さく呟いた。
「………あ、あの………時………!?拓実さん……っ……何……」
「海の…………命より大切なもの、ずっと欲しかったんだ………颯………」
「え……………っん……っ!!?」
早川から離れようと、自分の手を早川の胸に突いてもがく颯を、早川は強引に首の後ろへ手を当て、唇を奪った。
「……やっ………やめ…………っ」
涙目になり抵抗する颯に、早川の唇はますます絡んでくる。
「颯…………俺は、必ずお前を海から奪うから………」
「拓実さ……んっ………やだっ………」
早川の唇を必死な思いで離し、颯は後ろに倒れそうになりながら、身体を逃れた。
「颯っっ………!?」
と同時に、2階からなかなか下りてこない颯を気にして、上がって来た大和の声が響く。
「……や……大和…………」
颯は、キスされた事を大和が知ったらと思うと、怖くて顔を直ぐには見られなかった。
「どないしたんや?何かあった…………っ!お前………」
颯に駆け寄った大和は、近くに立っていた早川拓実に顔色を変えた。
「どう言う事や。何で早川が……………」
「…………?誰だ、お前。初対面で呼び捨てか?」
早川……と、大和に呼び捨てにされ、早川はムッとして大和に聞き返した。
「ス……スーツを仕立てに来たって………偶々、久し振りに会ったんだ………」
颯は動揺した顔を隠し、大和の腕を掴みすがるように寄りかかった。
「…………お前……何か、されたんか?」
大和の声色が、一気に重いものへと変わっていく。
「な、何も…………大丈夫…………」
ここで大和を怒らせる訳にはいかない…………颯は、平常心を保とうと、深く息を吸った。
「……………おい、お前は誰だって聞いてるんだけど?」
二人の親しい様子に、早川はもう一度大和に問い掛けた。
「あ?……っせえな…………今、俺は颯の心配をしとんねん。大体、いちいち名乗らへんでも、どうせお前は調べるやろ」
「は…………?」
颯の様子の変化に気を揉む大和の返答に、早川も険しい表情になっていった。
「あのな…………この俺が聞いてるんだよ」
早川の発した一言に、大和の動きが止まった。
「はあ?………この俺?」
「大和…………っ」
身体の向きを早川の方へ変える大和に、颯は慌てて腕を握りしめる。
「お前、何様や。たかが、財閥の御曹司がそないに偉いんか?人をナメんのも、大概にせえよ」
「……なに…………」
「俺の名は、嵩原大和や。全国でも随一の規模を誇る竜童会の若頭の嵩原大和。よう頭に叩き込んどけや」
大和の名乗りに、さすがの早川も驚きを隠せなかった。
「竜童会………だと?まさか…………確かに、そこの若頭は異質を放ってるとは聞いた事があるが…………。お前が…………!?海が、許したのか?颯に近付く事を…………」
「さあな、許しとるかは知らへんけど、颯と俺は付き合ってんねん」
「……嘘だろ………?」
大和は颯の肩を抱いて、早川に宣言した。
「ちょ………大和っ……」
慌てる颯を尻目に、大和は早川を睨んで話を続ける。
「せやから、先に言うとくわ。…………俺の颯にヘタな真似したら、ただじゃ済まさへんぞ。海をどうこう言う前に、竜童会の嵩原がおる事忘れんなや。ましてや、俺の名前使(つこ)うて神崎陥れるような事してみい、俺が全力で貴様を潰しにかかるさかいな…………首洗って待っとれや」
颯の横にいるのは、完全な竜童会若頭の顔をした、大和だった。
ドスの効いた大和の言葉には、大きな迫力があった。
「………………行くで、颯」
言いたい事を言って、大和は颯の手を握り、引き寄せた。
「え………大和…………」
「買いたいもん、買えたさかい用無いわ。…………ほな、御曹司さん……さいなら!」
颯は気まずそうに早川を振り返り、大和の手を握り返した。
大和の手が、颯の動揺を消し去るように温かく颯を安心させる。
「……………竜童会か……………。また随分厄介なものを掴んだな、颯は。………………まあ、相手が手強い程、ねじ伏せ甲斐があるってもんだ………」
二人の後ろ姿を見ながら、早川は楽しそうに言った。












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