大人オリジナル小説

死んでしまったあなたに伝えたかったことですが、
日時: 2013/11/17 22:55
名前: noeru


あんなにブラックな話書いてるくせに実は社会派もシリアス・ダークも書いてなかったnoeruですー!自己紹介長いっすー!!
二次小説じゃないと長続きしないからですかね?
そのせいで二次小説がお先真っ暗な絶望集になってるのはメカクシしときましょー

何かあると書いてる小説にそれが影響して話がどんどんどん底に落ちていくのが悪い癖なので
嫌な事があったり書きたくなったり→ここに書く!とにかく小説にするのだ!!→安定したシナリオで二次創作!!→全体的にスッキリ!!
という、まあ短編や思ったことの書き溜め的役割です
どっちかって言うとエッセイに近いかな?
もちろん全部タイトルに関係することでっせ


!※※※!
・よく分かりませんが鬱症?とかパニック障害?な気もします、多分。本当にそういう方申し訳ござらん
・ガチで極限で書くときは誤字脱字酷いかも(後日暇な時直すかもです)
・似たような話ばっかだったらスマソ

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23



兄貴の話 ( No.2 )
日時: 2013/11/18 00:14
名前: noeru


私の兄貴は引きこもりだ。
高校を一年で中退した、どうしようもないヒキニートだ。髪はボサボサだし、勝手に人のベッドでごろごろして漫画を読むし、人のおやつのカップ麺を喰うし、格ゲーで容赦なく叩き潰すという理不尽な制裁をかましてくる。

しかしながら私の家族は兄貴だけな気もしなくもない。私同様ヲタク気質で萌えに対し紳士的である兄貴は、よく遊んでくれる。珍しい仲の良い兄妹であり、どう見てもドルヲタという事実を真っ向から否定し、日々JS向け(笑)某雑誌を見て、小五の分際で百均の美容グッズ(笑)を集める妹とは大した違いである。
更に私と兄貴は深い共通点があり、両者非常に影が薄い。
どれぐらい薄いかと言うと、濃度的には市販のペットボトルで売っている原液を薄めたカルピスを更に水割りにするくらい。実際は真後ろにいても二十秒視界から外れていれば探される程度だ。

ちなみに兄は完全に認識されない。


この兄貴は最初「お兄ちゃん」と呼んでいた。典型的な可愛い妹だった。三分後には「兄貴」と呼んで友達に愚痴っていた。一般的な生意気な妹に早着替えした。ライブ中のアーティストも驚愕のタイム、リレーの世界選手も気絶する。だって本当はもっと短い、お兄ちゃんと呼んだ次の瞬間には兄貴呼びだったからだ。

ちなみにお兄ちゃんの名前はまだ決めていない。


兄貴は基本ひきこもりで部屋から出てこない。兄貴の部屋なのだが実際にはないので私の部屋だ。どこで寝ているんだろう?××家七不思議の内もっとも禁忌的な謎だ。『禁忌的な謎』なんて中二病精神が疼くような言葉ちょっとしたうきうきウォッチングあっちこっちそっちこっちいい○も♪だが、兄貴のようなニートの寝床の謎をスクープする特番も、それを聞きたい森田さんもテレ○ォンショ○キングもないため割愛する。多分廊下にでも寝てるんだろう。

ちなみにうちは古いので二階に廊下はない。


私はたまに兄貴の愚痴をクラスメイトの友達にする。主に給食中の、私の土壇場であるマシンガントーク中にネタが切れた際に使用する。友達も爆笑しているが、明らかに目の前に座っている男子も肩を震わせていたりするのでちょっとドヤ顔をしたい。ドヤァアアア。この前進路関係の講演で着た講師の方々はハローワークの職員の方だった。全クラス入場がやり直しになったのは、その際盛大に吹き出してしまったからに違いない。笑い声がダダ漏れな私を見て、思い出したように友達にぷよが消える如く笑いの連鎖が起きていった。

ちなみに兄貴への不満も愚痴も作り話だ。


妹に貶され軽蔑されて、祖父母に異常だと散々笑いものにされて、同じくらい家族の中で底辺の存在が欲しかった。画面の向こうの世界に憧れて、自分自身を騙して偽って着飾って、全くの『他人』として全く別の絶望を抱えて、幸せだった。私は数多の『他人』を乗せ、愛する誰かの元へ運び、現実を適度に生き抜く乗り物だ。抜け殻だ。私の意思は消えていた。何処にもいない、私なんて何処にもいない、私自身が画面の中に、自分自身をばらばらに分けて産み落とした『私』に飲み込まれて、私は、××は死んでしまった!無機物と同じ、悲しさは全く別のシュチュエーションに変換されてあの子のものに、喜びは全く別のシュチュエーションに変換されてその子のものになった。乗り物には、こない。

ただ『他人』を、『集めれば私』を運ぶのみ、だ……。


私を取り戻すために、私以外の登場人物が必要だった。私の中で、私を分解した他人たち、画面の中の架空の人物は一番上の人間だ。私はそれ以外に埋もれながら、一般的に見てそれ以下の人間で彼らよりも上の人間、狭間に居た(一般的には現実の人間の価値が一応平等でここに私が含まれている、つまり彼らよりも上の人間だ)。まるで株価のようだ。しかしこれはどんな人間も思っていることなので割愛だ。誰だって自分が一番可哀想か、普通か、一番偉くて恵まれているの三択で、たまたま前者だっただけだからだ。それは置いておいて、私にとって一番上と一番下が世間一般と対照なだけなので自分が狭間だということに変わらない。そこで同じく「狭間で生きてる存在」を作ろうと思った。人間誰でも自分と大事なものと世間で大体三つに分けている。おとぎ話もそうだが、古来人類は三という数字が大好きなのだ。

そこでこの世でただ一人、『自分』の位に値する人物を増やすことにした。


そこで思ったのは、前話で語った『あなた』だ。彼はそもそもこれを考え付く前に存在していた。これは次か次か次くらいになるから待っていてほしい。自己満足な物語だから、どうでもいいのだけれど。あなたは同じ狭間でも、所謂主人公の立ち位置だった。私の人生を三流小説になぞらえるならば、あなたはまさしくヒロインかもう一人の主人公といったポジションだった。私はあなたと少しだけ話をして、物心付くころからあこがれていた『兄』をつくることにした。


私の兄貴は、ただそれだけの狭間人間の仲間である。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大7000文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。