大人オリジナル小説
- 死んでしまったあなたに伝えたかったことですが、
- 日時: 2013/11/17 22:55
- 名前: noeru
あんなにブラックな話書いてるくせに実は社会派もシリアス・ダークも書いてなかったnoeruですー!自己紹介長いっすー!!
二次小説じゃないと長続きしないからですかね?
そのせいで二次小説がお先真っ暗な絶望集になってるのはメカクシしときましょー
何かあると書いてる小説にそれが影響して話がどんどんどん底に落ちていくのが悪い癖なので
嫌な事があったり書きたくなったり→ここに書く!とにかく小説にするのだ!!→安定したシナリオで二次創作!!→全体的にスッキリ!!
という、まあ短編や思ったことの書き溜め的役割です
どっちかって言うとエッセイに近いかな?
もちろん全部タイトルに関係することでっせ
!※※※!
・よく分かりませんが鬱症?とかパニック障害?な気もします、多分。本当にそういう方申し訳ござらん
・ガチで極限で書くときは誤字脱字酷いかも(後日暇な時直すかもです)
・似たような話ばっかだったらスマソ
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
- 夢の話 ( No.4 )
- 日時: 2013/11/18 22:46
- 名前: noeru
少しだけ前述したけれど、私は夢の中であなたに会ったことがある。
全体的にぼんやりとしていてはっきりした容姿は憶えてない。それでもすごくかっこよくて、自慢の彼氏だということに変わりない。
あなたと会ったのは二回で、一回目はかなりはっきりと見えた。こちらは憶えているのだけれど、本当にあなたと言っていいのか分からない。
夢の中で私は何人か人を殺した。二、三人だったか三、四人だったか、その程度だったはずだ。警官を一人勢いで殺したのを強く憶えている。
それなのに私はパニックにもならなくて、恐れもしないで―――ただゲームの画面の中の出来事だ、とでも言いたげに、警官の死体を乗り越えてそのビルを出た。デパートに水族館と大きな立体駐車場が複合されたようなビルで(ショッピングモールとは言い難かった)、この建物は何度か夢で見ることになるのだが、現実で似た建物すら見たことが無い。
私は夢の中で同じ街を彷徨っている。でもそれは夢の登場人物が『私』だった時限定で、あの子たちの場合が圧倒的に多いから、結局あの街がどこなのかさっぱり分からない。全体的に進んだ都会の街、といった感じなのだが、色が抜け落ちていて白っぽくて、科学館や博物館の体験展示で出てくるCGグラフィックのような街なのだ。造りは、今まで見てきた様々な街並みが歪に組み合わさっていて、似たような通りがいくつも出てくる。二回目にあなたにあったのは、この街だ。
私はあなたに、どんな方法なのか知らないが、いずれ支配されるようだった。薬局で貰った処方箋のような、薬の入った袋を入れたビニール袋を手に持って、あなたが話すのを聞いていた。病気のようだ。病気で、私はあなたに支配されて、自我を失うようだった。
一度目の夢も二度目の夢も、あなた自身は登場せず、ただあなたの存在が語られた数えきれない夢でも、あなたは私と正反対だった。たくさんの女の子に囲まれてモテモテで人気者だった。みんなの前で、あなたは軽くて明るい、ムードメーカーみたいな男の子だった。私自身もあなたと居ると、ネガティブで目つきの悪い女の子じゃなくて、お洒落な友達がいっぱい居る可愛い女の子だった。あなたと並んで歩いても、あなたが私を現実と同じように溺愛しても、誰も文句を言わないくらい、お似合いの恋人だった。
二度目の夢で、私はトラックに轢かれた。その時私は何故かあなたのすぐ傍で、いや、あなたの目線になっていた。大きな衝突音がして、あなたが歩道橋の方を振り向いて、私の名前を叫んだ。どうしてあなたは私だと分かったのだろう?その後私は病気のシーンに飛んでいた。病院ではない、森の中のような自然あふれるやけに小奇麗な廃墟に何人かで座って、あなたの話を聞いていた。
一度目の夢はきっと、二度目よりも後の話なんだろう。予知夢とかではないはずだ。あなたはこの世界で、私の中に一緒に生きている他人なのだから。第三次世界大戦が起きて、日本中に核爆弾が落とされて、ただの焼け野原で何もない東京を、イラストでも見るような目線で見ていた。スカイツリーが折れて、東京タワーがいつの間にかなくなって、皇居も国会議事堂も燃えていた。気付いたら何もない場所に巨大な人口のアリの巣のような山があって、車で人々が山の中腹から中に避難していた。
私は知らない女性の目線になって、男の人と走っていた。もう地上に残っているのは二人だけとでもいうように、もうすぐで彼らも山の中に……地下に造られた新しい都市に避難するところだった。でもそこに小さな不発弾が落ちて、私は来た道を引き返した。二人は消防士のような自衛隊のような人たちだったから、その小さな小さな不発弾を道からずらして、地下都市へ続く道を少し直した。山は砂で出来ていて、幼稚園児が砂場で作ったお山そのものだった。
私たちが砂山に入った瞬間―――そこはもう地下深くで、私は長い丈のセーラー服を着て、ツインテールのような三つ編みを揺らして、吊り橋をくるくると回りながら走っていた。後ろから私そっくりの、同い年くらいの男子高校生が付いてくる。あなただった。私たちは双子の姉と弟で、その日は高校の入学式だった。幸せそうな姉弟だった。
未だにこの夢の風景は忘れられなくて、永久に夜の大正浪漫の古き良き街並みの街灯に映える紅葉は綺麗だった。私たちだけじゃなくて、学校の友達も存在しているようだった。先ほどの二人は私たちの、この世界での両親だったのだ。あの不発弾の件からいろいろあって、父親は将軍の位についていた。母親は、放射能の影響で亡くなっていた。私もあなたも、地上を見たことがなかった。
まるで平行世界のように、あまりにもそっくりで不思議な街だった。
いつもの街と違って、この大正浪漫の戦時中なのに裕福な都市は、その一度しか訪れなかった。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23